問4(解説はこれで最後です。問5以降は講評を参考にしてください。) 二重結合をもつ炭化水素であり、 カルボニルを持たないことから、 ヴィティッヒ(Wittig)反応を想 定して切断(逆合成)を行う 逆合成 O + ヴィティッヒ試薬を二 分子求核置換(SN2)反 応で合成することを考 えて、二重結合の2つ の炭素のうち置換基の 少ない方をヴィティッ ヒ試薬にする Ph3P P + ヴィティッヒ試薬 (リンイリドの一種) 両性イオンとは一つの分子中 に正電荷と負電荷を両方持つ イオン PPh3 塩基でプロトン(H+)を引き抜く ことを考えて一段階戻る Br PPh3 ベンジル位 (反応中間体 の芳香環から 受ける共鳴安 定化により反 応性が高い) ベンジル位の求核置 換反応を想定して適 当な脱離基を決める (Cl, Br, Iなど) PPh3 PPh3 H Ph Ph Ph + Ph3P O P Ph Ph P Ph O O 合成(ここから) O Br + PPh3 PPh3 n-BuLi PPh3 H H 求核置換反応 塩基 Li 求核付加反応 n- (ノルマル)…直鎖の H H 補足1:上の式で臭化ベンジルはどれか?また臭化ベンジルをトルエンから合成するにはどうすればよ いか?(有機化学2の内容) 補足2:リンイリドが下記の共鳴において両性イオン構造の寄与が(通常の二重結合(例えばC=Oや C=Cなど)に比べて)大きい理由(二重結合型の構造の寄与が比較的小さい理由)は何か?(薬化学2 の内容) (寄与大) PPh3 (寄与小) PPh3
© Copyright 2024 ExpyDoc