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情報基礎/コンピュータ数学
写像
情報基礎/コンピュータ数学
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1
写像とは?
2
全射・単射・全単射
3
恒等写像
4
合成写像
5
練習問題
情報基礎/コンピュータ数学
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写像とは?
定義 2.1
A,B を集合とする.A の任意の要素が B のある 1 つの要素に対応して
いるとき,その「対応」f を A から B への写像または関数といい,
f : A → B と表す.このとき,A を f の定義域,B を f の値域という.
f
A
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B
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例 2.1,問 2.1
例 :以下のような,f : R → R はすべて写像である.
(1) f (x) = 10
√
(2) f (x) = x2 + x − 2
(3) f (x) = sin x + cos x
また,以下の表で示された f : {0, 1, 2, 3, 4, 5} → 2{a,b,c} も写像で
ある.
x
0
1
2
3
4
5
f (x) {a} {a} {a, b, c} {a, b} {a, c} {b, c}
問 2.1
写像でない例をあげよ.
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像
定義 2.2
A,B を集合とし,f を A から B への写像とする.また,A′ ⊆ A とす
る.このとき,以下で定義される f (A′ ) を,f による A′ の像という.
f (A′ ) = {f (a) ∈ B : a ∈ A′ }
f
A
A0
B
f (A0 )
事実 2.1
f を A から B への写像とすると,任意の A′ ⊆ A について,f (A′ ) ⊆ B .
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例 2.2,問 2.2,問 2.3
例 :f (x) = sin x のとき,像 f (R) = [−1, 1].
以下の表で示された f : {0, 1, 2, 3, 4, 5} → 2a,b,c において,
x
f (x)
0
{a}
1
{a}
2
{a, b, c}
3
{a, b}
4
{a, c}
5
{b, c}
像 f ({0, 1, 2, 3, 4, 5}) = {{a}, {a, b}, {a, c}, {b, c}, {a, b, c}} である.
問 2.2,問 2.3
f (x) = sin x のとき,像 f ([0, π/2]) を求めよ.
以下の表で示された f : {0, 1, 2, 3, 4, 5} → 2{a,b,c} において,像
f ({0, 1, 3, 4, 5}) を求めよ.
x
f (x)
0
{a}
1
{a}
2
{a, b, c}
3
{a, b}
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4
{a, c}
5
{b, c}
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全射・単射・全単射
定義 2.3
A,B を集合,f を A から B への写像とする.
f が全射,単射,全単射であるとは,それぞれ以下を満たすときをいう.
全射 f (A) = B .
単射 任意の a, a′ ∈ A について,a ̸= a′ ならば f (a) ̸= f (a′ ).
全単射 全射かつ単射であるとき.
f
f
B
BA
A
f
B
A
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問 2.4
問 2.4
f : R → R を f (x) = x2 とする.f は全射であるか?また,f は単射であ
るか?
問
以下の表で示された f : {0, 1, 2, 3, 4, 5} → 2{a,b,c} は,全射であるか?ま
た,単射であるか?
x
f (x)
0
{a}
1
{a}
2
{a, b, c}
3
{a, b}
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4
{a, c}
5
{b, c}
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命題 2.1
命題 2.1
A,B を有限集合とする.A から B への全単射が存在するときかつその
ときに限り,|A| = |B| である.
【証明】以下の 2 つを証明すればよい.
(⇒):A から B への全単射が存在するとき,|A| = |B| である.
(⇐):|A| = |B| であるとき,A から B への全単射が存在する.
詳しい証明は次スライド.
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命題 2.1 の証明
【証明 (⇒):A から B への全単射が存在するとき,|A| = |B| である】
A から B への全単射 f が存在すると仮定すると,
f は全射より,|A| ≥ |B| であり,単射より,|A| ≤ |B| である.
よって,|A| = |B| が成り立つ.
【証明 (⇐):|A| = |B| であるとき,A から B への全単射が存在する】
|A| = |B| = s とする.一般性を失うことなく,以下のようにできる.
A = {a1 , a2 , . . . , as },B = {b1 , b2 , . . . , bs }
ここで,写像 f を任意の i (1 ≤ i ≤ s) について,以下のように定義する.
f (ai ) = bi
この f が全単射になっていることは明らかである.
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恒等写像
定義 2.4(恒等写像)
A を集合,f を A から A への写像とする.
