2015年度 中京大学 経営学部 特 筆者の主張の要約 ・特 推薦 小論文 Ⅲ ( 字) 249 年齢ではなく、会社に対する貢献度によって給料が決ま ってきた。年功序列に代わるのは欧米の成果主義である。 しかし近年、この年功序列賃金が見直されるようにな 雇用は定年まで保証されている。 である。学校を卒業して就職すれば、給料は年功序列で 社会の特徴である伝統的な「家」制度が生み出したもの 日本経済の発展を支えてきた終身雇用制度とは、日本 筆者の主張に対するあなたの考え 付けられていた。社員にとって会社は永遠であった。 にはわが身を犠牲にしても会社を守るという発想が植え い場所でもあった。会社は擬似的な「家」となり、社員 らにとって会社は人生そのものと重なり合う居心地の良 ことに誇りを感じており、会社に忠誠を誓っていた。彼 ック・アニマルと揶揄されたが、本人は仕事人間である ても会社に居残って働く日本人ビジネスマンはエコノミ く、会社への忠誠心が重要視されてきた。退社時間が来 るのに対し、日本企業は終身雇用のため、能力だけでな 欧米の会社が人を採用する際は仕事の能力を重視す Ⅰ る。大手の会社などで広がっているが、これに関しては 賛成、反対、双方の意見があるだろう。成果主義のメリ ットとは、働くモチベーションが高まる、若者でも成果 を出せば給与が上がるので意欲がわく、などである。反 対にそのデメリットとは、定年までの人生設計が立てに くくなること、また中高年になると、よほど優秀でない 限り給与は減少し、さらにリストラにあったりすること もある。個人主義なので、新人を育てるなどの人材育成 が難しくなり、良い人材が育たない、などがある。 国際的な企業競争が激化している現在、かつての年功 序列・終身雇用に安住すべきではないという意見はもっ ともである。しかし終身雇用に基づく日本のタテ社会の 安定した秩序が戦後の経済成長を支えてきたのも事実で ある。成果主義を取り入れるにしても、会社を家と考え ( 字) る日本の集団主義の、信頼感に基づいた人間関係の良さ は残していく必要があるだろう。 ●論述のポイント 筆者の主張の要約 ながらも、会社に忠誠を誓い会社を家のように居心地の良い場所と感じて生きる日本のサラリーマンについて、結論部では会 序論では欧米の会社の能力主義と、日本の会社の終身雇用との違いが述べられ、本論ではエコノミックアニマルと揶揄され 566 社のために命がけで働く彼らにとって、会社は永遠な者であったことが述べられている。これらの内容を中心に、課題文の言 葉を使って指定字数に収めるように書く。 筆者の主張に対するあなたの考え 欧米の会社の能力主義と、日本の会社の、終身雇用による家族のような共同体とを比較して論じた文章である。自分の考え を書くにあたっては、そのどちらの立場に立つのかを明確にし、論を展開していく。現代の日本の会社では、欧米の能力主義 を取りいれている会社も多く、欧米と日本の比較をすることは、日本の会社のこれからのあり方を論じることにもなる。両方 の長所、短所を具体的に挙げて論じたい。
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