Liaison News No.23

富山大学リエゾンニュース
富山大
23
Jan
CONTENTS
□大学発新技術の紹介 (1)
1
□産学交流振興会 会員企業便り (2)
6
□大学発新技術の紹介 (2)
3
□トピックス 7
□産学交流振興会 会員企業便り (1)
5
□今後の主な行事
8
大学発新技術の紹介(1)
オンチップテラヘルツ分光器への挑戦
大学院理工学研究部(工学)教授 前澤 宏一
生年月:1959年12月
略 歴:1984年早稲田大学大学院理工学研究科博士前期課程修了,同年NTT
(当時電信電話公社)入社,1997年名古屋大学大学院工学研究科助教授,
2006年10月より現職,博士(工学) 共同研究可能な分野:超高周波デバイスとその集積回路,電子デバイスによるTHz
エレクトロニクス,微小半導体ブロック自己整合配置技術(異種半導体集
積化技術,実装技術)
賞 等:LSI IPデザイン・アワード開発奨励賞,JJAP/APEX Editorial Contribution
Award,電子情報通信学会レター論文賞
連絡先:076-445-6725 [email protected]
はじめに
光デバイスで生成するにはエネルギーが小さ過ぎると
最近,THz 波への興味が高まっています。THz 波
いう問題点があり,これまで良い信号源がありません
とは,100GHz から 10THz の周波数領域の電磁波
でした。多くの実験は,極短パルスレーザーによる励
を指し,例えば,高い周波数を利用した超大容量通信
起や光ミキシングなど,光学的な手段を用いており,
が期待されています。また,この周波数帯の電磁波に
大掛かりな実験装置が必要でした。これを半導体電子
は,高い透過性,薬品などの化学物質に特有な吸収帯
デバイスで生成できれば,手のひらに乗る THz シス
(これを指紋スペクトルと呼びます)が存在するとい
テムが構築でき,大きなインパクトが期待できます。
う特徴があり,これらを利用して,麻薬や爆発物の検
査を行うセキュリティ応用や,創薬,品質管理などが
共鳴トンネルダイオード (RTD)
有望な応用と考えられています。しかし,THz 波は,
私たちは,この問題に,共鳴トンネルダイオードと呼
電子デバイスで生成するには周波数が高過ぎ,また,
ばれるナノデバイスを使って挑戦しています。共鳴トン
1
ネルダイオードは,ナノメータースケールの微細構造に
6ps という極短パルスが得られていることが分かります。
生じる量子効果を利用した素子で,THz 領域で動作でき
この半値幅は測定器の帯域で制限されており,実際には
る高速性を備えています。その電流 - 電圧特性には特徴的
もっと短いパルスが得られていると考えられます。ここ
な負性抵抗が存在し,ダイオードでありながら,増幅能
には,数 THz に及ぶ周波数成分が含まれています。
力があります。こうした負性抵抗特性は発振器の基盤で
あり,すでに 1.8THz の発振も報告されています。これは,
固体素子による最も高い発振周波数です。
時間領域分光法への応用
この極短パルスを利用する一つの応用として,時間領
域分光法を考えています。時間領域分光法とは周波数を
掃引して吸収スペクトルを得る通常の分光法とは異なり,
パルスを試料に入射し,透過してきたパルスの波形変化
から吸収スペクトルを得るものです。このためには,極
短パルスの生成だけではなく,極短パルスの波形サンプ
リング技術も重要です。私たちは,こちらにも強い非線
形性と高速性をもつ共鳴トンネルダイオードを使うこと
を検討しています。また,高精度な時間測定のための
MEMS ( 微小電子機械システム ) 技術を用いた位相シフ
ターなど,新たな技術の開発も進めています。さらには,
こうした異なる材料からなるデバイスの集積化のため,
図 1 共鳴トンネル集積回路とその出力波形
FSA (Fluidic Self Assembly) と呼ぶ異種材料集積技術
の検討も進めており,これらを用いてオンチップの THz
システムを構築したいと考えています。(図 2)
極短パルス生成器
