平成27年度の校内研究について 1 研究主題 「子どもの能力や可能性を最大限に引き出す指導の在り方」 ~個々の実態に応じた授業づくりを目指して~ 2 研究主題について 平成26年度は「子どもの能力や可能性を最大限に引き出す指導の在り方 ~個々の実 態に応じた自立を目指して~」を研究主題とし、各学部及び寄宿舎の課題を明らかにして 研究を進めた。将来を見据えて個々の実態に応じた自立を目指し、教職員全員で指導内容 や方法について認識を深め、指導力の向上に結びつけることができた。また、各学部及び 寄 宿 舎 に お い て 、自 立 の 捉 え を 確 認 し た 。課 題 と し て 、 「集団授業における指導内容の立て 方や検討について」 「 C T と S T の 連 携 が よ り 効 果 的 に 行 え る よ う 、そ れ ぞ れ の 役 割 が 明 記 された指導案形式の検討について「 」作業Ⅱの指導のねらいや指導内容を鑑みて教育課程上 の位置付けを検証していくこと」等が各学部より挙げられ、今後は、集団授業の指導や授 業づくりを充実させる必要があることが明らかになった。 近年の本校の状況は、様々な実態の児童生徒が混在し、児童生徒数も増加傾向である。 知肢併置校であるため、軽度の発達障害から看護師による医療的ケアを必要とする重度障 害、今年度から準ずる教育課程(肢体単一)の生徒も在籍している。教育課程も多様化し ている現状を踏まえると、障害特性に合わせた、よりきめ細やかな指導や授業づくりを意 識していかなければならない。 特 別 支 援 教 育 学 習 指 導 要 領 解 説 に は 、特 別 支 援 学 校 に お い て は 、 「社会の変化や幼児児童 生徒の障害の重度・重複化・多様化などに対応し、障害のある子ども一人一人の教育的ニ ーズに応じた適切な教育や必要な支援を充実する」ことが必要とされている。障害のある 児童生徒がもつ能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し社会参加するために必要な力を培 うためには、一人一人の障害の状態等に応じた指導を一層充実することが重要である。 特別支援教育や特別支援学校を取り巻く背景を見てみると、 「平成27年度 山梨県学校 教 育 指 導 重 点 」に は 、 「 生 き る 力 」を 育 む 適 切 な 教 育 課 程 の 編 成 と 実 施 に つ い て 、 「体系的・ 系統的なキャリア教育の充実を図る」ことと、個に応じた指導を充実し、一人一人の確か な学力を育成する学習指導について「 、幼児児童生徒の障害の特性を踏まえた学習指導の充 実に努める」とあり、学校全体でキャリア教育の推進に取り組むこと、多様化する児童生 徒の教育的ニーズに対応した指導を行うことが挙げられている。また、平成26年より5 カ年計画でスタートした「新やまなし教育振興プラン」では、施策の基本方針として「確 かな学力と自立する力を育成する」 「一人ひとりのニーズに応じた特別支援教育の充実に向 けて取り組む」ことが特別支援教育の目標に掲げられている。つまり、社会的背景の中で 求められている「キャリア教育の充実」の実現には、個々の実態に応じた指導が重要であ ると伺うことができる。 児童生徒は、自立を目指して日々学んでいる。授業では、見通しのもてる支援や経験の ある活動を取り入れることなどで、一人一人が主体的に自己の力を発揮することができる よ う に な る 。し か し 、児 童 生 徒 の 実 態 が 多 様 で 、集 団 で 学 習 し て い く こ と が 難 し か っ た り 、 児童生徒の指導内容や目標を考える際にチームを組む教員間で共通理解が難しかったりす 1 る状況がある。これらは、教師がこれまでの経験や文献をもとにしながら、工夫して授業 づくりを行っているものの、授業実践における課題を十分に整理することができていない ためであると考える。 そこで、今年度は昨年度の研究主題を継続し、児童生徒の理解と授業づくりをキーワー ド と し て 取 り 組 む こ と と し た 。