4 二足歩行ロボット

平成23年度 電子システム科 課題研究発表会
二足歩行ロボット
班
員 石塚貴樹 梅津僚太
奥山貴晶 今野将汰
赤間泰輔
指導者 竹田晴誉
目
的
 ロボットの製作を通して、制御を中心に各
種技術を習得する
 イベントなどを通して、ものづくりの面白
さを伝える
 生活や社会に有用な、ロボット技術の研究
をする
今年度の目標
1ロボットの安定性改善(石塚・梅津)
(1)平行リンクを使った脚部の設計
(3次元CADによるデジタルプロトタイプ
の製作)
(2)PWM サーボ→シリアルサーボ化
(3)センサを用いた安定性向上
2デモンストレーション用ロボットの改善(赤間)
(1)犬ロボの安定歩行化とレストア
3多機能ロボットの研究(奥山・今野)
(1)多脚ロボットの製作
(2)スマートホンによる制御の基礎研究
4ロボットイベントへの参加
(1)保育園・幼稚園などでのデモンストレー
ション・体験操縦
(2)ナガレンジャー・ファイティングフェスタ
(1) 平行リンクを使った脚部の設計
図1
平行リンク
脚先は動かせないが、地面に対し常に足裏
が平行になる。また、高い剛性が期待でき、
脚のサーボを 1 つ減らせるメリットがある
■デジタルプロトタイプの製作
ロボットパーツの寸法を測り、INVENTOR で
3次元CAD図面を製作
⇒オリジナル化のベースとする
①構造解析
②強度解析 など
1 ロボットの安定性改善
■今までのロボットは歩行時に倒れることが多く、
改善の必要があった。
○原因
① 床のすべり具合によって足裏が引っかかっ
たり、滑りすぎたりする。
② 1個のサーボでは少ない「ガタ」でも複数個
を連結すると大きく影響してしまうこと
③ ①②の理由からせっかくセンサで補正して
もうまく機能しない
○改善策
平行リンクにする
図2
実際の平行リンクと
デジタルプロトタイプ
(2)PWM サーボ→シリアルサーボ化
■今までラジコン用サーボモータ
⇒PWM で制御するものが主流
現在のロボット用サーボモータ
⇒シリアルサーボ
・・・コンピュータとシリアル通信で直接
データの受け渡しが出来る
シリアル化のメリット
① コマンドで制御する
(PWM 発生のためのシステムが不要)
② マイコンボードから直接配線することなく、
数珠つなぎにできる
③ 温度や過電流などサーボ情報のフィードバ
ックが可能
(3)センサを用いた安定性向上
■ジャイロセンサ
角速度を検出ω[rad/s]
⇒体が傾いたら、その角度を補正
■加速度センサ
加速度を検出 α[m/s2]
⇒転倒方向を検出し、自動起き上がり
(ロボットの振動や重力成分があるため
移動方向の検出など、動的な検出は困難)
2
デモンストレーション用ロボットの改善
子供を対象にしたデモンストレーション
・体験操縦用ロボット
図3
犬ロボ
・小型サーボで非力、自由度は少ない
・犬型の頭でキャラクター性大
・「ワン・ワン」など音声出力ができる
・プレイステーションと同様のコントローラ
(1)犬ロボの安定歩行化とレストア
壊れやすく、体験操縦もままならない時がある
○原因
① 重い頭部を搭載したことで重量が増え、
サーボに対し負荷が大き過ぎること
② 自由度が少なく(サーボ数が少なく)サ
ーボ1個あたりの負担が大きい
③ ねじ穴にねじを強く締めすぎたり、適切
でないものを使用している
○改善策
① 容量の大きいサーボモータに交換及び
配線の引き直し
② 脚の付け根のロール軸を追加
③ アルミなどの板金部品の修理・交換
ロール軸の追加
図 4 犬ロボのロール軸
3
多機能ロボットの研究
■ 3.11 の東日本大震災では、日本にはたくさ
んのロボットがあるのにあまり活躍したとは
言い難い。
■ 原発施設内部など人間が立ち入れない箇所
における作業ではアメリカの軍事用ロボット
や日本のレスキューロボットを改造したもの
が活躍した。しかし、その活動も限定的だっ
た。
→ロボットの基礎技術を利用し、
災害時や日常生活の中で役立つロボット
の研究をする
(1)多脚ロボットの製作
■多脚ロボットを他のロボットの比較
①二足歩行との比較
メリット
・安定している
・可能な動作が増える
・凹凸のある場所でも走行可
・拡張性
デメリット
・スピードが遅い
・平行リンクの脚部の場合横への
移動時は方向転換が必要
②クローラ(キャタピラ)との比較
メリット
・小回りが利く
・可能な動作が増える
デメリット
・スピードが遅い
・重いものが運べない
4 ロボットイベントの参加
(1) 保育園・幼稚園などでのデモンストレーシ
ョン・体験操縦
○あゆかい保育園夏祭り
■多脚ロボットの歩行方法(前進)
図5
多脚ロボットの歩行方法
静的には3点あれば平面は構成され
安定する
1 ②④⑥の脚を浮かして前方へ
2 接地している①③⑤を後方へ
3 1、2の方法で、 ②④⑥ と①③⑤を
入れ替えて繰り返す
図8
(2)ナガレンジャー・ファイティングフェスタ
図9
図6
製作した多脚ロボット
(2)スマートホンによる制御の基礎研究
■スマートホンの携帯性、操作性、通信機能や
センシング技術を応用したロボット制御の研究
⇒応答性も高く、高い精度のセンサ出力が得ら
れることが分
かった。しか
し、今回は加
速度センサ等
のセンサ出力
に止まった。
図 7 センサデータ出力
あゆかい保育園夏祭り
ナガレンジャー・ファイティングフェスタ
感想・反省
 イベントで楽しそうに子供が操縦体験など
をしているのを見ると、嬉しい気持ちにな
った。
 子供たちに直接ロボットに触れてもらうこ
とで、工学の技術について関心を持っても
らうキッカケとなったら嬉しい。
 休みの日にも活動したり大変だったが、
様々な技術を学ぶことができ、有意義な活
動だった。
 ロボット製作に取り掛かるのが少し遅かっ
た。
まとめ
 ねらいの通り、平行リンク化によって剛性
が上がり安定した歩行をすることができた。
また、大技などよりも歩行が一番バランス
を崩しやすく難しいことが分かった。

デジタルプロトタイプの作成は非常に時間
が掛かるが、構造などを3次元的に検討し
ながら設計できるので、非常に有効なもの
であることが分かった。

犬ロボは機敏な動作ができるようになった。
サーボのトルクアップの効果は大きい。

多脚ロボットは平地での歩行方法の研究ま
でになったが、階段を上る場合など、高さ
のある場面でも多脚ロボットは有効である
と思う。また、安定して動作し拡張しやす
いのでカメラの搭載やスマートホンを使っ
た拡張など、これから様々なことに使える
と思う。
ナガレンジャー・ファイティングフェスタ(2月4
日)では上位の成績を残せるように、ガンバリマス!
ご協力頂いた方々
・西置賜産業会
・マエタテクノロジー・リサーチファンド
・荘内銀行ふるさと創造基金
・長井工業高校
吉田康輔先生 犬ロボの洋服提供
梅津由紀さん 犬ロボの洋服提供
伊藤栄子先生 犬ロボのTシャツ縫製
電子システム科の先生方
ありがとうございました!