社内研修資料 洗いやすく髪にやさしい 弱酸性シャンプーはナゼ頭皮に悪いのか? ヘアサロン専用のシャンプーだけでなく、市販でも髪にや さしいシャンプーを誰でも手に入れることができる昨今、 アミノ酸などの弱酸性シャンプーが人気ですが、ナゼか頭 皮が痒くなったり、頭皮の炎症や乾燥、フケが出る等、 様々な頭皮トラブルをよく耳にします… 実は、弱酸性シャンプーが、髪には良いといっても、頭皮 には適さないことが、成分から読み解けます。 弱酸性のシャンプーの成分は石鹸ではなく、合成界面活性 剤です。この合成界面活性剤は、原料が高コストである石 鹸の替わりになる洗浄剤として開発され、安価な原料で製 造できることがメリットです。 製造メーカーのメリットが大きく、消費者のメリットは無 いといっても過言ではありません。中性や弱酸性と名が付 くものは 100%合成界面活性剤と考えて間違いありません。 アミノ酸シャンプー 弱酸性洗剤 PH5.5 1 社内研修資料 オイルシャンプーのメリットは何か? 最近の潮流でノンシリコンを売りにするシャンプーが多く なってきたため、シリコンの代わりにリッチなオイルや数 種類の保湿成分等を配合しているが、これらは極微量であ り効果は疑わしい。 又、アミノ酸系洗浄成分だから安全だと謳っている多くの 成分はオレフィン・スルホン酸 Na でありラウリル硫酸 Na と同等の極めて高い脱脂力の合成界面活性剤である。この デメリットを誤魔化すために添加されるオイルや合成保湿 剤PGやDPGは発ガン性の疑いあり。その他、アレルギ ー等のリスクが高い旧表示指定成分なども散見されます。 結局のところ、既存のオレフィン系の合成界面活性剤を基 材に、目新しいオーガニックオイルを微量配合しただけ。 一方で毒性や発がん性疑いのある添加物やアレルギー性の ある旧表示指定成分(添加物)まで入っている等、基本的 に今までの粗悪な格安シャンプーと何も変わっていない。 単なる商品ライフサイクルの販売戦略によって、「オーガ ニック」「リッチ」「ノンシリコン」等というワードを前 面に押し出しただけの何の評価もできないシャンプー。 2 社内研修資料 洗浄成分が石鹸のシャンプーの品質は? 基本的に石鹸は油脂からつくる昔ながらの石鹸と、脂肪酸 中和してつくる(中和法)大量生産される石鹸がある。中 和法は脂肪酸の原料が何なのか追跡できない場合が多く、 脂肪酸は工業用のためクオリティが低く未知の不純物の混 入リスクがあり、アレルギーや敏感肌には不向きである。 石鹸成分を売り文句にしている商品は中和法であり、さら に添加物も山ほど入っています。 また、添加物にDPG(グリコール類)やメチルパラベン が平気で入っているので品質の低さが伺えます。品質の低 さ=原料コストが極めて低いこと。特に評価するポイント がなく、固形石けんで洗う方が 100 倍マシ。 3 社内研修資料 サロン専用のシャンプーは大丈夫か? ヘアサロン専用だから、市販品よりも特に品質も良く髪に やさしいと思って当然ですが、中には市販品をはるかに越 える発ガン性が指摘されている成分が平然と入っているシ ャンプーがあるので驚かされます。 サロン専売品は、洗いやすさ、保湿成分、保護成分、修復 成分が優先で、安全性の優先度は極めて低い商品が少なく ない。消費者が無知なことで、人体に「矢場イ」成分が 「てんこ盛り」入っていることも知らずに、有難がって買 わされることは、気の毒の極みである。 市販の格安シャンプーでも成分にパラベンを使わないもの が多くなってきているにもかかわらず、「メチルパラベ ン」「プロピルパラベン」「ブチルパラベン」が三種混合 された最強のシャンプーまであるので注意が必要です。 