私たちは,発振器とは異なるアプローチで THz 波の生
まとめ
成,
応用に挑戦しています。それは極短パルスの生成です。
本稿では,私達の研究している,共鳴トンネル素子を
時間的に短いパルスは周波数的には広い成分を含んでい
用いた THz システムについて紹介しました。これにより,
ます。つまり,非常に短いパルスは THz 領域の信号源
オンチップの THz 分光器が実現できれば,様々な分野へ
として利用できるのです。図 1 は私達の作製した共鳴ト
の応用が可能となると考えられます。関連の方々のお声
ンネルダイオード集積回路とその出力波形です。半値幅
をお聞かせいただけると幸いです。
図 2 オンチップ THz システムの概要
2
大学発新技術の紹介(2)
強りん光性銅錯体の合成
理学部 教授 柘植 清志
生年月:1967 年9月
略 歴:1995 年 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(博士(理学)),
同年 分子科学研究所錯体化学実験施設 助手,2000 年 北海道大学
大学院理学研究科 助手,2008 年 大阪大学大学院理学研究科 准教
授,2010 年より現職
共同研究可能な分野:錯体合成化学,無機化学
連 絡 先: 076-445-6608 [email protected]
はじめに
鉄,コバルト,銅などの“遷移金属イオン”はその
カラフルな色で,
演示実験などで多用されると同時に,
ベンガラ,緑青,コバルトブルーなど耐候性の高い顔
料として実際にも利用されている。これらの“金属イ
オン”は実際には単独で存在することはなく,周囲の
化合物(配位子)と結合し“金属錯体”を形成してい
る。
“金属イオンの色”と呼ばれているものは,
“金属
錯体”の色であり,特に鉄,コバルト,銅など d 遷
移金属錯体の色は,組合せる配位子によって大きく変
化し,同じ金属イオンであっても様々な色を持つ物質
図1 筆者のグループで合成した銅錯体
紫外線ランプで照らすと様々な発光色を示す
を合成することが可能である。
も合成できる。一価の銅イオンは塩化物イオン,臭
金属錯体の色は,これまでは吸収による色が着目さ
化物イオン,ヨウ化物イオンなどのハロゲノ配位子
れていたが,近年,発光ダイオード,光センシングな
と親和性が高い。筆者のグループは,トリフェニル
どへの利用の観点から発光・発光色に関する研究も進
ホスフィン (PPh3) がハロゲノ架橋 {Cu2(µ-X)2} (X
展している。化合物は吸収による色を必ず持つが,紫
= I,Br,Cl) 複核骨格に配位した化合物について研究
外線ランプ(ブラックランプ)で照らすとわかるよう
を進めてきた。銅(Ⅰ)化合物は,ホスフィン配位子
に,発光を示す化合物は限られている。金属錯体の発
を持つ場合は酸化に対して安定となり,合成および
光は,金属イオンに大きく依存し,これまで知られて
取り扱いが容易である。筆者らは,空気中で安定な
いる強い発光を示す化合物は,金,イリジウム,ルテ
トリフェニルホスフィン(PPh3)を用いて {Cu2X2}
ニウムなど所謂高価な貴金属の化合物である。筆者の
複 核 骨 格 に PPh3 と 窒 素 配 位 の 配 位 子 が 結 合 し た
グループでは,比較的安価で,馴染み深い金属である
[Cu2X2(PPh3)2(L)n] (n = 1,2) の合成を行ってき
銅や銀を用いて室温で多様な発光色を示す化合物の合
た。(図2)
成を進めている。
(図1)
様々な発光色を示す銅化合物の合成
銅は二価のイオン Cu2+ として,中学・高校の教科
書によく登場するが,組み合わせるイオン・化合物
によっては,一価のイオン Cu+ を含む安定な化合物
図2 [Cu2X2(PPh3)2(L)2] の模式図
L の選択により多様な発光色を示す
3
これらの化合物は,L としてピリジンなどの N- ヘ
金属イオンまたは配位子の混合化による発光色の制御 テロ芳香族配位子を持つ場合に,室温・固体状態で可
金属酸化物や硫化物では,古くから混晶形成による
