(一財)リモート・センシング技術センター

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「全世界デジタル 3D 地図提供サービス」に
2m 解像度高精細版と 3D プリンター用データ提供サービスを追加
~併せて 3D 地図製品ブランド「AW3DTM」を立上げ。”さらに使える 3D 地図”へ~
一般財団法人リモート・センシング技術センター
一般財団法人リモート・センシング技術センター(以下:RESTEC)と株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、
衛星画像を活用した世界最高精度の「全世界デジタル 3D 地図提供サービス」(注 1)に、2m 解像度高精細版 3D 地図と
3D プリンターに利用可能な 3D 地図データ提供サービスを新たに追加します。また、3D 地図製品ブランドとして
「AW3DTM」(注2)を立上げ、”さらに使える 3D 地図”として全世界への提供を進めます。
RESTEC とNTTデータが 2014 年 2 月から提供している「全世界デジタル 3D 地図提供サービス」は、世界で初めて
5m解像度の数値標高モデル(DEM)(注 3)で世界中の陸地の起伏を表現する 3D 地図として、2015 年 3 月末までに、
全世界の約 6 割のエリアへの対応を完了しました。これまでに、新興国における地図整備、防災対策、電力分野の発
電計画、資源分野の鉱区探査、衛生分野における疫病の感染拡大の対策など、幅広い分野へ利用が広がり、需要が
高まっています。
今回の追加サービスによって、世界各国における、さまざま需要に対応していくと同時に、新ブランドを展開していく
ことで、2015 年度中に、両社で累計 15 億円の売り上げを目指していきます。
【背景】
「全世界デジタル 3D 地図提供サービス」は、宇宙航空研究開発機構(以下:JAXA)と連携して、JAXA の陸域観測技
術衛星「だいち(ALOS:エイロス)」(注 4)によって撮影された約 300 万枚の衛星画像を用いた世界最高 5m 解像度の 3D
地図として、2014 年 2 月にサービス提供を開始しました。
従来の航空写真を用いた手法と比べ、1/10 のコスト、かつ最短 1 週間の短納期で精細な 3D 地図データが入手でき
ること、ならびに、既存の 30m~90m解像度の世界 3D 地図から大幅に精度が向上したことから、特にアジアやアフリカ
をはじめとする新興国において、地図整備、防災対策、電力分野の発電計画、資源分野の鉱区探査、衛生分野にお
ける疫病の感染拡大の対策など、幅広い分野へ利用が広がり、需要が高まっています。一方、都市部における都市計
画等の分野においては、これまでの 5m 解像度以上の高精細な地図データが必要とされることから、今回新たに 2m 解
像度の高精細版の提供を開始することになりました。
また、3D 地図データを実際の立体模型として利用したいという、精密造形や各種設計、防災分野等におけるニーズ
に応えるため、3D プリンターに利用可能な地図データについても提供を行います。
加えて今回の新サービス提供開始に伴い、複数のサービスラインアップを持つことになる「全世界デジタル 3D 地図
提供サービス」を、「AW3D」のブランド名称で提供していくこととなりました。
【新しい製品ブランド「AW3D」について】
「AW3D」は、以下のブランドコンセプトに基づく、「Advanced(先端の)」と「World 3D map (全世界 3D 地図)」を掛け合
わせた名称です。
- 最先端の衛星画像技術による高い位置精度
- 全世界の基盤になる 3D 地図
- 進化するサービスにより”見る 3D から使える 3D へ”
【2m 解像度高精細版 3D 地図について】
<サービス内容>
民間衛星で世界最高の解像度を誇る米国 DigitalGlobe 社の衛星画像を活用した、2m 解像度高精細版 3D 地図と
なります。2m解像度の DEM で地形の起伏を表すもので、従来の 5m 解像度では再現が難しかった、「建築物」レベル
の細かな起伏を表現することが可能です。直近に撮影された衛星画像から、高精細かつ鮮度の高い 3D 地図の提供
が可能となるため、地形と比べ変化の著しい、都市など特定エリアの都市計画分野や施設管理分野での詳細な 3D 地
図の活用や、大規模災害等で発生した地形変化を反映したかたちでの 3D 地図データの更新が可能となります。
<提供形式>
高さを示す数値標高モデルのデータを提供します。
<提供単位>
任意のエリア(最低 25 平方キロメートル~)に対し提供を行います。
<価格>
1平方キロメートルあたり、11,000 円~
衛星画像
5m 解像度 (サービス提供中)
2m 解像度高精細版(今回サービス追加)
90m 解像度(従来の 3D 地図)
2m 解像度高精細版 3D 地図(東京) ※カラー処理を施した鳥瞰図
2m 解像度高精細版 3D 地図(エベレスト) ※カラー処理を施した鳥瞰図
<利用用途>
<都市分野>
・都市開発計画
・道路、鉄道、水道等のインフラ計画
<施設分野>
・土木工事の計画およびモニタリング
・電力・プラント等の設備計画
<防災分野>
・洪水、土石流、火砕流、津波等の被害シミュレーション
・自然災害等による地形変化の把握
<交通分野>
・航空機の空路設計
・車両のナビゲーション
<通信分野>
・無線通信における電波伝搬シミュレーション
<資源・環境分野>
・鉱山の掘削状況のモニタリング
・森林育成状況の把握
【3D プリンター用データ提供サービスについて】
<サービス内容>
3D プリンターが直接読み込むことが可能な STL(Standard Triangulated Language)ファイルフォーマットで 3D 地図デ