パラベンは、女性ホルモン(エストロゲン)の働きをする 内分泌かく乱物質であるため、乳ガン患者のガン組織から 発見されることがある。特に女性は乳ガンのリスクは少し でも減らして欲しい。パラベンはPRTR法で規制されて いること等と関係なく使用しないことが賢明である。 サロン専売品のシャンプー 4 社内研修資料 どんなシャンプーが安全なのか? PRTR 法で指定される 354 個中の有害化学物質の他、 絶対に避けるべき成分ワースト10 l パラベン(メチルバラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、 ブチルパラベン、バンジルパラベン)女性ホルモン様内分泌撹乱物質。 l ラウリル硫酸Na(SLS)、ラウリル硫酸TEA 角 膜に浸透しやすく目のタンパク質を変性させる。目にしみないため自 覚のないまま角膜損傷のリスクがあり、特に子供には危険性が高い l フェノール(イソプロピルメチルフェノール、イソプロピルメチ ルエーテル)発がん性のあるコールタールから製造され、中枢神経、 心臓、腎臓、肝臓に悪影響が確認されている。 l PEG系(PEG-20、PEG-10 など数字が付く)分子量が非常に 小さいため、皮膚に浸透しやすい。製造過程で 1,4 ジオキサンが副生 されるため汚染の可能性があり、発がん性の疑いがある。 l タルク(天然の鉱物であるが、アスベストと近接した場所で採掘さ れるためアスベストが数%混入する。又、タルクはアスベストと同様 の繊維性質をもつため、数十年経過して肺がんが発症する可能性が疑 われいおり、安全のため自然派化粧品には使用されないことが多い) l 安息香酸・・・安息香酸エステル、安息香酸ベンジル、安息香酸 Na(安息香酸はビタミンCと反応し発がん性の高いベンゼンを生成) l トリクロサン(環境ホルモンの疑い、ダイオキシンに分解される 危険性が指摘されいる) l BHA、BHT(染色体異常を引き起こす変異原性があり、女性 ホルモンを遮断、発ガン性、催奇形性) l DEA、TEA(保管中に防腐剤と反応し毒性が高く発がん性の あるニトロソアミンを生成する。コカミドDEA、ラウリル硫酸TE A等と記載される) l PG(プロピレングリコール)、DPG(ジプロピレングリコー ル)肌に無数の穴をあけて強制的に保湿剤を入れるが、あいた穴から は水分が蒸散する副作用がある。これらグリコール類は分子量が低く なるにつれて毒性が高くなる。アセトアルデヒド等の毒性が高いホル マリン溶液はメチレングリコールのこと。 以上は、直ちに健康被害は出ないため楽観視され易く、たちが悪い! 5 社内研修資料 さらに危険な医薬部外品のシャンプー コールタールは皮膚ガンになる(※1)リスクがあります。コ ールタールからつくられる成分のフェノール類はシャンプ ー等によく使われます。又、安息香酸エステルはUV吸収 剤等にも広く使われていますが、毒性が証明され近年問題 になっています。このような成分の入った薬用シャンプーは、 皮膚のかゆみを抑える一定の効果はありますが、困ったこと に薬用シャンプーでアレルギー性の皮膚炎になってしまうこ とがあります。 又、薬用シャンプーは医薬部外品であり、薬事法では全成 分を表示する義務がありません。薬事法は消費者の安全性 よりも圧倒的に企業に有利につくられている部分がありま す。薬用シャンプーは、アレルギー性や有害な化学物質が 入っていても、消費者は知る術がありません。 さらに、薬用シャンプーの基材は合成界面活性剤を使用し ているものがほとんどです。 (※1)コールタールの発ガン性は山極勝三郎(1863-1930)が世 界で初めて突き止めたことが知られている 6 社内研修資料 市販シャンプーの 9 割が合成界面活性剤 合成界面活性剤でつくられるシャンプーは皮膚の防御膜 (皮脂膜)を洗い流してしまいます。その結果、アレルギ ー等でバリア機能の低下した皮膚がより一層トラブルの多 い皮膚になります。さらにシャンプー後は、時間の経過に つれて髪や皮膚を乾燥(※2)させます。 又、洗浄成分が皮膚に吸着して、洗い流されないでそのま ま残り、角質層をもろくすることも意外に知られていませ ん(蛋白変性)。髪はタンパク質で出来ており、キューテ ィクルの傷み等がある場合、進行すると髪の劣化の原因と なります。赤ちゃん用のシャンプーも同じことが言えます が、大人よりも皮膚の薄い赤ちゃんはそれに耐えられず、 簡単にアレルギーを引き起こすことがわかっています。 (※2) 合成界面活性剤は、全てそのままの形で吸着されるた め皮膚表面は親水性となる。そのため外気湿度が低い場合 (たいていの好天時)は体内水分が肌から蒸発しやすくな る。この結果、皮膚内部から水分がドンドン失われて真皮 に負担がかかり、その負担が皮膚の老化を促進する。これ が内部乾燥の弊害である。これは既に半世紀前から研究者 の間では認識されている。 7 社内研修資料 合成界面活性剤の正体とは? 合成界面活性剤の誕生は、第 1 次世界大戦下(1914 年∼ 1918 年)のドイツで兵士の服を洗浄するための石鹸の原料 である食用油が不足したことで、石鹸に変わる洗浄剤の開 発が急務となり、石油から合成した合成界面活性剤(AB S)の開発に成功しました。その後、アメリカで手を加えら れ、洗顔料、シャンプー等になります。しかし、河川の汚 染が社会問題になり、さらに改良された合成界面活性剤(L AS)が開発されるが、1990 年代にはLASが自然分解され るとノニルフェノール(内分泌かく乱物質)となることが 確認され、PRTR法により欧米では、早々に製造が禁止 される。日本では 1999 年(平成 11 年)7 月にPRTR法が 公布され、事業者(企業など)が1年間にLASやダイオ キシン類など全354個化学物質を環境中に排出したかを 把握・届出し、その結果を集計・公表する仕組みができた。 しかし、EU諸国のようにLASを原料として使用を禁止 することまでは法制化されていない。 8 社内研修資料 植物性シャンプーはノンケミカル? どんなに皮膚に優しい 100%植物性のシャンプーと謳ってい ても、そのほとんどはパームオイル等の植物原料を誘導し 化学変換した、暦とした合成界面活性剤で、石油原料の洗 剤と何ら変わりません。 石油から 同じもの 植物原料でも化学転換して 合成界面活性剤が製造できる 植物油から 環境保護の観点から、石油(化石燃料)で製造するものは、CO2 の排出が問題になっており、2008年のリーマンショック以降、原 油が高騰したことから、植物原料の方がコスト的に安くなり、企業 は一気に植物原料にシフトすることに拍車がかかった。企業の都 合上で植物原料のシャンプーをつくっているが、商品戦略上は 自然にやさしく、髪にもやさしいイメージの良い植物性というキー ワードを最大限にズル賢く利用しており、多くの消費者はこの事 実を知らずに、100%植物性という安心感に満足している。 9 社内研修資料 植物性原料パームオイルの悲劇 環境保護の意識が高まりつつある昨今、植物性を謳うシャ ンプーが増えてきましたが、これらの商品の多くは合成界 面活性剤であることは意外と知られていません。これらは、 植物から採れるオイルを化学転換し、合成界面活性剤がつ くられます。石油から製造する合成界面活性剤と何ら変わ りません。