ロボットの感覚

ロボットの感覚
感覚
『ロボットのセンサ』 (教科書第4章)
¾センサはロボット制御のどこで必要になるのか
¾センサの種類と性能を決める要素
¾位置・速度センサはロボット制御の基本
9ロボットに必要な基本的な角度・角速度センサ
9関節角度を測るロ タリ エンコ ダ
9関節角度を測るロータリーエンコーダ
9演習問題
¾力センサはどうなっているのか
¾ロボットの機能を高めるセンサ
センサはロボット制御のどこで使われるか
電圧(制御入力)/電力(駆動エネルギー)
伝達関数
アクチュエータ
アクチュエータ
アクチュエータの発生する
動力学
関節動作/
シミュレーション
運動学
全身動作/
アニメーション
運動方程式
センサで計測
(微分方程式)
運動方程式
(微分方程式)
各関節の
機構構成
(座標変換)
センサで計測
計測
手先など各部の
センサで計測
ロボット動作
センサで計測
機構構成
(座標変換)
逆動力学
制御
逆運動学
動作計画/
軌道計画
センサはモータ制御・動作制御のどこで使われるか
ロボットの動作制御はモータ制御
電機子電流をセンサで計測
関節角度・角速度を
関節角度
角速度を
センサで計測
ロボ ト動作をセンサで計測
ロボット動作をセンサ
動作結果をセンサで計測
デジタル制御の基礎
0
1
1 0 0
1 0 1
1 1 0
1 0 0 1
1 0 1 0
1 0 1 1
浮動小数点数
1 0 1 1 1 0 1
実数
12864 32 16
11 6875=8+2+1+0 5+0 125+0 0625
11.6875=8+2+1+0.5+0.125+0.0625
11.6 8 7 5
1 0 1 1 1 0 1 1
1
← の位
1
← 8の位
1
← 4の位
1
← 2の位
1
←の位
2
←の位
4
←の位
8
←の位
1 0 0 0
187
一
←万分の・・
千
←分の一・・
百
←分の一・・
1
←- の位
1
←の位
← の位
1 1 1
187=128+32+16+8+2+1
1
←の位
2
←の位
4
←の位
8
←の位
← の位
← の位
← の位
←の位
1 1
整数
整数・実数・浮動小数点数
一
←の位
十
←の位
百
←の位
1 0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
2進数
10
ー ー ー 16
ー
10
6.4375×107
1 1 0
0 1 1 1 0
整数部 小数部
1 1 1
指数部
メカトロニクス機器制御に必須の
インターフェイス
Digital
AD変換器(Analogue Digital Converter, ADC)
Digital
11111111
DA変換器
DIO (Digital Input/Output)
分解能 2.5 V
11
10000001
10000000
01111111
10
分解能
0
01
Analog
00000000
-5.0
25.0
測定レンジ
00
00
0.0
Analog
2
5
2.5
5
5.0
0
7
7.5
5
10.0
10 0
[V]
測定レンジ0~10[V]の2bitA/D変換器
3ビットAD変換器
Digital
Digital
111
110
101
100
111
110
101
100
011
010
011
010
001
000
0.0
Analog
2.5
5.0
7.5
10.0
[V]
001
000
-5.0
Analog
-2.5
0.0
2.5
5.0
3bitAD変換器
3bitAD変換器
(測定レンジ: 0~10V)
(測定レンジ: ー5~+5V)
[V]
3ビットAD変換器の非線形入出力関係
出力
Digital
111
110
101
100
011
010
001
000
0.0
Analog
2.5
5.0
7.5
10.0
3bitAD変換器
(測定レンジ: 0~10V)
[V]
入力
12ビット
ットAD変換器
変換器
分解能
ΔV = 10 / 24 = 0.625 [V]
Digital
Digital
1111
1110
111
1101
1100
110
1011
1010
101
1001
1000
100
0111
0110
011
0101
0100
010
0011
0010
001
0001
0000
000
Digital
Digital
分解能
ΔV = 10 / 2 12 0.00244 [V]
11111
111111111111
11110
11101
111111111110
11100
:
:
:
11011
11010
11001
11000
10111
10110
10101
10100
10011
10010
10001
10000
01111
01110
01101
01100
01011
01010
01001
01000
00111
00110
00101
00100
00011
00010
00001
00000
100000000000
:
:
:
0.0
0.0
2.5
2.5
5.0
5.0
Analog
gg
Analog
000000000001
000000000000
[V]
7.5
7.5 10.0
10.0 [V]
0.0
0.0
2.5
2.5
5.0
5.0
7.5
[V]
7.5 10.0
10.0[V]
4bit
3bitAD変換器
AD変換器
12 bitAD変換器
(測定レンジ:
(測定レンジ:0~10V)
0~10V)
(測定レンジ: 0~10V)
生体のセンサとロボットのセンサ
[1] ヒトは何を検出して運動を実現しているか
センサ = 感覚器官
