キーワード:ウォーキング、食事量、LDL-コレステロール 5. 応用栄養(小児期・高齢期など) ウォーキングを主とした運動および食事適正化による血中脂質の変化 ぶん り たろう 〇文理 太郎1)、国府宮 栄 2)、稲沢 白子 3)、須ケ口 伊那 3)、蒲郡 穂積 3)、 神宮前 小牧 2)、八草 千種 2)、犬山 六軒 3)、大曽根 恵那 4)、武 豊 2)、新清洲 富貴 2) 1) 名古屋文理大学、2) 栄養改善大学、3) 栄養市立病院、4) 改善市民病院 【背景・目的】生活習慣病は食生活、運動、喫煙など長年の不摂生で発症することが 多い。生活習慣病は要因が多く、運動や食事など生活習慣全体を通して一次予防に努 *Mac・互換モード等利用の場合は以下 める必要がある。しかし、健康な人に対して運動と食事の両方について正しく指導し 1~6 を選んで記入してください. ている場所や機会は少ない。そこで今回、健康な成人に対してウォーキングを主とし 1. 栄養教育、 た運動指導および食事指導を行い、指導前後で生活習慣病 (特に動脈硬化) 関連の検 2. 公衆栄養、 査項目がどのように変化するかを調べた。 3. 調理・食品・給食経営管理、 【方法】健康な中高齢男性 35 名を対象とした。全ての対象者に対して生活習慣病に 4. 臨床栄養、 関連のある項目 (体重、腹囲、血圧、血中脂質関連項目、HbA1c、baPWV) を測定し、 5. 応用栄養 (小児期・高齢期など)、 運動指導と栄養指導を行った。2 か月ごとに運動および食事の指導を行い、6 か月後 に再び測定を行った。また、身体活動量質問票調査から6.その他 3 メッツ以上の活発な運動量 および 1 日の総消費エネルギー量を算出し、食物摂取頻度調査から摂取エネルギー量 を算出した。運動因子は介入の前後で活発な運動量が増加したかどうか、食事因子は 食事の適正化の観点から摂取エネルギー量が消費エネルギー量を 200kcal 以上上回っ ていないかどうかについて分類し、各因子の影響を検討した。各群において介入前後 の測定値は Paired t-test で比較した。 【結果】対象者の中で運動量の増加かつ食事の適正化ができていた人は 17 名、運動 量増加のみできていた人は 6 名、食事の適正化のみできていた人は 6 名、運動量増加 も食事適正化もできていなかった人は 6 名であった。運動量増加かつ食事適正化がで きている群では、6 か月間で体重および BMI、総コレステロール値、LDL コレステロ ール (HDL-C) 値そして LDL-C/HDL コレステロール比の 5 項目において有意な低下 が見られた。食事適正化のみできていた群では LDL-C 値の低下がみられたが、他の 項目では差は見られなかった。他 2 群については全ての項目で変化が見られなかった。 【考察】今回、対象が疾患を持たない健康な人であったため、多くの項目について介 入前後で変化が見られなかった。しかし、運動量が増加しており、かつ食事量も適正 にしている人では体重および血中脂質関連項目のいくつかに低下が見られた。健康な 人では運動と食事の両方について取り組むことで生活習慣病関連項目の改善につな がると期待できる。
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