ニュージーランド: 0.25%の利下げを実施 - HSBC Global Asset

臨時レポート
ニュージーランド: 0.25%の利下げを実施
中央銀行はさらなる利下げの可能性を示唆
HSBC投信株式会社
2015年7月23日
 ニュージーランド準備銀行は本日23日(木)、市場の予想通り、政策金利を0.25%引き下げ3.00%に
 景気減速懸念と低水準のインフレ率が利下げの背景
 中央銀行は追加利下げの可能性を示唆
景気減速、低水準のインフレ率を
背景に政策金利引き下げ
 ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は23日
(木)、市場の大方の予想通り、政策金利をこれ
までの3.25%から0.25%引き下げ、3.00%としまし
た。利下げは本年6月11日に次ぎ2回目となりま
す(図表1参照)。
図表1 ニュージーランドの政策金利の推移
(2008年1月2日~2015年7月23日)
(%)
(2015年3月2日~7月23日)
(NZドル/円)
(NZドル/米ドル)
95
0.80
0.78
90
0.76
0.74
85
0.72
80
0.70
0.68
対円(左軸)
75
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
0.66
対米ドル(右軸)
70
15/03
0.64
15/04
15/05
15/06
15/07
(年/月)
※2015年7月23日は日本時間午前9時30分現在
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
3.00%
08
09
10
11
12
13
14
15 (年)
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
 利下げの背景には景気の鈍化と低インフレが挙
げられます。主力輸出品目である乳製品の価格
低迷に加え、最近の経済指標では、企業景況感
や消費者信頼感が後退していることなどから、景
気減速懸念が強まっています。一方、原油安など
を受けてインフレ率は低水準にあり、2015年4-6
月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比
+0.4%と1-3月期の+0.1%から小幅上昇したも
のの、中央銀行の目標レンジ(1~3%)中央値の
2%を大きく下回っています。
中央銀行は追加利下げを示唆
 為替市場では、利下げがほぼ織り込まれていた
こと(一部では0.5%の利下げを予想)もあり、
ニュージーランドドル(NZドル)は、利下げ発表後
に対米ドルで上昇し、23日(木)の日本時間9時半
現在では前日比+0.87%で推移しています(図表
2参照)。
1
図表2 ニュージーランドドルの推移
当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
 一方、債券市場も上昇しており、指標とされる
ニュージーランド10年国債利回りは、前日比
0.02%低下し3.41%で推移しています(同じく日本
時間9時半現在)。
 中央銀行のウィーラー総裁は、「今回の利下げは
景気見通しの悪化と低インフレにより正当化され
る」とし、また「さらに金融を緩和することになる可
能性が高い」と追加利下げを示唆しています。
 インフレ率が低水準にとどまっていることに加え
て、追加利下げが期待できることは、NZ債券市
場に追い風となることが見込まれます。
 但し、NZ債券市場は米国の債券利回りと連動性
が比較的高く、今後、米国の利上げ時期やペー
スを巡り、利回りに上昇圧力が加わる可能性が
あります。
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