日本の脂質治療における PCSK9阻害薬の位置づけ - e-MR

提供:サノフィ株式会社
日本の脂質治療における
PCSK9阻害薬の位置づけ
出席者
座長
赤阪 隆史
Norman E. Lepor
先生
和歌山県立医科大学
循環器内科
教授
石原 正治
先生
兵庫医科大学
内科学冠疾患科
主任教授
SAJP.ALI.17.02.0278
先生
Clinical Professor of Medicine,
UCLA-Geffen School of Medicine,
Cedars-Sinai Heart Institute
岩倉 克臣
先生
桜橋渡辺病院
心臓・血管センター
センター長
石綿 清雄
先生
虎の門病院
循環器センター内科
部長
サノフィとRegeneron社は、脂質管理の重要性の認知向上とLDLコレステロール治療におけるアンメットメディカルニーズの研究に寄与してまいります。
(ご発言順)
1
我が国の脂質管理の現状と LDL-C 管理目標値
赤阪 2016 年 9 月、高コレステロール血症治療剤アリロクマブが日本で承認されま
した。本剤は LDL コレステロール(LDL-C)代謝機構の新たな経路として注目され
ているプロ蛋白質転換酵素サブチリシン / ケキシン 9 型(PCSK9)をターゲットとし
た完全ヒト型モノクローナル抗体であり、脂質異常症治療の新たな選択肢としての
有用性が期待されています。本日は循環器領域の著名な専門家をお迎えして、我が
国の脂質管理の現状をふまえた PCSK9 阻害薬に対する展望について、お話を伺いたいと思います。ま
ず Lepor 先生に、日本の脂質異常症の特徴について解説していただきます。
Lepor 日本は他のOECD諸国に比べて心血管疾患死や肥満の頻度が低いのですが、
イベント発症年齢が若いことが特徴のように見えます。心血管イベント発症を防ぐ
上で、脂質異常症治療が重要であることは、すべての人種に共通して言えます。
日本人の LDL-C 管理の現状についての報告 1)によると、LDL-C100mg/dL 未満を
達成している患者の割合は、急性冠症候群(ACS)既往例で 68%、その他の冠動脈疾
患既往例で 55%、糖尿病合併例では 43% でした。LDL-C 70mg/dL 未満となると、達成率は ACS 既往
例でも 3 割未満、糖尿病合併例ではわずか 10% です。LDL-C 管理が十分ではないこ
とは、すべての国に共通する問題であり、日本も例外ではありません。
岩倉 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2012 年版 2)では、二次予防例の LDL-C 管理
目標値は 100mg/dL 未満であり、まずはこの管理目標値を達成することが現状の課
題となっています。通常は、LDL-C が 100mg/dL 未満になればそれ以上の治療強化
2
はされないため、特に LDL-C 70mg/dL 未満の達成率が低くなるものと考えられます。
しかし循環器専門医は、糖尿病合併例の LDL-C 管理目標値を 70mg/dL 未満として治療する場合も
多いですね。
石原 そうですね。ただこれまでの臨床試験では、既存の脂質低下薬で LDL-C を
70mg/dL 未満に低下させることは容易ではなく、本邦ではエビデンスが十分とは言
えませんでした。
PCSK9 阻害薬の登場により、LDL-C 70mg/dL 未満という数値が多くの患者では
じめてコンスタントに達成できるようになったことは、興味深いと思います。
岩倉 LDL-C をしっかりと低下させるべきなのは周知の事実ですが、日本では LDL-C 低値と脳出血
の発症が相関するという報告がずっと以前にあり、一部では未だにそれが懸念されているようです。
Lepor しかしながら、虚血性脳卒中患者において、LDL-C 低下によるイベントの再発予防のベネ
フィットは、出血性脳卒中のリスクに比べて大きいですよね。日本では食生活の欧米化も進んでいま
すから、特に二次予防例では、より徹底した脂質管理を行うべきです。
“the lower, the better”をふまえた脂質管理におけるアリロクマブの役割
赤阪 脂質異常症治療における LDL-C 低下の重要性についてお聞きしたいと思います。
Lepor 過去の大規模臨床試験の結果から、LDL-C 低下量と心血管イベントリスク減少には“the