各種物理・化学量を扱いやすい(電気)信号に変換する素子・装置
• 内界センサ:正確で円滑な動作のためにロボット自身の状態を計測
筋骨格系 ⇒ 筋紡錘: 収縮・伸長(長さ・伸縮速度)を感知する感覚器
長(長
)
腱器官: 腱中にあり筋肉の発生した張力を感知する感覚器
多関節リンク機構(位置/姿勢制御) ⇒
角度セ サ
角度センサ(エンコーダ,ポテンショメータ,レゾルバ)
ダ ポ
シ メ タ
ゾ バ
角速度センサ(タコジェネレータ),加速度/力センサ(歪ゲージ)
姿勢/方位角センサ(ジャイロスコープ)
姿勢/方位角センサ(ジャイロスコ
プ) など
• 外界センサ:周囲の状況を判断して行動するのに必要な情報を計測
視覚センサ(CCDカメラ),触覚/力覚センサ
近接覚センサ(超音波センサ),聴覚センサ(マイクロフォン)
臭覚・味覚センサ など
センサのタイプ
センサ 「対象の状態に関する測定量を 信号に変換する系の最初の要素」
センサ:「対象の状態に関する測定量を,信号に変換する系の最初の要素」
(a) 出力信号の(電気)エネルギーをどこから得るか
エネルギー変換型:光センサなど測定対象の物理量から直接取り出して変換
エネルギー制御型:電源からのエネルギーを測定対象の物理量で制御
(b) どの物理法則によるか
構造型センサ:アンテナ,マイクロフォンなど場の法則を利用
物性型センサ
物性型
ンサ:CCD(Charge-Coupled
(
g
p Device)など
)など物質法則を利用
(c) 物理現象から直接電気信号を取り出せるか
間接変換型センサ:ひずみゲージは力→長さ→電気(抵抗)と間接的に変換
直接変換型センサ:フォトダイオード(光起電力)や熱電対温度計(熱起電力)
(d) 出力信号はどんな形で得られるか
アナ グ出力センサ:ポテンショメータ,レゾルバは
アナログ出力センサ
ポ
ゾ バ 連続的電気量を出力
ディジタル出力センサ:量子化(ディジタル化)して不連続な数値として出力
(e) 絶対値式と相対値式
絶対値式測定法と相対値式測定法
センサの性能を決める6要素
(a) 検出域 物理量の広がりに対応できる範囲
体温計: 34~42℃, 熱電対: -200~1000℃
不感帯
(b) 分解能 物理量の変化を識別できる最小値
時計: 1秒, 12bitロータリーエンコーダ:
360/212≒0.088°
16bitA/D変換器(測定レンジ±5V): 10/216≒0.00015V
(c) 線形性 物理量と出力信号の関係の直線性.
⇔ 非線形性 ex. ヒステリシス(増・減時の差), 飽和
不感帯,飽和
(普通の非線形性)
⇒ 補正(校正)
“非線形性が分解能の範囲内なら補正不要”
(d) 安定性 経年変化,素子交換,温度・電源等の環境変動に対して
(e) 動特性 物理量の変化に対する出力の応答性
(f) 耐久性 保存/動作温度の範囲,衝撃力,反復使用に対して
ヒステリシス
ロボットに必要な基本的センサ
[1] 回転角度センサ
ロータリエンコーダ(Rotary Encoder)
• 絶対値型(Absolute型): 角度の現在値を2進数で出力
• 相対値型(Incremental型): 一定時間内の回転角度をパルス数で出力
角度速度を積分 ⇒ 積分定数の決定⇒原点出し(calibration)が必要
積分定数 決定
点
が必
(a) 光学式アブソルート型ロータリエンコーダ
(b) 光学式インクリメンタル型ロータリエンコーダ
光学式インクリメンタル型ロ タリエンコ ダ
(c) レーザ干渉式エンコーダ
レゾルバ ロータの回転角により変化する出力正弦波の位相から角度を検出
ポテンショメータ
リング状抵抗体と回転ブラシからなる可変抵抗器
巻線型 コンダクティブプラスティック型
巻線型,コンダクティブプラスティック型
[2] 角速度センサ
((a)) ロータリエンコーダ: 角度を数値
(Incremental
I
t l型は元々角速度出力)
(b) 速度発電機(タコジェネレータ):出力電圧が回転速度に比例
光学式アブソルート型ロータリエンコーダ
360
n列のスリット→分解能 n [度]
2
6列のスリ ト 分解能 360/64=
6列のスリット→分解能
360/64 5.625°
5 625°
0°
330°
300°
30°
000000
0
000001
5 625
5.625
:
11.25
001010 56.25
56 25
001011 61.875
001100 67.5
67 5
:
348.75
75
111101 348
111110 354.375
111111 360
60°
光学式インクリメンタル型ロータリエンコーダ
光がスリットを通過して光センサに届く⇒パルスが発生
⇒角度の増加 ⇒増分(Incremental)型
回転角は通過回数に
比例(1方向の時)
↓
¼周期ずれたA相とB相を検出
回転方向: CW ⇒ A→B
CCW ⇒ B
B→A
A
レゾルバ
回転型誘導機
ロータの回転角により変化する
出力正弦波の位相から角度を
検出
ポテンショメータ
リング状抵抗体と回転ブラシからなる可変抵抗器
摺動接点
出力電圧
なめらかな線形
タコジェネレータ
小階段付線形
回転速度に比例した発電電圧から速度を決定
整流子付直流出力
タコジェネレータ
ジ
交流出力タコジェネレータ
ほぼ直流
交流
演習
1軸位置決め制御におけるセンサ(1)
1回転あたり 3000 パルスのインクリメンタル型ロータリーエンコーダでモータ出力
軸の回転角を検出し,減速比r=200 の減速器を介してロボット関節を回転さ
せているときについて
(1) 関節角の角度分解能⊿θはいくらか?
