日本の脂質治療の現状と PCSK9阻害薬への期待 - e-MR

提供:サノフィ株式会社
日本の脂質治療の現状と
PCSK9阻害薬への期待
出席者
座長
山岸 正和
Norman E. Lepor
先生
金沢大学大学院
循環器病態内科学
教授
伊藤 正明
先生
三重大学循環器・
腎臓内科学
教授
SAJP.ALI.17.02.0322
先生
Clinical Professor of Medicine,
UCLA-Geffen School of Medicine,
Cedars-Sinai Heart Institute
上妻 謙
先生
帝京大学医学部附属病院
循環器内科
教授
木庭 新治
先生
昭和大学循環器内科
准教授
サノフィとRegeneron社は、脂質管理の重要性の認知向上とLDLコレステロール治療におけるアンメットメディカルニーズの研究に寄与してまいります。
(ご発言順)
1
我が国の脂質管理の現状と課題
山岸 高コレステロール血症治療剤アリロクマブが 2016 年 9 月に日本で承認されま
した。本剤は LDL コレステロール(LDL-C)代謝機構の新たな経路として注目され
ているプロ蛋白質転換酵素サブチリシン / ケキシン 9 型(PCSK9)をターゲットとし
た完全ヒト型モノクローナル抗体であり、脂質異常症治療の新たな選択肢として期
待されています。本日は循環器領域の著名な専門家をお迎えして、冠動脈疾患患者
や家族性高コレステロール血症患者に対する、PCSK9 阻害薬の有効性と安全性について考えていき
たいと思います。まず Lepor 先生に、脂質異常症治療の現状についてご解説いただきます。
Lepor 心血管疾患予防の観点から、リスク因子の保有率を日本と OECD 諸国とで
比較すると、欧米では肥満が重要な介入因子の 1 つですが、日本では肥満の頻度は高
くありません 1)。そのため、他国から見ると日本人は、心血管イベント抑制のために
介入すべき因子が少ないように見えるかもしれませんが、実は脂質異常症や高血圧
症の頻度は他国と同程度に高いのです。つまり、日本人では、脂質異常症や高血圧と
いったリスク因子を、より適切に管理していく必要があるといえます。
以上より、日本においても脂質管理は国民の健康における重要な課題といえますが、日本人の
LDL-C 管理目標値達成状況 2)をみると、急性冠症候群(ACS)既往例の約 3 割が LDL-C 100mg/dL 未
満を達成していません。その他の冠動脈疾患では約 4 割、虚血性脳卒中や末梢動脈疾患の既往例では
半数以上が LDL-C 100mg/dL を超えています。糖尿病では、130mg/dL 未満にも達していない患者が
20% います。
2
伊藤 特にプライマリーケアでは、LDL-C 管理目標値の達成がそこまで重視されて
いないことと、患者が「薬剤は少ないほど安全」と思う傾向があり、治療強化が難し
いのが実情です。
木庭 一部では、コホート研究にてみられる LDL-C と出血性脳卒
中の関連性を、薬剤介入によって LDL-C が低下すると出血性脳卒
中が増加すると誤解されているようです。
Lepor 確かに日本では出血性脳卒中が多いですが、虚血性脳卒中に対しては、
LDL-C をしっかりと下げるべきです。
山岸 日本人集団でのエビデンスが確立されていないことも一因と思われます。日本ではイベント発
症率が欧米に比べて高くないため、特に二次予防例で臨床試験を実施するには多くの症例が必要で、
長期の追跡が困難であることが課題です。
二次予防例の LDL-C 管理目標値達成と PCSK9 阻害薬アリロクマブ
Lepor 過去の大規模臨床試験の結果から、LDL-C 低下量と心血管イベントリスク減少との関連が示
