看護師 教員と連携して生徒の 安全を守っています 棄京都立鹿本学園勤務・主任看護師 加藤由美子さん 総合病院で勤務後,東京都教育庁に学校看護師として採用。平 成20年より鹿本学園の前身となる江戸川特別支援学校で勤務。 ≫教員が授業に専念できるような体制づくり 東京都立鹿本学園は,肢体不自由教育部門(小。中・ す。実際は児童・生徒によって個別性がありますので, 高等部)と,知的障害教育部門(小・中学郭)の両部門 1人1人にあったマニュアルを作成し,それにそったケア を併置する,開校2年日の児童・生徒側8名が在籍する を安全に配慮しながら実施しています。 知肢併置校です。保健室には養護教諭3名と,看護師は 私を含めて常勤が2名,他に非常勤看護師が8名います。 また,医療の場である病院とは違い,学校というのは 日常生活の場であり教育の場です。それを念頭に置いて 私の仕事としては,日常生活に必要とされる医療的な 授業の進行を妨げないように仕事を進めるようにしてい 生活援助行為,いわゆる「医療的ケア」実施が主なもの ます。学校には医師が常駐していないので,トラブルが です。学校で実施する「医療的ケア」は全部で9項目あ 発生した場合に対応できるように,緊急対応訓練を行っ り,その中で看護師以外の教員や介護職員が実施できる ており,どの職員でも緊急時に沈着冷静に対応できるよ のが「吸引(癖の排出が自力で困難な人に対して吸引器 うにしています。 による嬢の吸引を行うこと)」「経管栄泰(摂食。嘆下の 障害の重い子どもの健康状態は変化しやすいものです。 機能に障害がある場合に鼻腔等から胃まで,または直接 そんな子どもたちの一番近くにいて異変をいち早く見つ 胃や腸までチューブを通して栄養剤等を注入すること)」 けることができるのは教員です。私たち看護師は,教員 「導尿の補助」になります。;の3項削こ関しては,看 とのコミュニケーションを密にして情報を共有し異変の 護師や教員などが協働で行います。その他の医療的に高 早期発見に努めています。子どもたちの命を守るため細 度な項目に関しては,看護師のみが実施しています。 やかな健康観察と教職員のチームワークが大切です。毎 当校では,肢体不自由教育部門の2割弱の児童・生徒 日,医療的ケアを実施していた子どもが卒業するときに, が「医療的ケア」を必要としています。これらの児童。 保護者の方から感謝の言葉をかけていただくことがあり 生徒に対してケアの実施をするだけではなく,学校の教 ますが,これは私だけではなく,学校全体にかけてくれ 職員への指導や助言なども大きな業務の一つです。 た言葉−,チームワークのあらわれだと感じています。 指導に関しては,指導医が週に1度の割合で来校され これからも校長の経営計画に基づいた目標達成に向か 「医療的ケアの検診や研修」を行います。主に教員や介 って,教員が授業に専念できるような体制づくりを医療 護職員のための研修で,保護者も立ち会い合格したら実 職としてサポートし,生徒が笑顔で学校生活を送れるよ 際に児童・生徒に医療的ケアが実施できるようになりま うにしていきたいと思っています。 0181教職課程NOV2015 著作権者による 掲載許諾取得済み
© Copyright 2024 ExpyDoc