医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。 2015年 3月 医療関係者 各位 「効能・効果」の一部変更に伴う 「使用上の注意」改訂のご案内 謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 このたび、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ配合錠T15、同T20(一般名:トリフルリジン・チピラシル 塩酸塩)」について「効能・効果」の一部変更が承認されました。 これに伴い、 「使用上の注意」等を改訂いたしましたので、ご案内申し上げます。 改訂の内容は下記のとおりでございますので、該当製品のご使用に際しましては下記の改訂内容 をご参照下さいますようお願い申し上げます。 謹白 記 1. 該当製品 ロンサーフ配合錠T15、同T20 2. 改訂の概要( [効能・効果]の一部変更承認に基づく改訂) 項目 内容 (標準的な治療が困難な場合に限る) を削除し、 【効能・効果】 「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」に変更しました。 【使用上の注意】 1.[副作用] の項に国際共同第Ⅲ相試験結果を (効能・効果の一変承認時) と して追記しました。 2. 国内臨床試験、国際共同第Ⅲ相試験に基づき、 [ 重大な副作用]、 [その他 の副作用]の副作用発現頻度を変更しました。 副作用 3.[重大な副作用]2)感染症 の項に「死亡に至る症例が報告されている」 、 「本剤投与後は患者の状態を十分に観察」 を追記しました。 4.[ そ の 他 の 副 作 用 ]の項に「腸炎」、「胃炎」、「無力症」、「味覚異常」、 「血中カリウム減少」 、 「低血圧」 、 「結膜炎」 を追記しました。また、 「皮疹」 を 「皮疹/落屑」に記載変更しました。 《本改訂内容は医薬品安全対策情報(Drug Safety Update) (No.238 2015年 4月発送予定) に掲載される予定です。》 医薬品添付文書改訂情報等につきましては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構ホームページ (http://www.pmda.go.jp/) に掲載されています。併せてご利用ください。 1 3. 主な改訂箇所の対比表 ( :改訂箇所、 改訂後 改訂前 【 効 能 ・ 効 果 】 【 効 能 ・ 効 果 】 :削除) 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌 (標準的な治 療が困難な場合に限る) 〈効能・効果に関連する使用上の注意〉 〈効能・効果に関連する使用上の注意〉 1. 検証的な試験成績は得られていない。 2. 略 3. 略 4. 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴につい て、 「臨床成績」 の項の内容を熟知し、本剤の有効性 及び安全性を十分理解した上で、本剤以外の治療の 実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行 うこと。 1. 略 2. 略 3. 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴につい て、 「臨床成績」 の項の内容を熟知し、本剤の有効性 及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を 行うこと。 【 使 用 上 の 注 意 】 【 使 用 上 の 注 意 】 4. 副作用 4. 副作用 略 略 国際共同第Ⅲ相試験 (日本人178例を含む) における副 作用発現率は85.7%(457/533例)であった。主な副作 用は、好中球減少53.8% (287例) 、悪心39.6% (211例) 、 ヘモグロビン減少32.1%(171例)、白血球減少31.0% x 新規掲載 (165例) 、疲労28.1% (150例) 、食欲減退26.5% (141例) 、 下痢23.6% (126例)、嘔吐20.1% (107例)、血小板減少 19.9% (106例) であった (効能・効果の一変承認時) 。 2 ( 改訂後 :改訂箇所、 :削除) 改訂前 (1)重大な副作用注) 1)骨 髄 抑 制 :好中球減少(57.4%)、白血球減少 (39.3%) 、貧血 (37.9%) 、血小板減少 (23.8%) 、リ ンパ球減少(9.5%)、発熱性好中球減少症(3.8%) 等の骨髄抑制があらわれることがあるので、頻回 に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察 し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の 適切な処置を行うこと。 