視部に強い発光性を示す。L としては,ピリジン誘導
物性の調整が行われているが,筆者らのグループで
体のような単座配位子に加え,ビピリジンのような
は,混晶化による金属イオンや配位子の混合化による
架橋配位子も導入することが可能であり(図3),単
発光性制御も行っている。上記の銅錯体のうち 4,4’
座配位子を用いた際には [Cu2X2(PPh3)2(L)2] の組成
- ビピリジン(bpy)の化合物 [Cu2X2(PPh3)2(bpy)]
を持つ分子性化合物に,架橋配位子を用いた際には,
は,量子収率 0.6 の黄色の発光体である。これに対
[Cu2X2(PPh3)2(µ-L)] の組成を持つ配位高分子とな
応した銀化合物 [Ag2I2(PPh3)2(bpy)] も,室温・固
る。
体状態で強発光性を示す青色の発光体である。我々は,
この銀錯体が対応する銅錯体と同形の結晶を生成する
ことを利用して混晶化により混合金属化合物を合成し
た。この混合金属錯体は,銅単一錯体と銀単一錯体の
発光を重ね合わせたような発光を示し,比率によって
は白色に近いような発光を示す。一方で,この化合物
は混合する銅の量に非常に敏感であり,銅の含有量が
0.5% の場合であっても,銀サイトからの発光は事実
上クエンチされ,銅単一錯体とほぼ同様の発光を示す。
図3 用いた配位子の例と発光色
筆者らのグループでは現在このような混晶形成によ
る発光性制御の検討を進めており,混合金属の他に,
これらの化合物は,室温・結晶状態で青から赤まで
架橋配位子を混合した混合配位子型錯体の合成も行っ
様々な発光色を示し,発光量子収率が 0.6 を超す強
ている。(図5)
発光性のものも多い。(図4)発光色と N- ヘテロ芳
香族配位子との関連,ハロゲノ配位子との関連,構造
との関連について検討を行ったところ,発光色は Nヘテロ芳香族配位子の還元電位とほぼ直線的な相関が
あり,適切な還元電位を持つ配位子を選択すること
により,可視領域でこの型の錯体の発光色を制御で
きることがわかった。また,ハロゲノ配位子を,X =
I,Br,Cl の順に変更するとおよそ 1000㎝ -1 ずつ低
図5 混合配位子錯体の発光
(L: アミノピラジン,L’: ピラジン )
エネルギーに発光帯がシフトすることも明らかにし,
ハロゲノ配位子と N- ヘテロ芳香族配位子の選択によ
これらの錯体の発光は,基本的には二つの親化合物
り,可視域での発光色の制御を可能にした。
の発光の重ね合わせとなるが,発光サイト間でのエネ
ルギー移動により,発光色が混合比に極めて鋭敏に応
答する場合がある。このような性質を利用すると,混
合化によって発光色の制御を行うだけでなく,少量の
有用サイトの導入によりそのサイトに基づく望ましい
発光性を発現する可能性があると考えられる。
まとめ
発光性を示す化合物は,発光ダイオードへの利用の
他,インク,センサーなどへの応用も考えられている。
図4 混合金属錯体の発光 (左端が銀単
一錯体右に行くに従い銅の比率が増す)
他の発光性の金属錯体に比べ銅は安価で,発光色の制
御,合成の容易さがその利点であり,安定性などの改
善により,より良い材料を提供できると考えている。
4
富山大学産学交流振興会 会員企業便り
(1)
地域密着で,人と人をつなぐ商社として
丸文通商株式会社 富山支店 支店長
大森 政浩
〒 939-8221 富山市八日町 247-41
TEL 076-429-7195 FAX 076-429-3277
本年創立55周年を迎える当社のスローガン「明日
共同研究ということでは,人工透析分野で透析液の
の健康と新産業創造のパートナー」は入社以来誇りに
廃液処理方法などをテーマとして取り組ませていただ
思っている目標です。
いたことがありました。
科学機器分野と医用分野の2本柱営業に加え,50
装置メーカーでは手が回らなかったり,既知技術で
名を数える技術員による細やかな対応を会社の特徴と
かなわなかったお客様ニーズに営業現場で出会うこと
しております。
があります。
科学機器部門では大学・研究機関・各分野の製造業