lower, the better”の関係がみられます。脂質低下薬の種類にかかわらず、LDL-C の低下量に応じて
イベントリスクが抑制される、「LDL 仮説」に基づく脂質治療において、LDL-C を大幅に低下させる
3
PCSK9 阻害薬アリロクマブは有用と考えられます。
赤阪 アリロクマブの臨床試験について、ご紹介ください。
Lepor アリロクマブは、ODYSSEY プログラムの名称で、世界 12 カ国、23,500 人を超える症例を対
象に、第Ⅲ相臨床試験が行われています。たとえば ODYSSEY LONG TERM 試験では、心血管イベ
ントリスクが高く、最大耐用量のスタチン投与下での LDL-C 値が 70mg/dL 以上の高コレステロール
血症患者を対象に、アリロクマブ(150mg 2 週毎投与:1,553 例)またはプラセボ(788 例)を 18 ヵ月
間投与し、その後 8 週間にわたる安全性評価が行われています。また、アリロクマブの心血管イベン
ト予防効果を検証する試験として、ACS 患者約 18,000 例を対象とした第Ⅲ相前向き試験 ODYSSEY
OUTCOMES 試験(図1)が進行中です。
ODYSSEY プログラムでは、日本人患者を対象とした第Ⅲ相二重盲検比較対照試験 ODYSSEY
JAPAN 試験も実施されました。本試験の対象は、脂質低下療法でコントロール不十分な heFH または
心血管イベントリスクの高い高コレステロール血症患者 216 例です。アリロクマブ 75mg(144 例)ま
たはプラセボ(72 例)を 2 週毎に投与したところ、アリロクマブ群では、投与後 24 週時の LDL-C がベー
スラインから 62.5% 低下し、その後 52 週時まで維持されました 3)。
岩倉 アリロクマブの作用に、人種や性別による違いはありますか。
Lepor PCSK9 阻害薬の作用は患者背景因子や薬物代謝酵素 CYP450 などには影響
を受けず、循環血液中の PCSK9 量により影響されると考えられています。
石綿 アリロクマブの用量設定や投与期間については、どのようにお考えですか。
Lepor アリロクマブは 75mg で十分に LDL-C が低下しない場合は 150mg への増量
4
図1
ODYSSEY OUTCOMES の試験デザイン
海外第Ⅲ相臨床試験
国際共同、多施設、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験
導入期間
二重盲検期間
(~16週間)
・スタチン用量最適化†
・自己注射訓練
・血行再建術の実施
ACS
発症
4~52週間
フォローアップ期間
(2~5年間)
n=9,000
(2週間)
アリロクマブ75mg
必要に応じ、2ヵ月目から150mgに増量
R
n=9,000
プラセボ
†スタチン用量最適化:アトルバスタチン 40-80mg、ロスバスタチン 20-40mgまたはいずれかの最大耐用量とする。
あわせてNCEP-ATPⅢに準じた生活習慣の改善を実施した。
目 的: 急性冠症候群(ACS)発症後 1 ヵ月以上から12 ヵ月以内のアリロクマブ(75mgまたは 150mgを2 週に1 回)投与による冠動脈疾患死、非致死性冠動脈イベント
(心筋梗塞、不安定狭心症によ
る入院)、虚血性脳卒中の発症数の評価
対 象: ACS 発症後 1-12 ヵ月の 40 歳以上の男女で、最大耐用量のスタチン投与にもかかわらず粥種の原因となるリポ蛋白のコントロール不十分*な患者。
*LDL-C≧70mg/dL, non HDL-C≧100mg/dL, apo B≧80mg/dL のいずれかを満たす
主要評価項目: 冠動脈疾患(CHD)死、非致死性急性心筋梗塞(MI)、虚血性脳卒中、不安定狭心症による入院が初回発現するまでの期間
Schwartz GG et al.: Am Heart J 2014; 168
(5)
: 682-689. e1
5
が可能です。ODYSSEY JAPAN 試験で実際に 150mg に増量が必要であった患者は 2 例のみでした。
今のところ治療期間に関するエビデンスは確立されていませんが、理論上は、LDL-C を十分長い期
間低値に保てば動脈硬化の進展が抑制されますから、LDL-C がコントロールされた状態をキープする
ことは重要ではないかと考えます。
PCSK9 阻害薬アリロクマブの対象患者像を考える
赤阪 PCSK9 阻害薬アリロクマブの投与を考慮すべき患者像について、お伺いします。
