センター倫理政経 補充 ∼間接税の増減はなぜ需要曲線ではなくて 供給

センター倫理政経 補充
∼間接税の増減はなぜ需要曲線ではなくて
供給曲線のシフト原因なのか∼
ざっくりまとめ
① 間接税の増減の影響は、需要曲線のシフトで説明するよりも供給曲線のシフトで説明
するほうが、 はっきり言って説明しやすい。
② 難関私大の問題や、公務員試験の経済学の試験でも、 間接税の増減=供給曲線のシフ
トで解答するので、 しょうじきそう覚えてもらうしかないかな。
③ ただし、このことを利用すればいろいろなことが説明つくこともわかっておいてほし
いところ。
間接税の増減税がなぜ需要曲線ではなく供給曲線のシフト要因になるのか。答えは多少
拍子抜けしていまうかもしれないが、「そのほうが説明しやすいから」ということになる
だろう。
例えば図のような需給曲線を持つ財につ
価格
いて、この財1単位の販売につき、間接税
を4円課すことになったとしよう。供給曲
30
供給曲線②
需要曲線
線①は間接税増税前、供給曲線②は間接税
増税後の供給曲線だ。増税なので間接税は
供給曲線①
20
18
左に移動するわけだが、上に移動するとい
F
うこともいえる。この場合、賦課される間
E
接税4円分、供給曲線は上方に平行移動す
る。それによって均衡点がEからFに変化
10
するので、価格は18円から20円に、需要量
6
O
=供給量は12単位から10単位に減少する。
10 12
30
数量
間接税増税→供給曲線左にシフト→需要量
減少の順に説明できる。
あるいは、図の状況を、輸入品にかかる関税についてのものと考えてみよう。供給曲線
①は関税賦課前、供給曲線②は関税賦課後とすると、輸入品価格を18円から20円に上昇
させるには、輸入品1単位につき4円の関税をかければいいということがわかる。
また、図の状況を今度は、供給曲線①が公害によって外部不経済が発生している状態の
もの、供給曲線②が外部不経済のない状態のものとしよう。社会的に適正な供給量は10
単位だが、実際には12単位生産され、2単位の過剰生産が生じている。そこで、公害を発
生させている財1単位の販売につき4円の環境税を徴収することにすると、供給曲線①が
②の位置までシフトし、外部不経済がなくなり、過剰生産もなくなる。これが第4講で少
しだけ説明した「外部不経済の内部化」だ。