⊿θ=360[deg/rev] /3000[pulse/rev]/200=0.0006[deg/pulse]
(2) θ0=18[deg],θ
18[d ] θT=48[deg]のときカウントすべき目標パルス数
48[d ]のときカウントすべき目標パルス数 np はいくつか?
np= (48-18)[deg]/ 0.0006[deg/pulse] =50000[pulse]
( ) 100パルスの誤差を許容して角度制御を行うと,許容角度誤差はいくらか?
(3)
パルスの誤差を許容して角度制御を行うと 許容角度誤差はいくらか
eθ= 0.0006 [deg/pulse] × 100 [pulse] = 0.06 [deg]
= 0.06[deg]×(π / 180 ) [rad/deg] = 1.047×10-3[rad]
(4) リンク長 L=250[mm] のリンクを接続するとリンク先端の許容位置誤差はいくら
となるか?
ex= L eθ=250[mm]× 1.047×10-3 [rad]=0.26[mm]
演習
1軸位置決め制御におけるセンサ(2)
回転角θ=15[deg]で抵抗値 R=1[kΩ],θ=345[deg]で R=3[kΩ]のポテンショメータに
5[mA]の電流を流して回転角を検出し, 12bitのA/D変換器でディジタル化し
て ンピ
てコンピュータに入力するときについて
タに入力するときに いて
(1) A/D変換器を測定レンジ 0[V]~10[V]で用いると電圧分解能⊿Vはいくらか?
⊿V=10[V] / (212)=10/8192≒1.22×10-33[V]
(2) このとき角度分解能⊿θはいくらか?(まず1Vが何度に相当するかを表す比
例定数 K を求める)
K=(345-15)[deg] / (3[kΩ]×5[mA]-1[kΩ]×5[mA]) = 33 [deg/V]
-33 [V] = 0.04026 [deg]
⊿θ=K⊿V=33[deg/V]×1.22×10
⊿
⊿
(3) A/D変換器からの入力が 101100110111 だったとき回転角はいくらか? (まず
A/D変換器の入力電圧 V を考える)
(101100110111)2 =2048+512+256+32+16+4+2+1=(2871)10 より
V 2871⊿V 10×(2871/8192)≒3.505[V]
V=2871⊿V=
10×(2871/8192)≒3 505[V] なので
θ=KV = 33 [deg/V] ×10×(2871/8192) [V] =115.65 [deg]
力センサ
ひずみゲージ による力検出
歪ゲージ
歪ゲ
ジ
Strain Gauge
薄肉部にひずみゲ ジを貼り付ける
薄肉部にひずみゲージを貼り付ける
力 → ゲージ変形 → 抵抗値変化
σ:
軸力の検出
応力
断面積
S:
Δ
L
F = σ S = ε ES = L ES ε = ΔL :
L ひずみ
E : 縦弾性係数
曲げ力の検出
2
σ
Z
ε
EZ
bh
M
F = L = L = L = 6 εLE
2
bh
Z= 6 :
断面係数
ねじり力の検出
6軸力センサ(6軸力覚センサ)
アーム部の手首に取り付ける
ロボットの機能を高めるセンサ
近接センサ
教科書4 3節
うず電流式 静電容量式 光学式 → 教科書4.3節
うず電流式,静電容量式,光学式
姿勢センサ
ジャイロスコープ Jd2θ/dt2+Bdθ/dt+Kθ=Hω H
H: コマの角運動量,B: 粘性摩擦係数,K: バネ定数
レ トジ イロ(バネ付き): θ=(H/K)ω
レートジャイロ
θ (H/K)
レート積分ジャイロ(バネなし): dθ/dt=(H/B)ω
視覚センサ
CCDセンサ → ステレオビジョン
聴覚センサ マイクロフォン
自己位置同定
→ PSD(Position Sensing Device), GPS
K
ω
θ