されています 3)。アリロクマブをはじめとした PCSK9 阻害薬の登場により大幅な LDL-C 低下が可能
となった現在、ハイリスク患者の脂質管理があらためて検討されています。
米国心臓病学会(ACC)/ 米国心臓協会(AHA)の 2013 年版ガイドライン 4)は、LDL-C 管理目標値
を設定せずにスタチンを投与する“Fire and Forget”の方針でした。その後、2016 年 4 月に ACC から
スタチン以外の薬剤による高コレステロール血症治療に関する指針(Expert Consensus Document)5)
3
が発表され、例えば合併症のある二次予防例では LDL-C 低下率 50% 以上または LDL-C 70mg/dL 未満
と、数値目標が記載されました。
日本ではスタチンの承認用量が海外に比べて低いため、先ほどの管理目標状況を鑑みると、PCSK9
阻害薬が必要なケースも少なくないと考えられます。
山岸 日本では、第Ⅲ相試験 ODYSSEY JAPAN 試験 6)が実施されています。
Lepor ODYSSEY JAPAN 試験では、脂質低下療法でコントロール不十分な heFH または心血管イ
ベントリスクの高い高コレステロール血症患者 216 例に対し、アリロクマブ 75mg(144 例)またはプ
ラセボ(72 例)を 2 週ごとに投与したところ、アリロクマブ群では、投与後 24 週時の LDL-C がベース
ラインから 62.5% 低下し、その後 52 週時まで維持していました(図1)。
山岸 アリロクマブの安全性については、いかがですか。
Lepor ODYSSEY JAPAN 試験における主な有害事象は注射部位反応であり、有害事象の発現に特
記すべき傾向はなく、忍容性は良好でした。また、本試験において 2 週間毎に測定した LDL-C が、アリ
ロクマブ投与後 52 週時までに 2 回連続で 25mg/dL 未満となった患者は 17 例(12.1%)であり、この患
者群の有害事象の発現割合は、25mg/dL まで低下しなかった群およびプラセボ群と同程度でした。
家族性高コレステロール血症患者に対するアリロクマブの有用性
山岸 FH 患者に対する治療については、どのようにお考えですか。
Lepor FH の治療開始時期は、LDL-C の蓄積を考慮に入れる必要があります(図2)7)。出生時からの
累積コレステロール値が閾値を超えるとイベントが発症するという考え方で、喫煙年数と本数から肺
4
図1
アリロクマブによるLDL-C低下効果:ODYSSEY JAPAN試験
投与後24週時のLDL-C変化率(ITT解析:主要評価項目)
アリロクマブ群
(n=143)
LDL-C変化率
*
(vs ベースライン)
プラセボ群
(n=72)
-62.5±1.3%
p値
(95%信頼区間)
+1.6±1.8%
p<0.0001
(-68.5~-59.8)
* 最小二乗推定値
LDL C値
-
(mg/dL)
160
150
140
130
120
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
vs プラセボ
(MMRMによる解析)
LDL-C値の推移(ITT解析:副次評価項目)
141.6mg/dL
141.1mg/dL
135.6mg/dL
53.4mg/dL
アリロクマブ群(143例)
プラセボ群(72例)
最小二乗平均値±標準誤差
投与
開始時
4週
8週
12週
16週
24週
36週
52週
評価時点
Teramoto T et al. Circ J. 2016; 80
(9)
: 1980-1987.