大学・官庁の持てるシーズで解決するという発想を
種のお客様に最良の提案とサポートを行ってまいりま
今まで持てていなかったのではないかと,起稿しなが
した。既存の商品を販売するだけでなく設備やメカト
ら考えている次第です。
ロ特注システムを作り上げることも多く,ものづくり
皆様のご援助をいただく機会として,産学官交流を
のお客様と同じ醍醐味を味わえるとともに,難しさを
させていただきたく存じます。今後ともよろしくお願
経験させていただいております。医用分野では高度な
い申し上げます
診断をするMRI・X線CT・内視鏡とともに,医療情
報システムを用いた電子カルテや遠隔地医療の支援を
させていただいており,人工透析や放射線照射による
治療装置を提供しております
また,
技術商社という独自性を保つため,
スキルアッ
プの資格取得報奨制度を積極的に活用する社風となっ
ております。
MRIシステム
LC質量分析システム
電子部品実装装置
5
富山大学産学交流振興会 会員企業便り
(2)
めっき技術のシステム化で高品質なめっき加工と短納期を実現
株式会社ユニゾーン 代表取締役社長 梅田
雄一朗
〒930-0845 富山市綾田町1丁目9番38号
Tel 076-441-4421 Fax 076-431-8021
【当社の概要】
昭和30年創業以来,めっき加工をなりわいとして
おります。かってのめっき業の
「きつい,汚い,危険」
という
“3K”
を払拭し,新3Kとして「感謝 感動 感
性」
,まためっき処理液に関しては科学的管理を取り
入れ「感謝 感動 感性 科学的管理」の4Kを全社ス
ローガンとしており,現在社員は170名で,「社員は
家族」という創業者からの想いを今も持ち続けており
ます。
品質第一,生まれる信頼をモットーに,お客様との
信頼を重んじ創業61年を迎えました。創業以来続け
てきているきめ細かい自社搬送営業によって,お客様
との信頼を築いてまいりました。自社営業搬送網は北
陸3県,岐阜,愛知,新潟に営業担当社員が毎日18
台のトラックを活用し,250社以上のお客様にご愛
顧いただいております。県内全域への自社営業便を午
前便,午後便と2つに分けることで,引き取りから納
品まで24時間以内を実現し,お客様のご要望にお応
えすべく多種多様の表面処理を揃えています。種類だ
けではなく,最小1㎎のものから9.6tのものまで,
あらゆるサイズ,形状に柔軟に対応し,日本最大級の
めっきラインでは,サイズが3.8m×2.3m×24m,
重量9.6tまで対応させていただきます。
生産現場は,長年蓄積されたデータおよび技術品証
部からの正確な分析データをベースに,日常の補給量
の設定,補給の実施,補給量の見直しによって処理液
を緻密に管理しています。
めっき業は,黒子的な存在ではありますが,必要不
可欠で,これからもオールマイティーに対応させてい
ただき,お客様の笑顔が見たく,誇りを持って取り組
んでまいりたいと存じます。
6
弊社は,めっきを必要として下さるお客様があって
こそという受身な形態の事業ではありますが,企業の
姿勢として受身では生き残れません。社会のニーズを
先読みし,
時代はどのような方向へ向かっているのか,
その中で私たちには何ができるだろうか,ということ
をいつも考えております。その際に,大学の基礎研究
との連携を図り,私どもはその研究で得られた成果を
社会のニーズに合う技術として,安定した品質やコス
トダウン,量産化などの方法を探り,実用化させて行
きたいと考えております。
様々な事業に挑戦し続け,微力ながら社会に貢献さ
せていただければ幸いに存じます。
【富山大学との産学連携】
当社では,お客様の様々なニーズを基に新規技術の
開発をあらゆる角度から富山大学と産学連携で取り組
んでおります。幅広い分野の専門的な知識と最新鋭の
分析設備を駆使した表面解析技術をご教授頂き,創業
以来から積み重ねてきた基盤技術の深堀に注力してお
ります。
めっき工程には欠かせない前処理工程に着目し,斬
新なアイデアとの組み合わせにより既存技術では難し