原料が何であれ、最終的に作り出される成分が 何なのかが、人間や動物および環境に与える影響を評価す る上で重要なポイントとなります。 又、植物原料のほとんどがマレーシア等で栽培されるアブ ラヤシから採れるパーム油です。アブラヤシは熱帯雨林の 原生林を焼き払って大規模なプランテーションで栽培され ます。このプランテーションの影響で、元々いた野生動物 は住処を失い、オランウータン等は絶滅危惧に追いやられ 絶滅に拍車がかかっているといわれています。又、プラン テーションの中には野生動物がアブラヤシを荒らさない様 に、ワナがいたる所に仕掛けられており、象の子供が鼻を 切断したり、足に食い込んで歩けなくなる等、地元でも問 題になっています。又、パーム油は石油に変わる代替燃料 として世界中で注目されており、プランテーションは年々 拡大され、野生動物の犠牲は増加の一途を辿っています。 ワナのロープが 食い込み壊死し 歩行が困難にな る パーム油をつくるアブラヤシのプランテーション 10 社内研修資料 製造メーカーが明かさない不都合な真実 ∼弱酸性の真実∼ 皮膚の断面図 天然成分 100%であっても弱酸性のシャンプーは全ての製品 が間違いなく合成界面活性剤であることは意外と知られて いません。又、合成界面活性剤で洗浄すると、合成界面活 性剤そのものが皮膚に張り付き、善玉菌はすべて洗い流さ れ、復活するのに 10 時間以上かかることがわかっています。 さらに薬用シャンプー等の殺菌成分等が添加されていると 悪玉菌のみならず皮膚に必要な善玉菌までもが死滅してし まい、善玉菌が復活するには相当な時間を要します。時間 が経つと皮膚は無防備になり有害細菌やアレルゲンにさら されることになります。 11 社内研修資料 製造メーカーが明かさない不都合な真実 ∼バリア機能の低下∼ 皮膚の断面図 皮膚のバリア機能が低下する原因は皮脂の分泌が極端に少 ない等いくつかありますが、合成界面活性剤や添加物によ って引き起こされるケースがあります。 合成界面活性剤は開発当初から未だに解決できない欠陥と もいうべき問題点が指摘されており、研究者の間では常識 となっています。それは、皮膚の内部を乾燥させる、いわ ゆるインナードライを引き起こす点です。合成界面活性剤 の性質上、解決が困難であり、合成された強力な保湿剤や 肌荒れ防止剤等で補うことくらいしか改良できていません。 12 社内研修資料 製造メーカーが明かさない不都合な真実 ∼添加物の影響∼ H2O H2O H2O } 角質層 強力な保湿効果のある添加物にPG(プロピレングリコー ル C3H8O2)やDPGがありますが、数年前から安全性が疑問 視され食品添加物として使用されることはなくなったが、 化粧品(特に輸入化粧品)には保湿剤として平然と使用さ れています。 このPGは安価で強力な保湿剤ですが、角質層に無数の小 さな穴を開けて皮膚内部に浸透させるというものです。こ れには副作用として、無数に開いた穴から皮膚内部の水分 が逆に蒸散してしまいインナードライを引き起こすことが わかっています。 PGやDPGのグリコール類は分子量が小さくなるほど毒 性が強くなることがわかっています。又、エチレングリコ ールは体内に入ると、いわゆる代謝性アシドーシスを引き 起こすことが知られています。たとえば、ホルマリン等の ホルムアルデヒド溶液はメチレングリコールのことであり 毒性が強く毒物及び劇物取締法により医薬用外劇物に指定 されている。 13 社内研修資料 合成界面活性剤、パーム油をはじめ・・・ あらゆる添加物一切不使用の石鹸シャンプー ピュアポタッシュを提案します ピュアポタッシュは、皮膚トラブルで悩みを持つ方にも特 別やさしい高度無添加カリ石鹸です。 