第4回 「蛙のゴム靴」

宮沢賢治の世界 イーハトウ゛を旅する
第4回 「蛙のゴム靴」
これでもか、
これでもかと、照りつける太陽
ひび割れた畑
実を結べない作物
それでも、空がぐんと高くなり
草むらで虫が鳴き出した
2015年8月12日(水)
尚絅学院大学
市民大学講座
朗読者 ほしゆきえ
あらすじ
深い堰(せき)が流れる林の中に、カン蛙とブン蛙、ベン蛙が住んでいました。三疋は。
同じ年格好でした。
蛙たちは、夏の雲を見る雲見が大好きで、いつも一緒に空を眺めておしゃべりをしてい
ました。その時、人間界で流行っているゴム靴が話題になり、誰もが欲しがりました。
カン蛙は、野鼠に頼んでゴム靴を手に入れ大喜びでした。それを見たブンとベンは、羨
みましたが仕方ありません。そこへ、美しい娘のルラ蛙がやって来て、ゴム靴を履いたカ
ン蛙をお婿さんに選びました。嫉妬したブンとベンは、結婚式当日にカンを連れ出して、
萱の刈跡を歩かせて、ゴム靴をぼろぼろにしてしまいました。それでも飽き足らず、杭の
〈
穴に落とそうとしますが、自分たちも一緒に落ちてしまいました。
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「蛙のゴム靴」!!大正10年ごろ初稿 生前未発表
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〈解説〉 雲見をする三疋には、ほのぼのとしたのんきさがあるが、ひとたびカン蛙がゴム靴を手
に入れると、様子が変わってしまう。カン蛙は、ゴム靴に夢中で他が見えなくなる。更
に、美しい娘にお婿さんに選ばれるという棚ボタに恵まれる。面白くないのは、ベンとブ
ンだが、カンは、二人から妬まれているとは気付かない。
カンがゴム靴を手に出来た理由はあるのだが、ベンもブンもゴム靴を手にしたカンがい
いこと尽くしなのだけが気にいらないのだ。二人は結束してカンに意地悪を仕掛ける。
嫉妬というモノは、凄まじいエネルギーを生む。自分にないモノを持つ相手には、容赦
ないのだ。初期形では、結末が全く異なるのだが、改稿により、改心に至るのが少し残念
な気がする。
靴 当時、実際ゴム長靴が流行っていたのだが、高価だったので、誰もが手に出来る靴
ではなかった。
靴を鞋と表記する事もある。(糸鞋ー神事装束用の絹を編んだ履物)
蛙三部作
「蛙のゴム靴」三角クッキー
薄力粉200g バター100g 砂糖80g たまご小1個 ベーキングパウダー小1 抹茶大1
1、ボールにバターを入れ常温で柔らかくする。
2、砂糖を加えゴムベラでよくすり合わせ、たまごを加えて更に良く混ぜる。
3、薄力粉とパーキングパウダー、抹茶を合わせて振るっていれる。
4、ざっくりと混ぜ合わせ一塊になったら、三角錐を作ってラップに包み冷蔵庫で固める。
5、薄く切って鉄板に並べ、170℃に温めたオーブンで、約15分焼いて出来上がり。
賢治は、動物を擬人化させた「動物寓話」と呼んでいる作品
を多く書いている。「蛙のゴム靴」は、蛙三部作といわれてい
る作品の一つである。雨蛙が殿様蛙の開く店でウィスキーの虜
になりこき使われる「カイロ団長」、畑に並ぶトウモロコシを
兵隊が連れて来た幽霊だと恐がるが、それを収穫している人の
方がもっと怖いと話す「畑のへり」があります。
どれも、大正10年頃に書かれ、幾度も手直しがされているの
で、童話集に収めるために書いていたのでしょう。