協同出版様 教職課程2015年11月号 - 鹿本学園

看護師
教員と連携して生徒の
安全を守っています
棄京都立鹿本学園勤務・主任看護師
加藤由美子さん
総合病院で勤務後,東京都教育庁に学校看護師として採用。平
成20年より鹿本学園の前身となる江戸川特別支援学校で勤務。
≫教員が授業に専念できるような体制づくり
東京都立鹿本学園は,肢体不自由教育部門(小。中・
す。実際は児童・生徒によって個別性がありますので,
高等部)と,知的障害教育部門(小・中学郭)の両部門
1人1人にあったマニュアルを作成し,それにそったケア
を併置する,開校2年日の児童・生徒側8名が在籍する
を安全に配慮しながら実施しています。
知肢併置校です。保健室には養護教諭3名と,看護師は
私を含めて常勤が2名,他に非常勤看護師が8名います。
また,医療の場である病院とは違い,学校というのは
日常生活の場であり教育の場です。それを念頭に置いて
私の仕事としては,日常生活に必要とされる医療的な
授業の進行を妨げないように仕事を進めるようにしてい
生活援助行為,いわゆる「医療的ケア」実施が主なもの
ます。学校には医師が常駐していないので,トラブルが
です。学校で実施する「医療的ケア」は全部で9項目あ
発生した場合に対応できるように,緊急対応訓練を行っ
り,その中で看護師以外の教員や介護職員が実施できる
ており,どの職員でも緊急時に沈着冷静に対応できるよ
のが「吸引(癖の排出が自力で困難な人に対して吸引器
うにしています。
による嬢の吸引を行うこと)」「経管栄泰(摂食。嘆下の
障害の重い子どもの健康状態は変化しやすいものです。
機能に障害がある場合に鼻腔等から胃まで,または直接
そんな子どもたちの一番近くにいて異変をいち早く見つ
胃や腸までチューブを通して栄養剤等を注入すること)」
けることができるのは教員です。私たち看護師は,教員
「導尿の補助」になります。;の3項削こ関しては,看
とのコミュニケーションを密にして情報を共有し異変の
護師や教員などが協働で行います。その他の医療的に高
早期発見に努めています。子どもたちの命を守るため細
度な項目に関しては,看護師のみが実施しています。
やかな健康観察と教職員のチームワークが大切です。毎
当校では,肢体不自由教育部門の2割弱の児童・生徒
日,医療的ケアを実施していた子どもが卒業するときに,
が「医療的ケア」を必要としています。これらの児童。
保護者の方から感謝の言葉をかけていただくことがあり
生徒に対してケアの実施をするだけではなく,学校の教
ますが,これは私だけではなく,学校全体にかけてくれ
職員への指導や助言なども大きな業務の一つです。
た言葉−,チームワークのあらわれだと感じています。
指導に関しては,指導医が週に1度の割合で来校され
これからも校長の経営計画に基づいた目標達成に向か
「医療的ケアの検診や研修」を行います。主に教員や介
って,教員が授業に専念できるような体制づくりを医療
護職員のための研修で,保護者も立ち会い合格したら実
職としてサポートし,生徒が笑顔で学校生活を送れるよ
際に児童・生徒に医療的ケアが実施できるようになりま
うにしていきたいと思っています。
0181教職課程NOV2015
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