かった難素材へのめっき技術の確立や,新規技術を融
合させた新たなめっき工法を提案し,常に新しい価値
を創造する技術開発に挑戦しております。
これにより,めっき密着性強化,耐食性強化等の様々
な品質向上効果が期待されます。
(お客様に安心して頂けるモノづくりを目指し,「当
たり前品質」から「魅力的品質」へ向け,)
今後も引き続き,ご指導を頂きながら取り組んで参
ります。
トピックス
富山地域産業界とガスタービン学会との懇談会が開催される
10月2日(金)15時より本学黒田講堂会議室(五福キャンパス)にお
いて,日本ガスタービン学会主催・富山大学産学連携推進センター共催・
富山大学産学交流振興会等後援による標記懇談会が開催されました。こ
れまでガスタービンなどのエネルギー関連機器の産業に携わったことの
無い地元企業の方々と国内のガスタービン産業の中核を成す㈱IHI,㈱
東芝,川崎重工業㈱,三菱日立パワーシステムズ㈱等からの技術者を迎
えて意見交換を行ないました。この懇談会には地元産業界や地方行政関
係者から37名の参加があり,活発な意見交換が行われました。
第4回及び第5回イブニング技術交流サロンが開催される
10月2日(金)16時より第4回イブニング技術交流サロンがウイングウイング高岡(高岡市)で開催されました。
話題は水素同位体科学研究センター田口明講師による「トリチウム水濃縮における多孔体材料」と芸術文化学部有田
行男准教授による
「企業におけるデザインの在り方」と題するものでした。前者では,数十ナノメートルの細孔を有
するSiO 2多孔体を用いたトリチウム水濃縮材としての研究が紹介されました。後者では,企業におけるデザイン
部門,社内デザイナ,社外デザイナの在り方及び活用方法について,これまでの組織作りやプロジェクトにおける
経験を踏まえた解説がありました。本サロンには学外から9名の参加がありました。
12月4日
(金)16時より第5回イブニング技術交流サロンがカナルパーク
ホテル富山(富山市)
で開催されました。大学院医学薬学研究部(薬学)杉本健
士准教授による「創薬化学 ∼いかに簡単に標的分子を化学合成するか∼」と
題するものと,同(医学)金森昌彦教授による「新規癌治療における産学連携
イノベーションへ向けて」と題するものでした。前者では,得意とする
「連続
反応」を用いた手法により,反応液から取り出すことが出来ない程の不安定
な化学種を利用して,時に驚くほど容易に標的分子を作り上げる技術を最近
のトピックスを交えて紹介されました。後者では,現在取り組んでいる癌治
療の臨床研究の大棗抽出エキスの抗癌作用−特に骨肉腫に対するアポトーシス誘導作用の研究と末期癌患者に対す
る新規温熱療法の臨床試験について紹介されました。また,医療分野における産学連携のあり方についても貴重な
意見が述べられました。このサロンには学外から7名の参加がありました。
大学教員・大学院生等が企業訪問し,研究紹介・意見交換の会が開催される
地域産業界と密接な産学交流を進める目的で,富山大学産学交流振興会会員企
業を中心とした企業を訪問し,
研究分野の近い教員による研究活動の紹介と共に,
訪問企業の事業紹介,工場見学を通して産学交流の意見交換を行いました。9
月30日(水)には武内プレス工業㈱滑川本江工場,10月15日(木)㈱シキノハイ
テック本社・魚津工場,11月18日(水)
日本総合リサイクル㈱本社・工場,そし
て同30日
(月)
には立山マシン㈱本社を訪問させて戴きました。貴重な意見交換・
情報交換ができました。
高岡ものづくり支援セミナー並びに八尾町工場協会からの訪問による視察研究会が実施される
10月29日(木)13時30分から高岡商工会議所(高岡市)5階会議室において「高岡ものづくり支援セミナー ∼富山大学の活用∼」が実施され,本学から髙辻則夫産学連携推進センター長によるセンターの活動紹介,堀田裕
弘工学部長による「Active Learningと質保証システムを取り入れた産学連携による新しい工学系人材育成」並び
に大学院理工学研究部
(工学)笹木亮准教授,同小熊規泰教授による研究事例の紹介がありました。地域産業界から
