「小苗を利用したかんしょ新生産技術」 農研機構・九州沖縄農業研究センター 上席研究員 杉本光穂 【研究開発情報のポイント解説】 ここ 20 年間でかんしょの全作業時間は 2/3 以下になったが、育苗・植付け作 業時間は削減せず全作業時間の半分を占めている。その一因はかんしょの群か ら苗に適した茎(茎長約 25 ㎝)のみを選択採苗する工程にあり、機械化一斉採 苗導入では短い茎が多く苗生産性は向上しない。そこで、生研センター「攻め の農林水産業の実現のための革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集 した革新的な技術体系の確立)」により、苗生産性の向上と育苗・植付け作業時 間の 50%削減を可能とする短い苗の再育苗による茎長 15 ㎝のかんしょ小苗生産 技術(図1)の導入を図り、苗床造成機、一斉採苗機、苗調製機及び小苗用移 植機(表1)の本年度中の市販化を目指している。 「小苗を利用したかんしょ新生産技術」 (図1 慣行育苗と小苗育苗の作業体系) ○慣行作業体系 ① 苗床造成作業 ③ 植付作業 ② 選択採苗作業 ○小苗作業体系 茎長15㎝の苗 苗床造成機 ① 苗床造成作業 養液育苗装置 ④ 再育苗 かんしょ小苗用移植機 茎長7~15㎝の苗 ③ 植付作業 一斉採苗機 ② 一斉採苗作業 苗調製機 ③ 苗調製・選別作業 表1 各作業機の仕様 苗造成機 開発担当企業 全 長 (mm) 全 幅 (mm) 全 高 (mm) 全 重 (kg) 作業幅 (mm) 出力 備考 ㈱藤木農機製作所 720 1420 1000 105 1000 - 5kW級の管理機に対応 一斉採苗機 苗調製機 松元機工株式会社 1880 500 630 17.5 1000 DC18V 充電時間30分 2150 670 650 70 - AC100V 最大処理能力59本/分 小苗用移植機 井関農機株式会社 1900 1360 1200 180 - 1.5kW 株間13~40㎝ 潅水量10,15,20 バッテリ(DC12V)とブロア 装着
© Copyright 2024 ExpyDoc