大手製薬会社の元研究員が在職中から三十余年に亘る基礎 研究を経て、脂肪酸組成をコントロールし酸化を極限に抑 えた独自製法の開発に成功。“どんな添加物も一切不使用”で 製造する「ピュアポタッシュ」は、オーガニックや無農薬 の安全な食用原料のみを用いた上、製造前に HPLC※で不純 物レベルまで徹底分析する今までにない非常識的な製造法 でクオリティを追求し、アレルギー等の≪超敏感肌専用≫ 高度無添加の石鹸シャンプーを提案します。 ※HPLC:高速液体クロマトグラフィ 14 社内研修資料 ピュアポタッシュはカリ石鹸です 【カリ石鹸とは】 今から約 5000 年前のシュメール人が残した遺物(楔形文字 で書かれた粘土の記録版)に石鹸は薬用として塗り薬や漂 白洗浄に使用していた記録があります。古代人が動物を焼 いたときに滴り落ちた脂と薪を燃やした灰に雨水が混ざっ た結果、偶然に鹸化が起こり泡立った土(石鹸)を触り、 不思議に手の汚れが落ちることを、セレンディピティ的に 偶然発見し、自然発生的に石鹸が出来る仕組みを知ったの が石鹸の始まりだと考えられます。又、世界最古の石鹸が カリ石鹸であり安全性と有用性は 5000 年の歴史が証明して います。 カリ石鹸 15 社内研修資料 ピュアポタッシュの誕生ストーリー ∼製薬会社の研究員が手荒れの妻の為につくり始めた手づくり石鹸∼ 私が生まれた頃の我が家では、洗剤やシャンプー等の合成 界面活性剤が使われる、ごく普通の家庭でした。又、母は 手荒れがひどい専業主婦の代名詞のような主婦湿疹で皮膚 科に通っていました。皮膚科に通っても主婦湿疹は一向に 改善せず、ますます酷くなり、そのうち指紋もなくなり、 象の皮膚のように硬くカサカサになり、最終段階で手のひ らがパックリ割れている状態でした。 このような状況から当時、大手製薬会社の研究員として勤 務していた父は「有害化学物質が原因ではないか?」 と推 察し、台所洗剤からシャンプー、洗濯洗剤まで家中のあら ゆる合成界面活性剤を排除し、全てをカリ石鹸に変えたと ころ皮膚科に通っても全く治らなかった主婦湿疹が回復し、 しばらくして完治したのです。それ以来、父は母のために 無添加のカリ石鹸を自宅でつくるようになり、我が家では 石鹸が固形ではなくジェル状のカリ石鹸になったという訳 です。 斯くして、ピュアポタッシュの研究開発は始められ、その 後、三十余年に亘り改良を繰り返し、添加物を一切使わず、 化学物質過敏症の人や超敏感肌の人にも使えるよう、天然 素材のみでつくる完全無添加の高度無添加カリ石鹸のピュ アポタッシュが誕生したのです。 16 社内研修資料 ピュアポタッシュは 局方カリ石鹸をベースに開発 医療用の局方カリ石鹸*をベースにセンシティブ肌でも普 通に使えるよう改良した石鹸がピュアポタッシュです。 *局方カリ石鹸は、約130年前の日本薬局方初版(1886 年)以来収載され、製法は厳格に定められており、主に 皮膚科等の医療機関で使用されてきたカリ石鹸です。原 料は大豆油を用いますが、オリーブ油からも作られ、用 途として「湿疹を含む皮膚疾患に補助的に用いる」と解 説されています。又、効果効能は「局所に適用し刺激を 緩和させる。潰瘍・創面を保護し乾燥を防止する」とい うものです。又、固形石鹸よりも石鹸分子が大きく浸透 しにくいため腸内洗浄に使用できる唯一の安全な洗浄剤 として、古くから病院で利用され、現在も一部の産婦人 科では、グリセリンよりも温和で妊婦に負担を掛けない 理由で重宝されています。 研究ベースの局方カリ石鹸 17 社内研修資料 カリ石鹸の利点 カリ石鹸は驚くほど高度な洗浄メカニズムを持っています。 