社内資料:国内第Ⅲ相臨床試験
[EFC13672試験]
(承認時評価資料)
利益相反:発表者の一部はサノフィ社から報酬や研究費、寄付講座の提供をうけているほか、一部はサノフィ社の社員である
5
図2
FH患者における累積LDL-Cと冠動脈疾患発症閾値
(mg/dL)
8,000
FHホモ型
FHヘテロ型
12.5歳
6,000
48歳
35歳
53歳
累積LDL C‒値
55歳
高用量
スタチンで
開始
4,000
低用量
スタチンで
開始
女性
冠動脈疾患
発症の閾値
喫煙
高血圧
糖尿病
TGの上昇
HDL-Cの低下
Lipo
(a)
の上昇
2,000
非FH
0
0
3
6
9
12
15
18
21
24
27
30
33
36
39
42
45
48
51
54
57
60(歳)
年齢
Nordestgaard BG, et al.: Eur Heart J 34(45): 3478-3490a, 2013より改変
6
がんリスクを検討するのと似た方法です。個々のリスク因子により閾値自体も上下しますが、FH 患
者は出生時から高コレステロールの状態であり、未治療では 35 歳前後で冠動脈疾患を発症するおそ
れがあります。ですから早期に治療を開始し、LDL-C 蓄積の速度をできるだけ下げることが治療目標
となります。
若年患者は、ACC/ AHA のガイドラインに従って 10 年後のイベントリスクを算出するとリスクが
過小評価される可能性があるため、LDL-C 以外のリスク因子を見極める必要があります。中でも、一
次予防で石灰化プラークを認める患者はイベントをまだ起こしていないだけであり、リスクは他の一
次予防例以上に高いといえます。
実際、我々の検討 8)では、冠動脈 CT 検査で石灰化スコアが 0 の群では非石灰化プラークを有する患
者の割合は 6.5% でしたが、石灰化スコアが軽度であっても 0 でない群では、65.2% に非石灰化プラー
クが見つかっています。
山岸 家族歴なども含め、ハイリスク患者では LDL-C 管理目標値を 70mg/dL 未満とすることも十分
考えられますね。
PCSK9 阻害薬アリロクマブの投与を考慮すべき患者像
山岸 アリロクマブ投与を考慮すべき患者像についてお伺いしたいと思います。
Lepor 現在、脂質異常症治療の主流はスタチンですが、スタチン不耐容の患者や、
高用量でも管理目標値を達成できない患者では、アリロクマブは良い適応です。
上妻 画像診断では、石灰化以外に冠動脈プラークバーデンを多く認める二次予防
7
患者も、強力な脂質低下治療が必要です。LDL-C 70mg/dL 未満を目指し、アリロクマブの投与を積極
的に考慮すべきです。
木庭 そうですね。二次予防例で、再発を繰り返すような患者では特に厳格な治療が必要で、アリロ
クマブは有用な選択肢となり得ます。
伊藤 同じ意見です。他には、糖尿病などの合併を有するハイリスク患者もアリロクマブ投与対象と
考えられます。
山岸 非 FH では、生活習慣の改善とスタチン、エゼチミブの併用で LDL-C 管理目標値を達成できる
患者は多いと思いますが、達成できない場合はアリロクマブの投与が考慮されますね。
Lepor エゼチミブはコレステロール吸収阻害薬なので、コレステロール吸収が亢進している患者で
は LDL-C が 40% 以上低下する一方、吸収が低い患者の LDL-C 低下率は 5 ~ 10% です。また、スタチン
のコレステロール合成阻害作用にも個人差があり、不耐容の患者もいます。
日本で LDL-C 管理目標値の達成率が比較的低いのは、スタチン用量が低いことが影響しており、こ
のような treatment gap の解消も今後の課題の一つです。その中で、ハイリスク患者に対して LDL-C
70mg/dL 未満を目指した積極的な脂質治療を行うためには、耐容性が良く、かつ LDL-C 低下効果の高
い薬剤が求められます。
山岸 アリロクマブは 2 週毎に 1 回皮下投与の薬剤で、特に都市部以外で通院の継続が難しい場合が
ありますが、ご自身の経験ではいかがですか。
Lepor 毎日服薬するより 2 週に 1 度の注射を好む患者もいますので、治療選択肢があることが重要
だと思っています。また、アリロクマブへのアドヒアランスは非常に高いです。やはり、LDL-C の数
8
値が劇的に低下するのを目の当たりにすると、患者の治療に対するモチベーションは高まりますね。
山岸 我が国の脂質異常症治療の現状と、PCSK9 阻害薬アリロクマブの投与が適した患者像につい
ての議論を通して、これからの脂質異常症治療の在り方が示されたかと思います。本日は有意義なお
話をありがとうございました。
文献
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
OECD Health Statistics
Teramoto T et al. Atherosclerosis 2016 ; 251 : 248 -254 .
Cannon CP et al. N Engl J Med. 2015 ; 372 ( 25 ): 2387 -2397 .
Stone NJ et al. Circulation 2014 ;129 ( 25 Suppl 2 ) : S1 -S45 .
Levine GN et al. J Am Coll Cardiol 2016 ; 68 ( 1 ) : 92 -125 .
Teramoto T et al. Circ J 2016 ; 80 ( 9 ) : 1980 -1987 .