38名の参加がありました。
11月12日(木)13時30分から富山大学産学連携推進センターにおいて八尾町工場協会に所属する経営者・技
術者13名を迎えて視察研修会が行なわれました。当センターの事業紹介を草開清志准教授,企業技術者人材育成
7
事業
「次世代スーパーエンジニア養成コース」
の紹介を山名一男教授,工学部の学生教育の新しい取り組みを堀田裕
弘工学部長,そして大学の研究事例を大学院理工学研究部(工学)笹木亮准教授,同小熊規泰教授が行いました。大
学が所有し学外にも開放している各種研究設備とその利用について見学会を実施しました。
産学連携フェスティバルが開催される
11月4日(水)13時より工学部新棟多目的ホール他において富山大学産学
連携フェスティバル2015が開催されました。昨年までコラボフェスタと称
していたものを学内の組織改編に伴い事業をリニュアルしたもので,東京大
学大学院経済研究科ものづくり経営研究センター特任研究員の吉川良三先生
による「日本のものづくり維新 ∼グローバル市場で選ばれるために∼」と題
する基調講演の後,学内教員から提案された46件の産学連携推進研究者助
成研究が口頭とポスター展示で発表されました。46社から成る企業からの
審査員による投票の結果,16件の優れた提案にそれぞれ20万円の研究費とさらにその中から後日書類審査を経て8
件の研究に研究費補助金各100万円が贈られました。このフェスティバルに学内外から192名の参加がありました。
東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設(スーパーカミオカンデ)見学会が実施される
12月2日(水)13時よりスーパーカミオカンデ施設見学会が富山大学産学交
流振興会会員企業限定で実施されました。本年ノーベル物理学賞受賞が決った
東京大学梶田隆章教授並びに同関連研究に従事されている多くの研究者に敬意
を表すると共に,世界に誇る巨大研究施設に直に接し研究の意義を実感するこ
とを目的に訪問してきました。残念ながら直径約50㎝もある1.1万個余りの光
電子増倍管を張りめぐらしたスーパーカミオカンデの内部は既に5万トンの超
純水で満たされた状態のため,内部の様子は窺い知ることはできませんでした
が,真理の探究に掛ける研究者の熱い情熱を垣間見ることができました。一般の人や企業関係者には公開していな
い施設であるため,当施設の特別な配慮に深く感謝しつつ貴重な体験をすることができました。産学交流振興会会
員企業から23名と大学関係者4名から成る見学会でした。
今後の主な行事
行 事
第6回イブニング
*
技術交流サロン
場 所
カナルパークホテル富山
(富山市牛島11-1)
開催日時
2月5日
(金)
16時00分∼
20時00分
内 容
「ゲーム理論からみる特許制度」
経済学部 准教授 平井 俊行
「生物活性天然物の化学合成」
大学院理工学研究部(工学) 教授 阿部 仁
交流会
富山大学産学交流振 パレブラン高志会館
興会 理事会
(富山市千歳町1-3-1)
3月19日(土)
10時00分∼
10時40分
平成27年度次世代 同上
スーパーエンジニア
養成コース修了式
3月19日
(土)
13時00分∼
19時15分
修了式 修了生によるプレゼンテーション
記念講演
「電子部品業界における日本企業の位置づけと今後
−村田製作所の経営を通して−」
講師:㈱村田製作所 取締役常務執行役員 コンポーネント事業
本部長・㈱富山村田製作所 代表取締役社長 井上 享氏
懇親会
平成28年度
第1回イブニング
*
技術交流サロン
4月8日
(金)
16時00分∼
18時15分
未定
カナルパークホテル富山
(富山市牛島11-1)
富山大学産学交流振 富山国際会議場
興会 総会
(富山市大手町1)
4月18日(月)
理事会
総会
講演会 「未定」
*:参加には担当者(Tel.076-445-6938)までご連絡戴き,事前申込が必要です。
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