脳血管障害患者における体性感覚誘発脳磁場の高周波律動 宮崎県 1

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脳血管障害患者における体性感覚誘発脳磁場の高周波律動
HFO in SEF with stroke patients.
◎八木 和広 1)、野地 七恵 1)、高橋 貴行 1)、山下 三統 1)、奥 史佳 2)、中尾 紘一 3)、鶴田 和仁 3)
一般財団法人潤和リハビリテーション振興財団 潤和会記念病院 1)、潤和会記念病院 リハビリテーション科 2)、潤和会記念病院
神経内科 3)
1. はじめに
変患者では 5 名中 4 名において Low-γ 帯域の律動までしか
正中神経刺激に同期して記録される体性感覚誘発脳磁場
認められなかった。1 名は High-γ2 帯域以上の律動が認めら
(SEF)を用いて、脳血管障害患者における SEF の時間周波
れた。非視床大脳皮質病変患者では 4 名の全例において
数解析を行った。
High-γ1 帯域以上の律動が認められた。
2. 方法
4. 考察
健常成人 6 名と脳血管障害患者 9 名 を対象とした。脳血
正中神経の定電流刺激により誘発される SEF は後索-内側
管障害患者は視床病変患者が 5 名、非視床大脳皮質病変患
毛帯系の経路を伝達し視床の後腹側核(VP)の機能が反映
者が 4 名であった。脳磁場活動の測定は全頭型 306ch 脳磁
される。視床病変患者の 4 名は VP が障害されたために、
計を用いた。サンプリング周波数は 1.5kHz、周波数帯域は
SEF に影響し患側の周波数活動は Low-γ 帯域の律動までし
0.3-500Hz とした。正中神経を手首部で刺激し SEF を計測
か認められなかったと推察される。しかし、1 名の視床病
した。刺激条件は、持続時間 0.2ms、刺激間隔 501ms の定
変患者の障害部位は後外側核(LP)であり VP の障害はな
電流刺激を用いた。加算回数は 200 回以上とした。SEF の
かったために SEF への影響はなく High-γ2 帯域以上の律動
解析周波数帯域は δ(2-4Hz), θ(5-7Hz), α(8-12Hz), β(13-29Hz),
が認められたと推察される。これらの事から、体性感覚情
Low-γ(30-59Hz), High-γ1(61-90Hz),
報のフィードバックには視床の部位が重要である事が示唆
High-γ2(91-150Hz)に分
けて行った。
された。
3. 結果
健常成人全例において、SEF の周波数活動は High-γ2 帯
域以上の律動が認められた。脳血管障害患者のうち視床病
連絡先 0985−47−5555