能《船弁慶》 Ⅱ

能《船弁慶》 Ⅱ
年
組
番氏名
2 「能」とは、何か?
(1) 自分たちの《船弁慶》(そもそもこれは〜最後まで)を発表しよう。
言い方(①を◯○のように)
1
効果音
その他気づいたこと
言葉がはっきりしていた。しかし、⑥の幽霊の声をつぶやくように言っ 語尾をはっきりしていて、そ 波の音を強弱をつけているのがとて
ていたのが印象的。
2
間や静寂の使い方
の後の静寂が効果的だった。
も雰囲気が出ていた。
しゃべる速さを変えていて、ドラマチックだった。
楽器をつかわず、足や手をつかって しゃべりと効果音の速さの変化が
思い切ってゆっくりと言っているのが日本という感じがした。
いた。戦いの部分の迫力があった。
うまくあっていた。
3
4
(2) 能《船弁慶》を視聴して、比較しよう。
言い方(①を◯○のように)
比
較
間や静寂の使い方
効果音
その他気づいたこと
⑥は堂々と言う感じがしたが、実際は、なんだかはっきりし 盛り上がる前の静寂やアンサンブルに楽器 四人の息の合わせ方がす 面をかけているので、表情がわからな
ない感じ。⑫は子方が言うが、はつらつとしていてよい。
が加わりを始めたとき。楽器一種類だけの終 ごい。作り出す音楽の緊迫 い。
⑬は、だんだん早口になり、緊迫感が感じられる。一度ゆっ わった後の静寂もよい
感がすごい。
くりになり、また速くなる。のど仏をさげた声のようである。
舞というより、動き。手先を使わない。
足の運びと立ち方が独特。
能の声楽部分が( 謡・うたい )だ。登場人物が心情を語る部 リズムは 12 文字を8拍に入れる( 平ノリ )、 楽器演奏者は、( 囃子方・ 舞は、地謡と囃子に合わせて舞うこと、
解
説
分と( 地謡・じうたい )によって場面や情景が謡われる部分 最も活動的なリズムの( 中ノリ )、
はやしかた )と呼ばれ、
囃子のみでクライマックスをもり合う
がある。謡は「コトバ」と「フシ」に別れる。
「コトバ」は台 1 拍 1 文字を基本に大きく謡われる( 大ノ
( 能管・小鼓・大鼓・太鼓 )
あげる舞がある。
( カマエ )という腰に
詞のようなものだが、
「フシ」には旋律がある。
それぞれ、専門である。
力を入れあごを引いた姿勢と、( ハコ
リ )がある。
役柄を謡いわけるため、旋律を優美に歌う( 弱吟・よわぎん)、
( 掛け声 )で拍数や間合 ビ )というかかとを上げずすり足で歩
声の勢いを前面にだした( 強吟・つよぎん )がある。
いをはかっていく。
くのが基本となる。そこに「型」が加
わり、演技が成立する。
(3)「その時義経、少しも騒がず」から最後まで、DVD と合わせて謡ってみよう。
ポイント ①大ノリのリズムに乗る ②一音ずつしっかりと声を出す ③速度の変化をよく聴いて合わせる。
<謡ってみての感想> 謡本を見ながら、何回か真似して謡ううちに、少しずつ謡えるようになってきた。のど仏を下げ、お腹から声をだすと、
楽しい。太鼓のリズム感に乗って行くと謡いやすい。囃子の掛け声が心地よく、速度の変化にも自然とついていくことができた。
能《船弁慶》 Ⅲ
年
組
番氏名
かんぜこじろうのぶみつ
3能《船弁慶》観世小次郎信光 ( 1435〜1516 ) 作の全体を視聴しよう。
(1) 登場人物
役籍
役割
シテ方
シテ
子方
前場
静御前
源義経
じうたい
うたい
ワキ
ワキツレ
アイ
武蔵坊弁慶
従者
地謡
ワキ方
きょうげんかた
狂言方
は や しかた
謡 を斉唱する
こつづみ・おおつづみ・たいこ・ふえ
囃子方
後場
( 平知盛の幽霊 )
( 源義経
)
小鼓・大鼓・太鼓・笛
( 武蔵坊弁慶
従者
船頭
)
各々一人ずつが全体を通して囃子を受け持つ
(2) 物語
兄である源頼朝と不仲になり京の都を追われた義経と弁慶らその主従が、摂津尼崎の大物の浦から船を出し、西国に逃
げようとしたときの話です。弁慶の進言で、ここまで付き従って来ていた静御前と別れることになります。静御前は別れ
の悲しみを秘め、義経の行く末を祈る舞を舞います。涙ながらに別れる静御前を残して、船出します。嵐の中、荒波に平
家の亡霊が現れます。そして、平知盛の幽霊が薙刀を持って襲いかかります。義経も剣を抜き戦いますが、弁慶が数珠を
手に祈ると、知盛の幽霊がようやく海の中に消えて行くという物語です。
(3) 構成 (
前場
ア
イ
ウ
エ
オ
カ
間狂言 キ
後場
ク
ケ
コ
)に音楽の特徴を記入
義経・弁慶・従者二人が登場。( 大鼓・小鼓の伴奏
弁慶が自己紹介と状況説明。( 名乗り笛
弁慶と義経は、静御前を京へ帰すことを決める。
静の悲しみ。舞の装束になる。 ( 囃子は笛のアシライ吹き
ゆったりとした静の舞。 ( 地謡は平ノリ、弱吟の旋律を謡う
その後、囃子が舞を伴奏する
直垂をぬぎすて泣く泣く退場。( 送り笛
狂言(アイ)方の船頭が海が荒れてくるのを表現。( 波頭の囃子
天候が急変し、平家の亡霊が現れる。( 早笛の囃子、太鼓が入る
知盛の幽霊が、襲いかかる。( テンポ感のある囃子の伴奏
勇壮な舞で襲いかかる幽霊も弁慶の祈りで退散。( 大ノリの謡
)
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)
)
)
)
)
(4) 感想
① 前場・間狂言・後場の違いを書こう。
前場の静御前の舞と後場の平知盛の勇壮さは、まったく対照的です。囃子も、前場はしっと
りと静御前の悲しみを表し、後半は太鼓がリードし、緊迫した感じをだします。間狂言は狂
言師が船を漕ぎ出し、波が荒れると力強く進めます。音楽もだんだん激しくなる。
② 気持ちの引かれた登場人物とその理由を音楽的特徴から書こう。
平知盛の幽霊です。気迫あふれる舞と何か悲しそうな表情が心に残ります。太鼓がリードす
る音楽は舞の激しさをいっそう盛り上げます。