Lepor 例えば、高血圧や肥満などを合併する二次予防患者には厳格な脂質管理が求められますが、
日本ではスタチンの承認用量が海外に比べて低いこともあり、スタチン投与のみでは LDL-C 管理目標
値の達成が難しい場合があります。その際の治療選択肢として、アリロクマブは有用です。また、ス
タチン不耐容の患者も良い適応となります。
石原 ハイリスク例では、肥満や HDL コレステロール低値といった、LDL-C 以外の残存リスクへの対
策も重要となりますね。
赤阪 糖尿病合併例の血糖管理および脂質管理については、いかがでしょうか。
Lepor 現時点では、血糖管理による大血管イベントの抑制効果が立証されていません。血糖はいわ
ゆる“innocent bystander”であり、肥満やメタボリックシンドローム、インスリン抵抗性、また脂質
や血圧の影響の方が大きいと考えています。ですから糖尿病患者においても、心血管イベント抑制の
ためには脂質管理が重要です。
石原 スタチン投与下でイベントを発症した二次予防患者では、管理目標値を達成していたとしても
6
LDL-C の低下が不十分であったことが示唆されます。アリロクマブをはじめとした PCSK9 阻害薬に
よって、このような患者でもさらに、LDL-C 値を大幅に低下させることが可能になったと言えます。
Lepor 海外で実施された IMPROVE-IT 試験では、LDL-C が約 50mg/dL まで低下しても“the lower,
the better”の関係が成立しています 4)。このことから、米国では LDL-C 値を 40 ~ 50mg/dL まで下げ
ることも治療戦略の 1 つであり、それには PCSK9 阻害薬が重要な役割を担っています。
石綿 PCSK9 阻害薬によって LDL-C が約 30mg/dL まで低下する患者もいますが、LDL-C 低下の安全
性については、どのようにお考えでしょうか。
Lepor 安全性についてはさらなる検討が必要ですが、参考までに、新生児は代謝が活発で成人より
も多くのコレステロールを消費するにもかかわらず、平均LDL-C値は35mg/dLと報告されています 5)。
家族性高コレステロール血症治療における PCSK9 阻害薬の有用性
赤阪 最後に、FH 患者に対する脂質治療についてお聞きしたいと思います。
Lepor 家族性高コレステロール血症(FH)ホモ接合体はまれな疾患ですが、heFH 患者は約 200 人に
1 人の頻度であり 6)、遺伝性疾患としては多いものの 1 つです。
近年、LDL-C の影響は出生時から累積し、閾値を超えるとイベントが発症するという考え方が提唱
されています(図2)。FH 患者は未治療では若年のうちに冠動脈疾患を発症しますが、早期に、そして
強力な脂質低下治療を行うことでコレステロールの血管への影響が軽減され、イベント予防につなが
ると考えられています。
石綿 心血管イベントリスクの高い FH 患者に対しては特に、PCSK9 阻害薬をはじめとした積極的な
7
図2
FH患者における累積LDL-Cと冠動脈疾患発症閾値
(mg/dL)
8,000
FHホモ型
FHヘテロ型
12.5歳
6,000
48歳
35歳
53歳
累積LDL C‒値
55歳
高用量
スタチンで
開始
4,000
低用量
スタチンで
開始
女性
冠動脈疾患
発症の閾値
喫煙
高血圧
糖尿病
TGの上昇
HDL-Cの低下
Lipo
(a)
の上昇
2,000
非FH
0
0
3
6
9
12
15
18
21
24
27
30
33
36
39
42
45
48
51
54
57
60(歳)
年齢
Nordestgaard BG, et al.: Eur Heart J 2013; 34
(45)
: 3478-3490a. より改変
8
脂質低下が求められますね。なお、FH 患者を発見するには、家族歴の聴取や黄色腫の確認が大切です。
きちんと診察すると、heFH 患者の実際の頻度は我々が治療する冠動脈疾患の患者の中では従来言わ
れていた数よりも倍以上多い印象があります。
赤阪 PCSK9 阻害薬アリロクマブの登場により、我が国の脂質治療に新たな選択肢が加わりました。
今後はエビデンスの蓄積により、脂質異常症治療におけるアリロクマブの位置づけが明確になること
が期待されます。本日はありがとうございました。
文献
1)
2)
3)
4)
5)
6)
Teramoto T et al. Atherosclerosis 2016; 251: 248-254.