各 学 部 及 び 寄 宿 舎 で 課 題 と す る 内 容 を 挙 げ て 研 究 を 進 め る 。 障 害 特 性 を 踏 ま え た 実 態 把 握 に よ り 児 童 生 徒 を 理 解 し 、授 業 づ く り で は 、 「障害特性に応じ た 指 導 の 手 立 て に つ い て 」「 児 童 生 徒 の 主 体 的 な 授 業 参 加 に つ い て 」「 集 団 の 実 態 に 合 わ せ た 指 導 内 容・ね ら い・題 材・評 価 に つ い て 」 「 C T と S T と の 連 携 に つ い て 」等 の 視 点 を 検 討し、授業の改善と指導力の向上を図っていきたい。適切な指導と支援を進めて、学校全 体で授業の質を向上させたいと思い、研究主題を設定した。 3 研究目標 (1)各学部及び寄宿舎において、教育課程上の課題、指導や授業づくり等の問題点、児 童生徒の課題などを明らかにし、子どもの力を最大限に引き出す指導の在り方につ いて協議し、視点を明らかにすることで、授業の改善を図る。 (2)研究授業を実施し、授業の質を向上させ、授業改善に効果を上げる。 (3)研究内容について、学校全体で共通理解し、個々の教員の指導力や専門性の向上を 目指す。 4 研究の仮説 ・児童生徒の実態や障害特性に応じた授業づくりの検討により、子どもの能力や可能性 を最大限に発揮させることができるであろう。 5 研究内容 ・児童生徒の実態把握、障害特性の理解を深め、指導内容、指導方法、児童生徒へのか かわり方、評価等、授業づくりについて指導について考える。 6 研究方法 (1)研究主題に応じた、各学部及び寄宿舎のテーマを設けて研究を進める。 ( 2 )事 例 研 究 、授 業 研 究 、理 論 的 研 究( 文 献 研 究 )、外 部 講 師 の 指 導 等 の 方 法 で 、各 学 部 及び寄宿舎の計画に沿って研究を進め、仮説を検証していく。 (3)研究授業を実施する。他学部の授業や他職員の授業の参観・研究協議を行い、職員 同士が学び合う場を設定する。 (4)年4回の全体研を行い、①校内研究についての検討を行う。②各学部及び寄宿舎の 研究内容について共通理解を深める。③研究のまとめを行い、学校としての成果と 課題を明らかにする。 (5)校内研修会を実施し、講演や講師の指導を受けて、研究を深める。 7 研究体制 ・学部及び寄宿舎が課題とする内容で研究を進め、実態に応じた支援や指導、授業づく りについて考えるという視点から、学部研究を主体とする。 2 8 研究の組織(構造) 研究部 全体研究会 夏季校内研修会 小学部 中学部 高等部 寄宿舎 9 研究計画 【全体研】 研究会名 日にち 内容 第1回全体研 5月14日(木) ○本年度の校内研・学部研の確認 第2回全体研 8月24日(月) ○外部講師招聘 夏季研修会 《創価大学教 教育学部児童教育学科 藤原義博先生》 第3回全体研 2月 8 日 ( 月 ) ○ 研 究 発 表 /研 究 協 議 ① ●指導主事招聘 第4回全体研 2 月 1 5 日 ( 月 ) ○ 研 究 発 表 /研 究 協 議 ② 【学部研】 研究会名 日にち 内容 第1回学部研 4 月 2 0 日( 月 ) ○ 本 年 度 の 研 究 内 容 と 計 画 の 検 討 第2回学部研 5月 1 日( 金 ) ○ 本 年 度 の 研 究 内 容 と 計 画 の 確 認 第3回学部研 6月 2 日( 火 ) ○ 計 画 に 基 づ い た 研 究 会 第4回学部研 6 月 1 8 日( 木 ) 第5回学部研 7月 8 日( 月 ) 第6回学部研 9月 3 日( 木 ) 第7回学部研 9 月 1 5 日( 火 ) 第8回学部研 10月15日(木) 第9回学部研 10月29日(木) 第10回学部研 11月12日(木) 第11回学部研 12月10日(木) ○学部研究のまとめ① 第12回学部研 1月14日(木) ○学部研究のまとめ② 第13回学部研 3月17日(木) ○今年度の反省・来年度の方向性確認 3
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