2015年度 中京大学 総合政策学部 特 Ⅰ ・特Ⅲ推薦 小論文問題 設問一

2015年度 中京大学 総合政策学部 特
設問一
・特Ⅲ推薦 小論文問題
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極的に登用していく必要がある。そして女性だけでなく、
くりが焦点になっているが、その計画策定には女性を積
東日本大震災後、被災者の生活と再建、復興まちづ
かさを実現することができる。
多様な人々の視点でまちを再編し、生活空間の多様な豊
ェンダー視点のまちづくりは、女性のためだけでなく、
持った人への配慮と重なることが多い。このように、ジ
の視点に配慮することは、そういうハンディキャップを
れは高齢者や障害者の人たちと同じであり、ジェンダー
ではベビーカーを押す母親にとっては歩きにくいが、そ
らす歪みを克服するまちづくりである。段差だらけの街
「男は仕事、女は家庭」といった旧来の性別役割がもた
筆者の言う「ジェンダー視点でのまちづくり」とは、
設問二
な生活空間が実現でき、災害時にも効果を発揮するから。
性や子ども、高齢者や障害者にとっても住みやすい豊か
ンダー視点でまちづくりを行えば、被災者だけでなく女
普段どうしても意見を出しにくい女性を中心にジェ
Ⅰ
社会で弱者として扱われる人を、弱者としてではなく、
共に豊かな街を作る仲間として協同していく「共生」の
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社会を実現するという視点を持つ必要があるだろう。
●論述のポイント
傍 線 部 の 「こ う し た 目 的 」 が 指 示 す る の は 、 被 災 者 が 生き が い や 喜 び を 見 い だ せ る 空 間 を 作 り 出 す こ と で あ る 。 そ の た
「 ジ ェ ン ダ ー 視 点 の ま ち づ く り 」 が ど の よ う な も の で あ る の か は 設 問 一 の 回 答 内 容 と 重 な る と こ ろ も あ る が 、こ こ で は
に感情的に賛否だけを述べることは避け、論理的に意見を展開したい。
者 の 意 見 を よ り深 化 あ る い は 発 展 さ せ る か 、 ま た は 理 論 を も って 反 論 す る 。 賛 成 論 を 書 く 場 合 で も 反 対 論 の 場 合 で も 、 単
な る べ く 具 体 的 に ポ イ ン ト と な る と こ ろ を 説 明 し 、 そ の 後で 自 分 の 意 見 を 述 べ る 。 自 分 の 意 見 を 述 べ る に 当 た っ て は 、 筆
設問二
字に端的にまとめる。
会 の 実 現 を 展 望で き る よ う に な る か ら で あ る 。 ま た そ の まち づ く り は 、 災 害 時 に も 効 果 を 発 揮 す る 。 こ れ ら の 点 を 一 〇 〇
る 風 景 が 精 神 的 に 傷 を 負 っ た 被 災 者 だ け で な く 、 弱 者で あ る 子 ど も 、 高 齢 者 、 障 害 者 に 重 な り 、 多 様 性 を も っ た 豊 か な 社
めになぜジェンダーの視点が必要なのか。それは男性中心の社会で 差別を 受けて いる女性の 視線に 立つと 、 そこ から 見え
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