2)感染症(7.7%) :肺炎 (1.2%) 、敗血症 (0.3%) 等の 感染症があらわれ、死亡に至る症例が報告されて いる。本剤投与後は患者の状態を十分に観察し、 異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切 な処置を行うこと。 3) 略 (1)重大な副作用 1)骨 髄 抑 制 :白血球減少(76.5%)、好中球減少 (73.1%) 、リンパ球減少 (33.6%) 、貧血 (63.9%) 、 血小板減少(41.2%) 、発熱性好中球減少症 (4.2%) 等の骨髄抑制があらわれることがあるので、頻回 に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察 し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の 適切な処置を行うこと。 2)感染症(15.1%) :敗血症 (0.8%) 、肺炎 (2.5%) 等の 感染症があらわれることがあるので、観察を十分 に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬 等の適切な処置を行うこと。 3) 略 注)頻度は国内臨床試験、国際共同第Ⅲ相試験に基づき記載 した。 (2)その他の副作用注) 次の副作用があらわれることがあるので、異常が 認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を 行うこと。 分類 頻度 10%以上 5∼10%未満 5%未満 (2)その他の副作用 次の副作用があらわれることがあるので、異常が 認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を 行うこと。 分類 頻度 10%以上 5∼10%未満 5%未満 下痢、悪心、 口内炎、腹痛、 イレウス、腸炎、胃 消 化 器 嘔吐、食欲 便秘 炎 減退 下 痢 、 悪 心 、 腹痛 消 化 器 嘔吐、食欲減 退、口内炎 便秘、イレウス 全身症状 疲労 発熱、無力症 全身症状 疲労 浮腫、脱水 肝 臓 胆 道 系 血中ビリルビ 血中アルブミン減 ン増加 少 腎 臓 尿中蛋白陽性 心房細動、心房粗 動、心筋虚血 循 環 器 精神神経 味覚異常 筋骨格系 皮 膚 皮下組織 そ の 他 浮腫、脱水 頭痛、めまい、末 梢性感覚障害 発熱 血中アルブミン 肝 臓 減少、血中ビリ 胆 道 系 ルビン増加 腎 臓 尿中蛋白陽性 インフルエン ザ様疾患 感 染 症 心房細動、心房 粗動、心筋虚血 循 環 器 筋肉痛 脱毛症 皮疹/落屑、手足 症候群、C痒症 精神神経 体重減少、血中ナ トリウム減少、血中 カリウム減少、イン フルエンザ様症状、 鼻出血、尿糖陽性、 低血圧、結膜炎 筋骨格系 頭痛 筋肉痛 皮 膚 皮下組織 そ の 他 皮疹 体重減少 脱毛症、手足症 候群、C痒症 血中ナトリウ 鼻出血、尿糖陽 ム減少 性 注) 頻度は国内臨床試験、国際共同第Ⅲ相試験に基づき記載した。 ※その他の副作用:表中の太字の事象は追加。その他の下線 の事象については発現頻度を変更。 インフルエンザ様症状については「感染症」の項から 「その他」の項に移動し、 「感染症」の項を削除。 3 めまい、末梢性 感覚障害 ( 改訂後 【 臨 床 :改訂箇所、 :削除) 改訂前 成 績 】 【 国際共同試験成績3) フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、イリノテカン、オキサ リプラチン及び抗VEGFモノクローナル抗体、並びにKRAS 遺伝子が野生型の場合は少なくとも1種類以上の抗EGFRモ ノクローナル抗体を含む2レジメン以上の前治療歴を有し ていた進行又は再発結腸・直腸癌 (本剤534例、プラセボ 266例) を対象とした第Ⅲ相比較試験の結果、本剤はプラセ ボに比較して、全生存期間を有意に延長した。 臨 床 成 績 】 進行又は再発結腸・直腸癌を対象とした臨床第Ⅱ相試 験 3) 全生存期間の結果 治療群 全生存期間 症例数 ハザード比注2) 中央値(月) P値(片側)注1) (日本人) (95%信頼区間) (95%信頼区間) 本剤 534 (178) 7.1 (6.5, 7.8) プラセボ 266 (88) 5.3 (4.6, 6.0) 0.68 (0.58, 0.81) <0.0001 注1)KRAS遺伝子型 (野生型、変異型) 、初回転移診断からの期間 (18ヶ月未満、 18ヶ月以上) 、地域 (日本、欧米) を層とした層別log-rank検定に基づき算 出した。 