HDS-R に関するケアマネージャーの意識調査

HDS-R に関するケアマネージャーの意識調査(欠損値のない 72 名を分析)
・性別
女性 56 名(77.8%) 男性 16 名(22.2%)
・ケアマネージャーとしての経験年数
5.98 年
・取得資格
介護福祉士(ヘルパーを含む) 37 名
看護師 13 名
社会福祉士 7 名
歯科衛生士 2 名
その他(保健師、理学療法士、主事)6 名
介護福祉士&看護師 1 名
介護福祉士&社会福祉士 6 名
1.改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)を施行したことはあるか?
ある 47 名(65.3%)
なし 25 名(34.7%)
2.HDS-R の結果は、ケアプランにどの程度影響を及ぼしますか(参考にしますか)?
非常に参考にする 3 名(4.2%)
ある程度参考にする 47 名(65.3%)
あまり参考にしない 22 名(30.6%)
ほとんど参考にしない 0 名
3.医師やコメディカルの HDS-R の結果が、自身の認知症判定(日頃接しているご本人さんの状態)と異なると感じた経験
はありますか。
ある 49 名(68.1%)
ない 23 名(31.9%)
*性別、経験年数、取得資格と HDS-R の施行の有無、ケアプランに及ぼす影響、また、施行経験の有無とケアプラン
に及ぼす影響や判定が異なると感じた経験の有無に、統計的な有意差はなかった。
*評価が実態と異なる要因について質的分析をした結果、
「本人の要因」
「検査者側の要因」
「評価スケールの要因」があ
げられ、自由意見については、
「医療機関への要望」が多かった。
本人の要因
・認知症の人は、その時々で状態が異なることがある
・病院、白衣に対する緊張感
・医師の前では通常よりもしっかりした受け答えができる(短時間)
検査者側の要因
・短時間診療で判定される
・質問の方法、項目の手順、思いこみによる聞き取り誘導されている
・医師の専門分野において開きがある
評価スケールの要因
・日常生活と評価がイコールにならない部分がある
・認知症の全ての病気に適する評価尺度ではない
・信憑性のあるデータかは疑問
要望
・点数だけではなく、どの部分が高くて、どこが低いのか開示してほしい
・精神的な起伏がある方の評価は、悪い状態で行ってほしい
・検査方法、検査者により結果が違うので、スキルアップを行いしっかりとした検査をしてほしい(とくに、認知症加算Ⅲa
以上であれば、正しい評価をしてほしい)
今回の結果からは、7 割のケアマネージャーが HDS-R の結果をケアプランの参考にすると回答したが、同時に評価
結果がその方の実態と異なると感じているケアマネージャーも 7 割いた。その要因としては、本人の精神的要因や検査
者の資質の問題、
評価スケールの弱点等があげられ、
医療従事者への認知症評価の資質向上を要望する意見が聞かれた。