このとき,任意の a ∈ A について,f (a) = a であるとき,f を恒等写像
(または,恒等関数)という.
f
A
A
問 2.5
写像 f (x) = 1 は恒等写像か?また,写像 f (x) = x は恒等写像か?
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逆写像
命題 2.2
A,B を集合,f : A → B を全単射とする.
このとき,次のような写像 g : B → A が存在する.
任意の b ∈ B について,g(b) = a.ただし,a ∈ A は,f (a) = b を満たす.
【証明】g : B → A を以下のように定義する.
a ∈ A について,f (a) = b であるとき,g(a) = b.
あとは,この g が確かに写像となっていることを示せばよい.
f が全単射であることより,任意の b ∈ B に対して,f (a) = b を満たす
唯一の a ∈ A が存在する.このことから,B の任意の要素が A のある 1
つの要素に対応していることがわかる.これは g が B から A の写像と
なっていることを意味する.
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逆写像
定義 2.5(逆写像)
A,B を集合,f : A → B を全単射とする.このとき,前のスライドの命
題 2.2 を満たす写像 g : B → A を,f の逆写像(または逆関数)といい,
f −1 で表す.
f
A
g=f
B
A
1
B
問 2.6
f : R → R を f (x) = 2x − 1 とする.このとき,f −1 (x) を求めよ.
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合成写像
定義 2.6(合成写像)
A,B ,C を集合,f を A から B への写像,g を B から C への写像とす
る.このとき,g ◦ f を f と g の合成写像(または合成関数)といい,次
のように定義する.任意の a ∈ A について,
(g ◦ f )(a) = g(f (a))
A
x
f
B
f (x)
g
C
g(f (x))
問 2.7
f (x) = x + 1,g(x) = x2 + 2x − 3 とする.このとき,合成写像 g ◦ f を
求めよ.
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命題 2.3
命題 2.3
A,B を集合,f : A → B を全単射とする.
このとき,合成写像 f −1 ◦ f および,f ◦ f −1 は恒等写像となる.
【証明】f −1 ◦ f が恒等写像となることを示す.
(f ◦ f −1 も同様の証明.
)
A から任意の要素 a をとりだす.b = f (a) とすると,逆写像の定義より,
a = f −1 (b) が成り立つ.よって,
(f −1 ◦ f )(a) = f −1 (f (a)) = f −1 (b) = a
任意の a ∈ A について,(f −1 ◦ f )(a) = a が成り立つので,f −1 ◦ f が恒
等写像であることが示される.
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命題 2.4,命題 2.5
命題 2.4
f : X → Y ,g : Y → Z を全単射とする.このとき,合成写像
g ◦ f : X → Z は全単射である.
【証明】略.教科書を参照すること.
命題 2.5
f : X → Y ,g : Y → Z を全単射とする.このとき,
(g ◦ f )−1 = f −1 ◦ g −1 である.
【証明】略.教科書を参照すること.
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練習問題
練習問題 1
以下の表で示された各 f : {0, 1, 2, 3, 4} → 2{a,b,c} は写像であるかないか
答えよ.写像でない場合は,その理由も答えよ.
x
0
1
2
3
4
(a)
f (x) {a} {a, b} {a, b, c} {b, c} ∅
(b)
x
f (x)
0
{a}
(c)
x
f (x)
0
{a, b}
1
{a, b}, {a, c}
1
2
{c}
2
{a, b, c}
3
{a, b, c}
3
{b, c}
4
{b}
4
{b, c}
練習問題 2
f (x) = log2 x とする.このとき,f ([2, 4]),f [ 12 , 1]),f ([512, 1024]) を求
めよ.
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練習問題
練習問題 3
以下の写像 f : R → R は単射,全射,全単射またはそのいずれでもない
か答えよ.また全単射であるならば,その逆写像を求めよ.
(a) f (x) = x
(b) f (x) = sin x
(c) f (x) = x2
練習問題 4
以下の写像 f (x),g(x) について,合成写像 f ◦ g を求めよ.
√
(a) f (x) = x,g(x) = x4 − x2 + 1
(b) f (x) = log2 x,g(x) = 2x
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練習問題
練習問題 5
以下の表で示された各 f : {0, 1, 2, 3, 4} → {0, 1, 2, 3, 4} について,合成写
像 f ◦ f を求めよ.
(a)
x
f (x)
0
1
1
2
2
3
3
4
4
0
(b)
x
f (x)
0
3
1
1
2
4
3
0
4
2
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