注2)KRAS遺伝子型 (野生型、変異型) 、初回転移診断からの期間 (18ヶ月未満、 18ヶ月以上) 、地域 (日本、欧米) を層としたCox比例ハザードモデルに基 づき算出した。 1.0 x 【臨床成績】の項は、国内臨床試験 (進行又は再発結 腸・直腸癌を対象とした臨床第Ⅱ相試験) から、国際 共同第Ⅲ相試験の記載に変更。 本剤 プラセボ 全 生 0.5 存 率 0 0 3 6 9 12 15 18 21 全生存期間(月) 月 0 本剤(例)534 3 459 6 294 9 137 12 64 15 23 18 7 プラセボ(例)266 198 107 47 24 9 3 全生存期間のKaplan-Meier 曲線 【 承 認 条 件 】 【 承 認 条 件 】 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対する本剤 の有効性及び安全性の検証を目的として実施中の第Ⅲ相 試験について、その評価を行うために当該試験終了後速 やかにその結果を提出すること。 【主要文献及び文献請求先】 【主要文献及び文献請求先】 1.主要文献 1)∼2)略 3)標準化学療法無効な結腸・直腸癌患者を対象とした ベストサポーティブケア下のTAS-102とプラセボの二 重盲検無作為化第Ⅲ相比較試験,社内資料,研究報 告書No.480 (2014) 4)略 5)Tanaka, N. et al.:Oncol. Rep.,32, 2319 (2014) 6)∼8)略 4 1.主要文献 1)∼2)略 3)Yoshino, T. et al.:Lancet Oncol.,1 3, 993 (2012) 4)略 5)ヒト大腸癌由来株KM20Cのヌードマウス腹腔内移 植モデルにおけるTAS-102の延命効果 「11TA05試験」 , 社内資料,研究報告書No.424 (2012) 6)∼8)略 4. 主な改訂内容に関する改訂理由 【効能・効果】について (標準的な治療が困難な場合に限る) を削除し、 「治癒切除不能な 進行・再発の結腸・直腸癌」に変更しました。 国際共同第Ⅲ相試験(TPU-TAS-102-301試験、RECOURSE)の結果、本剤投与により、臨床的有 効性を推察させる全生存期間の延長効果が認められたことから、2レジメン以上の標準化学療法 (フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、イリノテカン、オキサリプラチン、ベバシズマブ、KRAS遺伝 子野生型の場合はセツキシマブ又はパニツムマブ)に不応又は不耐となった治癒切除不能な 進行・再発の結腸・直腸癌患者に対する本剤の有効性は期待できると判断されるため、 「治癒 切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」としました。 これに伴い、<効能・効果に関連する使用上の注意>も変更しました。 国内臨床試験、国際共同第C相試験に基づき、副作用に関する記載内容を変更しました。 (1) [副作用]の項に国際共同第Ⅲ相試験結果を (効能・効果の一変承認時) として追記しました。 (2)国内臨床試験、国際共同第Ⅲ相試験に基づき、 [重大な副作用] 、 [その他の副作用] の副作用 発現頻度を変更しました。 (3) 【使用上の注意】 [重大な副作用]2)感染症 国際共同第Ⅲ相試験において、骨髄抑制及び感染症を発現し、死亡に至る症例が報告された ことから、 「感染症」の項に「死亡に至る症例が報告されている」 、 「本剤投与後は患者の状態を 十分に観察」を追記し、注意喚起を図ることとしました。 骨髄抑制により重篤な感染症が発現する可能性があることから、本剤投与前に適応患者の 選択を慎重に行い、本剤投与後には、頻回に血液検査を実施するとともに、患者の状態を 十分に観察してください。 なお、異常が認められた場合には、減量や休薬等の適切な処置を行ってください。 「ロンサーフ適正使用ガイド」 、 「ロンサーフ 「市販直後調査」の最終結果報告」 も併せてご参照ください。 (4) [ その他の副作用]の項に「腸炎」、 「胃炎」、 「無力症」、 「味覚異常」、 「血中カリウム減少」、 「低血圧」 、 「結膜炎」 を追記しました。また、 「皮疹」 を「皮疹/落屑」に記載変更しました。 【お願い】 弊社医薬品で副作用等を経験されました場合には弊社医薬情報担当者(MR) までご連絡の上、 調査のご協力をお願い申し上げます。 5 6
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