合成界面活性剤とは違い、洗い始めると加水分解により一 部イオン化し、カリウムイオンと脂肪酸イオンになります。 カリウムイオンは皮脂と結合して汚れを落としながら、皮 脂由来の石鹸が皮膚の上で自然につくられ、さらに同様の 加水分解が繰り返されます。一方の脂肪酸イオンは遊離脂 肪酸を生成し、徐々に洗浄力が低下し脱脂力が妨げられ洗 い過ぎて皮膚に負担を掛けることなく自動的にコントロー ルされ、古くなった(酸化した)余分な皮脂を洗い流し、 さらに、遊離脂肪酸が瞬時に形成され、天然のバリヤとな る。合成界面活性剤には真似のできない高性能なスーパー メカニズムがアドバンテージのひとつです。 又、固形石鹸よりも石鹸分子が大きいため、短時間で濯ぐ ことができ、水道水中の塩素にさらされる時間が短縮され 皮膚の負担を最小限に抑えることができます。敏感肌のケ アは、添加物もそうですが、水道水中の塩素の害も考えな ければ片手落ちです。 18 社内研修資料 石鹸は合成界面活性剤と違い 皮膚の pH に左右されない 石鹸シャンプーで洗うと髪の pH バランスが崩れて髪が膨潤 し、キューティクルが開いて髪が傷むと誤解される場合が ありますが、髪が傷むといわれていた理由は、かつて固形 石鹸は強アルカリ(pH12)であった時代があり、確かに 髪や羊毛を洗うには適さない。 約130年前から既にカリ石鹸は pH10前後であり、数値 にすると 20 分の1も低い弱アルカリ性であり、濯ぐと同時 に中和されるため、膨潤する暇もなく髪は傷まないことが わかっている。濯ぎ終わると、髪は遊離脂肪酸でコーティ ングされ、キューティクルは完全に閉じている(顕微鏡に て確認)。 石鹸シャンプーは、髪を擦るように洗うのではなく、頭皮 をマッサージするように正しく洗えば、キシキシ感は緩和 され、濯いだ後に、酸性リンスまたはオイルリンスをすれ ば全く問題ない。 19 社内研修資料 カリ石鹸は合成界面活性剤と違い 善玉菌に優しく自然治癒力を妨げない 皮膚の断面図 カリ石鹸はインナードライとは無縁です。カリ石鹸はイオ ン化傾向が高いことから多くの皮膚常在菌によってバリア が形成され、有害細菌やアレルゲンから皮膚を保護し体内 からの水分の蒸散も防いで保湿にも役立ちます。 我々には様々な常在菌が共生しています。皮膚にも皮膚常 在菌が皮膚の pH を維持、保湿、保護しています。 人間は、2億年の進化の過程で免疫力を手に入れ、常在菌 を味方にし、過酷な生存競争に勝ち抜いてきたのです。こ の高度な防御システムに対して合成界面活性剤は2億年か けて構築した防御システムを一瞬で破壊することになるの です。 20 社内研修資料 皮脂の少ない乾燥した頭皮にはカリ石鹸 乾燥した皮膚は、皮脂の分泌が少なく、又、表皮がめくれ 上がっていたりして、皮膚のバリア機能が低下した状態の ところにアレルゲンや有害細菌等が侵入してアレルゲンが 毒素を放出し炎症がおき、水分蒸散による皮膚の内部乾燥 (インナードライ)が引き起こされる。又、毛穴に炎症が おきると脱毛になることもあるようです。 薬用シャンプーは合成界面活性剤を基材にしているため、 そもそも乾燥した皮膚の洗浄には適しません。カリ石鹸は 皮脂の少ない皮膚を脂肪酸膜が覆い自己治癒力を妨げない ことで、カリ石鹸で洗うだけで、自然と回復したと思われ るのです。 21 社内研修資料 酸化皮脂の多い頭皮にもカリ石鹸 酸素は O2 ですが、O(単体)になったのがフリーラジカルで ある。代表的なものが活性酸素である。単体の状態は非常 に不安定であり、一番のターゲットになりやすいのが、多 価不飽和脂肪酸である。フリーラジカルに攻撃された脂肪 酸は、「過酸化脂質」と呼ばれる有害な脂質に変化する。 