日本動脈硬化学会 編:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012 年版 , 杏林舎, 東京 , 2012.
Teramoto T et al. Circ J 2016; 80
(9): 1980-1987.
Cannon CP et al. N Engl J Med 2015; 372
(25): 2387-2397.
Descamps OS et al. Atherosclerosis 2004; 172
(2): 287-298.
Mabuchi H et al. Atherosclerosis 2011; 214
(2): 404-407.
9
2016年9月作成
(第1版)
販売名
一般名
和名
プラルエント®皮下注150mgペン
プラルエント®皮下注75mgペン、
プラルエント®皮下注75mgシリンジ、プラルエント®皮下注150mgシリンジ
洋名 Praluent®
和名 アリロクマブ
(遺伝子組換え)
洋名 Alirocumab(Genetical Recombination)
貯 法:凍結を避け、2~8℃に遮光して保存
(
【取扱い上の注意】
の項参照)
使用期限:外箱に表示
用法及び用量
【禁忌
(次の患者には投与しないこと)
】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人にはアリロクマブ
(遺伝子組換え)
として75mgを2週に1回皮下投与する。効果不
十分な場合には1回150mgに増量できる。
組成・性状
プラルエント皮下注
75mgペン
販売名
成 分
(1製剤
(1mL)
中)
有効成分
アリロクマブ
(遺伝子組換え)注1)75mg
添加物
性状・剤形
pH
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
CTION
成 分
(1製剤
(1mL)
中)
L-ヒスチジン、
L-ヒスチジン塩酸塩水和物
1.241mg注2)
精製白糖 100mg
ポリソルベート20 0.1mg
無色~微黄色澄明の液(注射剤)
5.7~6.3
約1.3
プラルエント皮下注
150mgペン
販売名
有効成分
添加物
性状・剤形
pH
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
プラルエント皮下注
75mgシリンジ
プラルエント皮下注
150mgシリンジ
アリロクマブ
(遺伝子組換え)注1)150mg
L-ヒスチジン、
L-ヒスチジン塩酸塩水和物
0.931mg注2)
精製白糖 100mg
ポリソルベート20 0.1mg
無色~微黄色澄明の液(注射剤)
5.7~6.3
約1.4
注1)
本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。
注2)
総ヒスチジン量をL-ヒスチジンとして示す。
効能又は効果
家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症
ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場
合に限る。
<効能又は効果に関連する使用上の注意>
1.適用の前に十分な診察及び検査を実施し、家族性高コレステロール血症又は高コレス
テロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
2.家族性高コレステロール血症以外の患者では、冠動脈疾患、非心原性脳梗塞、末梢動
脈疾患、糖尿病、慢性腎臓病等の罹患又は既往歴等から、心血管イベントの発現リスク
が高いことを確認し、本剤投与の要否を判断すること。
[【臨床成績】の項参照]
3.家族性高コレステロール血症のうちホモ接合体については有効性及び安全性が確立し
ていないので、本剤による治療の適否を特に慎重に判断し、本剤に対する反応が認めら
れない場合には投与を中止すること。
[
「2. 重要な基本的注意」
の項
(2)
参照]
サノフィとRegeneron社は、脂質管理の重要性の認知向上とLDLコレステロール治療における
アンメットメディカルニーズの研究に寄与してまいります。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
1.HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用すること。
[日本人における本剤単独投与での有効
性及び安全性は確立していない。]
2.アフェレーシスと併用する場合には、
アフェレーシス施行後に本剤を投与すること。
使用上の注意
1.
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
重度の肝機能障害患者
[使用経験がない。
【薬物動態】の項参照]
2.
重要な基本的注意
(1)
本剤投与にあたっては、あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法
を行い、更に運動療法、禁煙、他の虚血性心疾患のリスクファクター
(糖尿病、高血圧症
等)
の軽減等も十分考慮すること。
(2)
投与中は血中脂質値を定期的に検査し、本剤に対する反応が認められない場合には
投与を中止すること。
(3)
併用するHMG-CoA還元酵素阻害剤及び他の脂質異常症治療薬の添付文書における
「使
用上の注意」
の禁忌、
慎重投与、
重要な基本的注意、
重大な副作用等の記載を確認すること。
3.