ータを提供します。これにより、高精細な 3D 地形模型の作成が可能になるため、精密造形や各種設計、また防災分野
などにおける模型を使ったシミュレーション解析など“使える 3D 模型”への利用の拡大を想定しています。
<提供形式>
3 次元データである STL ファイルフォーマットのデータを提供します。
<提供単位>
3D 地図提供のオプションとして提供します。
<価格>
3D 地図の費用に加えて1ファイルあたり、50,000 円~
3D プリンター用データ(富士山)
3D プリンターによる利用イメージ(富士山)
【今後について】
RESTEC とNTTデータは、3D 地図および関連サービスの提供を通じて、地理空間情報の利用拡大、市場創出なら
びに関連産業の振興に取り組んでいます。今回の新サービスを含め、他の地理空間情報コンテンツやシステムと連携
してさまざま需要に対応していくと同時に、新ブランドを展開していくことで、2015 年度中に、両者で累計 15 億円の売り
上げを目指していきます。
【参考】
・全世界 3D 地図提供サービス Web サイト(外部リンクhttp://alos-world3d.jp)
・JAXA ALOS プロジェクトについて(外部リンク http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/aw3d/)
※注1
デジタル 3D 地図:地表の 3 次元座標値(水平位置と高さ)が記録されたデータ。高さを示す数値標高モデル(Digital Elevation
Model, DEM)と、水平位置を示す正射投影(オルソ補正)画像の 2 種類のデータから構成されます。正射投影画像は上空から撮影
された画像の地形にともなう歪みを除去し、正しい位置情報が付与された画像。
※注 2 「AW3D」は、日本国内における株式会社NTTデータと一般財団法人リモート・センシング技術センターの商標です。
※注 3 数値標高モデル(Digital Elevation Model, DEM):地表面の地形のデジタル表現で、ある格子点間隔ごとの高さの値をデジタル
化したものです。解像度はデータの精細さの尺度です。5m 解像度は 5m の格子間隔で高さの値を記録していることを意味しま
す。
なお、これまで全世界規模で整備された地図には、米国が 2000 年にスペースシャトルを用いて観測したデータによる 90m および
30m 解像度の数値標高モデル(2003 年に第一版公開)、米国と日本が共同で 2000 年から観測した衛星画像による 30m 解像度の
数値標高モデル(2009 年に第一版公開)があります。
※注 4
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS, エイロス):2006 年 1 月から 2011 年 5 月まで運用された日本の地球観測衛星で、高精細
な全世界観測を実施し、地図作成・更新、災害状況把握、地域環境観測等に貢献しました。本事業では運用期間中に撮影され
た約 650 万枚の画像のうち、パンクロマチック立体視センサ(PRISM, プリズム)が撮影した被雲が少ない約 300 万枚を活用してい
ます。
【お問い合わせ】
一般財団法人リモート・センシング技術センター
ソリューション事業部
〒105-0001 東京都港区虎ノ門 3-17-1 TOKYU REIT 虎ノ門ビル 3 階
TEL 03-6435-6789
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~ 世界初!だいちを彩る新技術 SAR 画像をより身近に ~
陸域観測技術衛星 2 号「だいち 2 号」(ALOS-2)搭載 L バンド SAR 画像のカラー化技術について
一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が 5 月 24 日に種子島宇宙セ
ンターで打ち上げた陸域観測技術衛星 2 号「だいち 2 号」(以下「ALOS-2」と言う。)搭載 L バンド SAR※1 センサにより取得され
る単画像をカラー化できる技術の開発に成功しました。
従来の SAR 画像(画像左)はモノクロ画像であり、地表の状況を判読しにくいというご意見を多くいただいておりました。そこで、
緑地は緑に、水面は青黒く、地面は茶色にと、SAR 画像を光学画像※2 の色合いに近づける技術を RESTEC が開発しました。こ
の技術により、地表の状況を判読しやすい SAR 画像をご提供できるようになり、様々な分野への活用に期待できます。
本技術は、1 枚の SAR 画像のみでカラー化でき、且つ、解像度が劣化しないことが特徴です。特許出願済であり、カラー
化方法と解像度が劣化しない点で世界初の技術と言えます。今後も RESTEC は、日本の誇る L バンド SAR 技術から
取得される衛星画像の利用拡大に向けて取り組んでまいります。
左図:ALOS から取得された SAR 画像※3
右図:航空機 SAR(Pi-SAR-L2)画像をもとにカラー化した画像※4
※1:LバンドSAR(合成開口レーダ)とは、人工衛星等に搭載したLバンドのマイクロ波を用いたレーダであり、雲や噴煙を透過し、可視
光では観測できない、地表の様子を観測できる。
※2:光学画像とは、可視光から取得される画像であり、雲や噴煙も撮影可能。デジタル写真のように見える。
※3:陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)から撮影された SAR 画像。
※4:L バンド SAR を搭載した航空機から撮影した画像を用いて、カラー化した画像。ALOS-2 に搭載されるセンサと同様のセンサで撮
影。
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