この過酸化脂質は紫外線でもつくりだされる。この過酸化 脂質が一旦できると、過酸化が隣り合った細胞に連鎖反応 (伝播)し細胞膜のコレステロールやタンパク質も次々に 酸化する。これらの酸化物は毒性があり大変有害である。 【対処法】 カリ石鹸で洗うと、酸化された有害な皮脂を全て洗い流す と同時に遊離脂肪酸膜が皮膚を覆ってバリアとなり乾燥を 防ぎ保湿されるため、大量の皮脂分泌による保湿の必要性 がなくなり、大量の皮脂分泌を促す指令が出なくなり、皮 脂分泌が自然と適正量に戻るのです。酸化した有害な皮脂 を新しく換えることが、脂(あぶら)交換のセオリーです。 又、食べ物も大変重要であり、抗酸化力のあるビタミンや ポリフェノール、ミネラル、アミノ酸、Ω3系脂肪酸を十 分に摂取することが、フリーラジカルの防御ネットワーク の強化につながることが知られています。 22 社内研修資料 Circulation(サーキュレイション) それは巡ること。血液・水・空気などの循環をさす。人の 使ったものはすべて自然へ還り、悪いものは自然を汚し、 良いものは自然を肥して又、人へと巡ってくる。 人は化学合成物質を作り出し、自然に還らないゴミを排出 する限り、自然環境は確実に破壊されてゆく。普段わたし たちが流している生活廃水中のほとんどの合成洗剤(SE=高級 脂肪酸ショ糖エステルを除く)もその類。環境に及ぼす影響は計り知れ ないほど大きなものなのである。 【ピュアポタッシュの自然分解】 生活排水は浄水設備を通って河川に入る。ピュアポタッシ ュは排水中で解離して脂肪酸と水酸化カリウムになる。脂 肪酸は微生物によって水と二酸化炭素に分解され、カリウ ムイオンは二酸化炭素と結合→重炭酸カリウム KHCO3 とな る。浄水設備を通っても殆どがそのまま放出される重炭酸 カリウムは、河川では葦やマコモなどの植物の根から吸収 される。重炭酸カリウム等のカリ分は植物の成長に欠かす 事の出来ない栄養素で、特に根の細胞分裂の盛んな部分に たくさん必要とし、根を発達させる。その結果水辺の植物 は窒素やリンを盛んに吸収して水質を浄化し、同時に葉を 繁らせて二酸化炭素をより多く吸収し、環境改善に大きな 力を発揮する。 こうして自然を肥し、農業用水となれば農作物を育て、や がてわたしたちのもとへ再び巡ってくる。わたしたちはそ んな Circulation という自然のサイクルを考えた石鹸作り を通して、地球にもやさしいスキンケアソープを提案する のである。 23 社内研修資料 ピュアポタッシュの自然分解式 【カリウム(カリ)石鹸の場合】 世間で問題にされる富栄養化とは、水中の植物プランクト ンの栄養源となる石鹸、シャンプー、台所洗剤などの化学 合成洗剤に含まれている窒素やリンが水中に増加すること で、その結果植物プランクトンが大量発生し、生態系のバ ランスが崩れていきますが、 カリとは無関係です。カリは 水辺の草や作物の根が成長するための栄養源となり、水辺 の植物の根が成長し 水質浄化が促進され、 地上部では葉が光合 成により二酸化炭素 を吸収する完全な Circulation の 作 用 があります。 【固形(ソーダ)石鹸の場合】 固形石鹸は、カリ石鹸同様に素早く自然分解しますが、水 辺の草木の栄養源にはならないため、カリ石鹸のような Circulation 作 用 は ありません。又、カ リ石鹸素地を利用し た石鹸でも水酸化ナ トリウムを混ぜてい る こ と が 多 く 、 Circulation は 不 完 全ですが環境にはあ まり悪影響はない。 24
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