保健だより 8号 「触れたらいけない生き物」10.23 更新

保健だより
2015.10.23
今回のテーマ
宜野座高校
触れたらいけない生き物
保健室
刺されたら、命が危険な陸・海の生き物たち
傷あと・痛み・腫れ
最大 4 つの穴状の傷が確認できます。
※牙が食い込まなくて、傷穴が 1~3 個だけ、またはよく分からないこともあります。
咬まれた直後は針で突かれたような痛み、出血があります。
ハブの姿が見えない場合は木の枝などが刺さったかなと思うことが多いですが、
咬まれてから 10 分もすれば、みてわかる程度に腫れます。逆に 30 分位経過しても腫れない場合は、毒が体
内に入らなかった証拠。でも、気分が悪いなら念のため病院へ行って下さい!
咬まれたら
1.安静にさせ、動かさない。
※危険な場所なら、ゆっくり歩いて安全な場所へ移動
2.すみやかに傷口から毒を吸い出す。吸引器を使用し、何回もくり返す。
※口で直接吸出す方法もあるが、すすめません。
3.全身症状を見る(顔色、呼吸がいつもと違う、ぐったりしている
<吸引器>
職員室・保健室
など)
4.救急車を呼ぶ(119)
※早く病院に運ばれると血清治療が行われ9割以上は完全に治癒しますが、時々、様子見
をして翌日以降に病院に行く人がいます。その時は、咬まれた部分の切断の可能性もで
てきます。咬まれたかもと思ったら、必ず病院を受診して下さい。
※氷などで患部を冷やさない(ハブ毒には効果なし)。
・冬でも、草むらや暗い場所、ジメジメした場所は用心
・生ゴミの処理(ねずみが来る→ネズミを狙ってハブが来る)
ミニ知識・毒の種類
【
血液毒
】
血管の細胞を破壊することで出血させ、出血を止まらなくする毒。出血毒は神経毒に比べて致死率は低い
ですが、血管や筋肉の細胞を破壊するために激しく痛み、また筋肉の壊死を引き起こします。
そのため、たとえ一命を取り留めたとしても、手足切断や高度の後遺症が残るなど、悲惨な結果を迎える
ことが多くあります。ハブ、マムシ、ガラガラへびなど。
【
神経毒
】
神経の働きを邪魔する毒。そのため筋肉の収縮と弛緩ができなくなり、筋肉麻痺やしびれを生じて動け
なくなります。重篤な場合は呼吸や心臓も停止して死に至ります。神経毒は出血毒のような激しい痛み
は伴いませんが、即効性があり、致死性が高くてきわめて危険です。
コブラ、ふぐ、ウミヘビ、アンボイナ(貝)、ヒョウモンダコなど。ニコチン、サリンもこの毒に分類。
スズメバチ
2度目以降がキケン・・・アレルギー性ショック死
じんましんなどの皮膚症状に加えて呼吸困難やめまい、強いだ
るさ、腹痛、おう吐などの症状が出現したら、アナフィラキシー
ショックを疑い、119 番通報。数分~30 分以内に。
また、アナフィラキシーショックで心肺停止状態になった場合
は、人工呼吸や心臓マッサージなどの処置を行うこと。
刺されたら
1.毒を絞り出す(指でつねって絞り出すか、吸引器があれば吸い出す)。
2.良く水で洗って、冷やす。
3.抗ヒスタミン軟膏やステロイド剤などを塗る。(アンモニアは効かない)
4.1度目でも気分が悪い場合は病院へ。
アンボイナ貝
刺されたら、すぐに病院へ・・・コブラやふぐと同じ毒
沖縄、九州・四国・本州で棲息。磯、浅瀬でも見られる。
神経毒をもつため、刺された際の痛みは少ないが、やがて血圧低
下や全身麻痺の強いしびれなどがあらわれ、ひどい場合は呼吸困
難によって死に至る。
アンボイナガイの毒には血清はないため、病院に運ばれても抗
毒治療は行なえず、被害者の体内で毒が代謝され抜けきるまで待
つしかない(点滴によって尿量が多くなる→毒の体外排泄が早
い)
。
刺されたら
ヒョウモンダコ
ウミヘビ
毒を絞り出しながら、病院へ運ぶ。
呼吸や意識状態がいつもと違うなら
119番(救急車)を。
陸でも海でも生き物に刺されて痛みを感じた場合は、
アナフィラキシー・ショックの可能性あり!
と心得て対処して。