Nordestgaard BG et al. Eur Heart J 2013 ; 34 ( 45 ) : 3478 -3490 a.
Cheng VY et al. Am J Cardiol 2007 ; 99 ( 9 ): 1183 -1186 .
9
2016年9月作成
(第1版)
販売名
一般名
和名
プラルエント®皮下注150mgペン
プラルエント®皮下注75mgペン、
プラルエント®皮下注75mgシリンジ、プラルエント®皮下注150mgシリンジ
洋名 Praluent®
和名 アリロクマブ
(遺伝子組換え)
洋名 Alirocumab(Genetical Recombination)
貯 法:凍結を避け、2~8℃に遮光して保存
(
【取扱い上の注意】
の項参照)
使用期限:外箱に表示
用法及び用量
【禁忌
(次の患者には投与しないこと)
】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人にはアリロクマブ
(遺伝子組換え)
として75mgを2週に1回皮下投与する。効果不
十分な場合には1回150mgに増量できる。
組成・性状
プラルエント皮下注
75mgペン
販売名
成 分
(1製剤
(1mL)
中)
有効成分
アリロクマブ
(遺伝子組換え)注1)75mg
添加物
性状・剤形
pH
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
CTION
成 分
(1製剤
(1mL)
中)
L-ヒスチジン、
L-ヒスチジン塩酸塩水和物
1.241mg注2)
精製白糖 100mg
ポリソルベート20 0.1mg
無色~微黄色澄明の液(注射剤)
5.7~6.3
約1.3
プラルエント皮下注
150mgペン
販売名
有効成分
添加物
性状・剤形
pH
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
プラルエント皮下注
75mgシリンジ
プラルエント皮下注
150mgシリンジ
アリロクマブ
(遺伝子組換え)注1)150mg
L-ヒスチジン、
L-ヒスチジン塩酸塩水和物
0.931mg注2)
精製白糖 100mg
ポリソルベート20 0.1mg
無色~微黄色澄明の液(注射剤)
5.7~6.3
約1.4
注1)
本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。
注2)
総ヒスチジン量をL-ヒスチジンとして示す。
効能又は効果
家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症
ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場
合に限る。
<効能又は効果に関連する使用上の注意>
1.適用の前に十分な診察及び検査を実施し、家族性高コレステロール血症又は高コレス
テロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
2.家族性高コレステロール血症以外の患者では、冠動脈疾患、非心原性脳梗塞、末梢動
脈疾患、糖尿病、慢性腎臓病等の罹患又は既往歴等から、心血管イベントの発現リスク
が高いことを確認し、本剤投与の要否を判断すること。
[【臨床成績】の項参照]
3.家族性高コレステロール血症のうちホモ接合体については有効性及び安全性が確立し
ていないので、本剤による治療の適否を特に慎重に判断し、本剤に対する反応が認めら
れない場合には投与を中止すること。
[
「2. 重要な基本的注意」
の項
(2)
参照]
サノフィとRegeneron社は、脂質管理の重要性の認知向上とLDLコレステロール治療における
アンメットメディカルニーズの研究に寄与してまいります。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
1.HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用すること。
[日本人における本剤単独投与での有効
性及び安全性は確立していない。]
2.アフェレーシスと併用する場合には、
アフェレーシス施行後に本剤を投与すること。
使用上の注意
1.
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
重度の肝機能障害患者
[使用経験がない。
【薬物動態】の項参照]
2.
重要な基本的注意
(1)
本剤投与にあたっては、あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法
を行い、更に運動療法、禁煙、他の虚血性心疾患のリスクファクター
(糖尿病、高血圧症
等)
の軽減等も十分考慮すること。
(2)
投与中は血中脂質値を定期的に検査し、本剤に対する反応が認められない場合には
投与を中止すること。
(3)
併用するHMG-CoA還元酵素阻害剤及び他の脂質異常症治療薬の添付文書における
「使
用上の注意」
の禁忌、
慎重投与、
重要な基本的注意、
重大な副作用等の記載を確認すること。
3.