副作用
国内で実施された第Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験において、本剤75mg又は150mgが投与さ
れた193例中33例
(17.1%)
に副作用が認められた。主な副作用は注射部位反応が22例
(11.4%)
であった。
(承認時)
(1)
重大な副作用
重篤なアレルギー反応
(頻度不明注1))
…過敏症、
貨幣状湿疹、
蕁麻疹、
過敏性血管炎等
のアレルギー反応が認められ、
重篤な症例も報告されている。観察を十分に行い、
この
ような反応が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
(2)
その他の副作用注2)
過敏症
消化器
循環器
1%以上
1%未満
胃腸炎、
胃炎、
過敏性腸症候群
うっ血性心筋症
呼吸器
代 謝 糖尿病
皮 膚
肝 臓
そう痒症
頻度不明注1)
上気道徴候及び症状
(口腔咽頭痛、鼻漏、
くしゃみ等)
日本標準商品分類番号 872189
プラルエント®皮下注 75mgペン 22800AMX00434000
プラルエント®皮下注150mgペン 22800AMX00435000
承
認
番
号
プラルエント®皮下注 75mgシリンジ 22800AMX00436000
プラルエント®皮下注150mgシリンジ 22800AMX00437000
薬 価 基 準 収 載 年 月 2016年8月
承
認
年
月 2016年7月
販 売 開 始 年 月 2016年9月
4.
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているため、
副作用の発現に注意すること。
5.
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
本剤はHMG-CoA還元酵素阻害剤と併用するため、
妊婦又は妊娠している可能性のある婦
人及び授乳中の婦人には投与しないこと。
[HMG-CoA還元酵素阻害剤において、
動物実験
で出生児数の減少、
生存・発育に対する影響、
胎児の生存率の低下と発育抑制及び胎児の骨
格奇形が報告され、ヒトでは胎児の先天性奇形があらわれたとの報告がある。また、
HMG-CoA還元酵素阻害剤においてラットで乳汁中への移行が確認されている。なお、
ラッ
トにおいて本剤の胎盤通過が認められており、
カニクイザルにおいて妊娠期間中に本剤臨床
曝露量の57倍の曝露がみられた母動物の新生児でIgG二次応答の低下が認められている。]
6.
小児等への投与
低出生体重児、
新生児、
乳児、
幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
[使用経験がない。]
7.
適用上の注意
(1)
投与経路
皮下にのみ投与すること。
(2)
投与時
1)
遮光した状態で室温に戻してから投与すること。
2)
激しく振とうしないこと。
3)
液の変色や明らかな粒子を認める場合には使用しないこと。
(3)
投与部位
1)
皮下注射は、大 部、腹部又は上腕部に行う。同一部位に繰り返し注射することは
避けることが望ましい。また本剤と他の注射剤を同じ注射部位で併用しないこと。
2)
皮膚に異常のある部位
(傷、
皮疹、
炎症等)
には注射しないこと。
8.
その他の注意
(1)
国内第Ⅲ相臨床試験では、本剤投与患者143例中4例
(2.8%)
に抗アリロクマブ抗体
が認められたが、中和抗体が発現した患者はみられなかった。海外第Ⅲ相臨床試験で
は、本剤投与患者3033例中147例
(4.8%)
に抗アリロクマブ抗体が認められ、そのう
ち36例
(1.2%)
に中和抗体が発現した。
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
包装
プラルエント皮下注 75mgペン
: 75mg/1mL×1本
プラルエント皮下注150mgペン
:150mg/1mL×1本
プラルエント皮下注 75mgシリンジ: 75mg/1mL×1シリンジ
プラルエント皮下注150mgシリンジ:150mg/1mL×1シリンジ
爪囲炎
肝機能異常
注射部位反応(紅斑、 前立腺炎、
胸部不快感、
腫脹、
疼痛、
圧痛、 末梢性浮腫、
CK
(CPK)
上昇
その他 発赤、
そう痒等)
(11.4%)
注1)
海外臨床試験で認められている副作用のため頻度不明
注2)
国内第Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験において本剤75mg又は150mgが投与された症例で認められた
副作用について記載した。
★詳細は添付文書をご参照ください。
★添付文書の改訂にご留意ください。
★資料は当社医薬情報担当者にご請求ください。