後藤 謙元 氏 - 松本歯科大学

Matsumoto Dental University
Graduate School of Oral Medicine
1780 Gobara, Hirooka, Shiojiri,
Nagano 399-0781, Japan
第 322 回松本歯科大学大学院セミナー
回松本歯科大学大学院 セミナー
日 時: 201
20 1 5 年 7 月 4 日 ( 土 )
16 時 00 分 ~17 時 00 分
場 所: 創立 30 周年記念棟大会議室「
周年記念棟大会議室 「 常念岳」
常念岳 」
演 者: 後藤 謙元 氏 ( 京都大学
京都 大学医学研究科
大学 医学研究科ゲノム
医学研究科 ゲノム医学
ゲノム 医学センター
医学 センター
疾患ゲノム
疾患 ゲノム疫学解析分野
准教授 )
ゲノム 疫学解析分野・
疫学解析分野 ・ 准教授)
タイトル
タイトル: 加齢黄斑変性の
加齢黄斑変性 の 成因にまつわる
成因 にまつわる最新情報
にまつわる 最新情報
加齢黄斑変性 において顕著
において 顕著 な 視力低下をもたらす
視力低下 をもたらす病変
をもたらす 病変は
病変 は 脈絡膜新生血管板 である。
である 。 とこ
ろが患者
においてどのような遺伝子
しているのか、
ほとんど何
ろが
患者 の 本病変 においてどのような
遺伝子 が 発現 しているのか
、 ほとんど
何 も 分 かってい
なかった。
なかった 。 滲出型加齢黄斑変性への
滲出型加齢黄斑変性 への第一選択薬
への 第一選択薬は
第一選択薬 は 抗 VEGF 薬 であるが、
であるが 、 その標的
その 標的である
標的 である
ファミリーの
遺伝子発現の
さえ行
われていない。
VEGF ファミリー
の 遺伝子発現
の 定量 さえ
行 われていない
。 今回発表者は
今回発表者 は 、 平成 9 年 から
11 年 にかけて行
にかけて 行 われた脈絡膜新生血管抜去術
われた 脈絡膜新生血管抜去術 6 例 の 病理検体 が 保存 されていることに着
されていることに 着
目 し 、 次世代 シークエンサーを
シークエンサー を 用 いて網羅
いて 網羅 的 に 遺伝子 発現 を 検 討 することができたので報
することができたので 報
告 する。
する 。 11,217 遺伝子(
遺伝子 ( 全遺伝子 の 43%)
43% ) の 発現が
発現 が 6 例 のうちいずれかでみとめられた。
のうちいずれかでみとめられた 。
VEGFA については 、 ほ とん ど 発 現 し ていない 検 体 と 高 発 現 を している 検 体 の 間 に 、 約
1,000 倍 の 発現量 の 差 を 認 めた。
めた 。 過去 の 全 ゲノム関連研究
ゲノム 関連研究 にて加齢黄斑
にて 加齢黄斑 変性 の 病因 とし
て 報告 された遺伝子
された 遺伝子 、 例 えば補体
えば 補体 H 因子や
因子 や 補体 I 因子に
因子 に 、 高発現 をみとめた。
をみとめた 。 これまで補
これまで 補
体 H 因子 などは肝臓
などは 肝臓 で 産生 され眼
され 眼 に 循環して
循環 して病態
して 病態 に 関 わるという考
わるという 考 えが主流
えが 主流だったが
主流 だったが、
だったが 、 病
変局 所 での高発
での 高発 現 の 意味 は 検 討 に 値 すると考
すると 考 えられる。
えられる 。 またアルツハイマー
また アルツハイマー病
アルツハイマー 病 の 発症 との
関連がいわれている
関連 がいわれている ApoJ、
ApoJ 、 アミロイドβ
アミロイド β (APP)、
(APP) 、 APLP2 遺伝子の
遺伝子 の 高発現がみられた
高発現 がみられた。
がみられた 。 過去
あまり、
でありつづけてきた。
四 半 世 紀 あまり
、 血 管 新 生 の 基 礎 研 究 は 医 学 研 究 の 最 重 要 課 題 でありつづけてきた
。世
界中 で 数多 くの研究者
くの 研究者 がとりくみ培養細胞
がとりくみ 培養細胞 、 動物 モデルでの
モデル でのメカニズム
での メカニズムが
メカニズム が 明 らかになったが、
らかになったが 、
する段階
になるとヒト
ヒト病変
でどの遺伝子
しているか分
からないことが常
臨床応用 する
段階 になると
ヒト
病変 でどの
遺伝子 が 発現 しているか
分 からないことが
常 に障
害 になってきた。
になってきた 。 今回 、 病変部 の 遺伝子発現プロファイル
遺伝子発現 プロファイルと
プロファイル と 全 ゲノム関連研究
ゲノム 関連研究 の ピーク情報
ピーク 情報
できたことで、
がより明
らかになり、
くなったと考
を 統 合 できたことで
、 加 齢 黄 斑 変 性 の 成 因 がより
明 らかになり
、 臨 床 応 用 が 近 くなったと
考
えられる。
えられる 。
担当:
担当 : 硬組織疾患制御再建学 講座
眼科学
高橋 直之
太田 浩一