副作用
国内で実施された第Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験において、本剤75mg又は150mgが投与さ
れた193例中33例
(17.1%)
に副作用が認められた。主な副作用は注射部位反応が22例
(11.4%)
であった。
(承認時)
(1)
重大な副作用
重篤なアレルギー反応
(頻度不明注1))
…過敏症、
貨幣状湿疹、
蕁麻疹、
過敏性血管炎等
のアレルギー反応が認められ、
重篤な症例も報告されている。観察を十分に行い、
この
ような反応が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
(2)
その他の副作用注2)
過敏症
消化器
循環器
1%以上
1%未満
胃腸炎、
胃炎、
過敏性腸症候群
うっ血性心筋症
呼吸器
代 謝 糖尿病
皮 膚
肝 臓
そう痒症
頻度不明注1)
上気道徴候及び症状
(口腔咽頭痛、鼻漏、
くしゃみ等)
日本標準商品分類番号 872189
プラルエント®皮下注 75mgペン 22800AMX00434000
プラルエント®皮下注150mgペン 22800AMX00435000
承
認
番
号
プラルエント®皮下注 75mgシリンジ 22800AMX00436000
プラルエント®皮下注150mgシリンジ 22800AMX00437000
薬 価 基 準 収 載 年 月 2016年8月
承
認
年
月 2016年7月
販 売 開 始 年 月 2016年9月
4.
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているため、
副作用の発現に注意すること。
5.
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
本剤はHMG-CoA還元酵素阻害剤と併用するため、
妊婦又は妊娠している可能性のある婦
人及び授乳中の婦人には投与しないこと。
[HMG-CoA還元酵素阻害剤において、
動物実験
で出生児数の減少、
生存・発育に対する影響、
胎児の生存率の低下と発育抑制及び胎児の骨
格奇形が報告され、ヒトでは胎児の先天性奇形があらわれたとの報告がある。また、
HMG-CoA還元酵素阻害剤においてラットで乳汁中への移行が確認されている。なお、
ラッ
トにおいて本剤の胎盤通過が認められており、
カニクイザルにおいて妊娠期間中に本剤臨床
曝露量の57倍の曝露がみられた母動物の新生児でIgG二次応答の低下が認められている。]
6.
小児等への投与
低出生体重児、
新生児、
乳児、
幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
[使用経験がない。]
7.
適用上の注意
(1)
投与経路
皮下にのみ投与すること。
(2)
投与時
1)
遮光した状態で室温に戻してから投与すること。
2)
激しく振とうしないこと。
3)
液の変色や明らかな粒子を認める場合には使用しないこと。
(3)
投与部位
1)
皮下注射は、大 部、腹部又は上腕部に行う。同一部位に繰り返し注射することは
避けることが望ましい。また本剤と他の注射剤を同じ注射部位で併用しないこと。
2)
皮膚に異常のある部位
(傷、
皮疹、
炎症等)
には注射しないこと。
8.
その他の注意
(1)
国内第Ⅲ相臨床試験では、本剤投与患者143例中4例
(2.8%)
に抗アリロクマブ抗体
が認められたが、中和抗体が発現した患者はみられなかった。海外第Ⅲ相臨床試験で
は、本剤投与患者3033例中147例
(4.8%)
に抗アリロクマブ抗体が認められ、そのう
ち36例
(1.2%)
に中和抗体が発現した。
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
包装
プラルエント皮下注 75mgペン
: 75mg/1mL×1本
プラルエント皮下注150mgペン
:150mg/1mL×1本
プラルエント皮下注 75mgシリンジ: 75mg/1mL×1シリンジ
プラルエント皮下注150mgシリンジ:150mg/1mL×1シリンジ
爪囲炎
肝機能異常
注射部位反応(紅斑、 前立腺炎、
胸部不快感、
腫脹、
疼痛、
圧痛、 末梢性浮腫、
CK
(CPK)
上昇
その他 発赤、
そう痒等)
(11.4%)
注1)
海外臨床試験で認められている副作用のため頻度不明
注2)
国内第Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験において本剤75mg又は150mgが投与された症例で認められた
副作用について記載した。
★詳細は添付文書をご参照ください。
★添付文書の改訂にご留意ください。
★資料は当社医薬情報担当者にご請求ください。