2015/05/29 もくじ 物理的可視化と物理的直接操作 によるインターネット技術 学習教材の開発 渡辺健次 広島大学大学院教育学研究科 技術・情報教育学講座 日本における情報教育の歴史 • 1989年、中学校技術・家庭科に「情報基礎] 領域が新設(選択) • 1998年、中学校技術・家庭科で「情報とコン ピュータ」を必修に • 1999年、高等学校に教科「情報」を新設 • 2008年、小中高等学校の各教科でICTの利 活用、情報モラルの指導の充実 教科情報(2012〜) • 「社会と情報」 – 情報が現代社会に及ぼす影響を理解させるとともに、情 報機器等を効果的に活用したコミュニケーション能力や情 報の創造力・発信力等を養うなど、情報化の進む社会に 積極的に参画することができる能力・態度を育てることに 重点を置く。 • 「情報の科学」 – 現代社会の基盤を構成している情報にかかわる知識や 技術を科学的な見方・考え方で理解し、習得させるととも に、情報機器等を活用して情報に関する科学的思考力・ 判断力等を養うなど、社会の情報化の進展に主体的に寄 与することができる能力・態度を育てることに重点を置く。 1. 日本における情報教育の歴史 2. インターネット技術の教育 3. 物理的可視化と物理的直接操作 4. 開発した教材 5. まとめと今後の課題 教科「情報」 • 1999年、普通科高等学校に新設 • 内容 – 高度情報化社会に対応した人材を育成するため に、情報の収集・分析から発信までを総合的に学 ぶ教科であり、単にコンピュータの操作方法を教 える教科ではない 技術・家庭科(技術分野)と情報 • 1989年、「情報基礎」領域が新設 – コンピュータの構造、プログラミング(選択) • 1998年、情報とコンピュータ – コンピュータの利用、情報通信ネットワークの利用(必修)、 マルチメディアの利用、プログラムと計測・制御(選択) • 2008年、情報に関する技術 – デジタル作品の設計・製作、プログラムによる計測・制御、 情報通信ネットワークと情報モラル(必修) • 2012年、情報に関する技術 – 情報通信ネットワークと情報モラル、デジタル作品の設 計・製作、プログラムによる計測・制御 1 2015/05/29 研究背景 • 中学校技術・高校情報の学習指導要領に情 報通信ネットワークについて学ぶ内容が含ま れている • 実験・実習を通して学ぶことが望まれている 情報ネットワーク学習の問題点 • ネットワークが見えない – 実感がない – イメージが湧き難い • ネットワークに触れない – ネットワークを具体的に構築する学習が行い難い – 本物のルータやLinuxは敷居が高い – 仮想環境は現実味に欠ける 物理的可視化 • 本物のインターネットを仮想的な可視化では なく物理的に可視化する 開発した教材 物理的直接操作 • 仮想的な操作ではなく物理的な直接操作を することによって実験や実習を行う 教材の概観 • 物理的可視化と物理的直接操作によるネット ワーク学習教材の開発 • 開発した教材はネットワーク構成要素である ルータおよび端末と同等の機能を持つ 2 2015/05/29 実装した機能 インターフェース 1. ダイヤルとボタンを操作することでIPアドレスを自 機に設定する機能(Config機能) 2. pingの受信をLEDの点灯で物理的可視化する機 能(ping受信通知機能) 3. ダイヤルとボタンを操作して特定のIPアドレスの機 器にpingを送信する機能(ping送信機能) 4. ダイヤルとボタンを操作して特定のIPアドレスの機 器までの経路をLEDの点灯で物理的可視化する 機能(traceroute機能) ルータのインターフェース LED ネットワークアドレス ホストアドレス Config ping traceroute まとめ • 物理的可視化と物理的直接操作によるネット ワーク学習教材の開発 • 容易に設定の変更を行うことができ、ネット ワーク構築の実験を繰り返し行える • 仮想的な実験や演習とは異なり、直感的に ネットワーク機器の機能や動作を理解できる 2つのConfigボタン 学習内容 1. ルータと端末を配線して物理層のネットワークを構 築する実験 2. IPアドレスの構造を知り、IPアドレスの設定を行い、 ネットワーク層のネットワークを構築する実験 3. 誤ったIPアドレスの設定を行った場合、通信ができ ないことを確認する実験 4. 通信経路を確認する実験 5. 通信経路を切り替える実験 今後の課題 • 大学生を対象に初期評価実験 • 中学生、高校生を対象に教材の評価実験 3
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