2~ 誤解と偏見の解消

ヽ
ャ
2.誤解と偏見の解消
以前に精神分裂病と呼ばれた統合失調症に対する誤
解
玉木恵子氏
偏見が特に強い。
凶暴性
2001年 6月、大阪教育大学付属池田小学校で児
童・教諭を殺傷する事件が発生。犯人は精神障害
病気の発症は、父が亡くなった 27歳の時で、生活
の柱が亡くなっての不安が強かった。
初めの症状は、突然泣いたり怒ったり、かなり不安
者だと大きく報道された。後に犯人は刑を軽くす
るため障害者と偽っていたと判明。凶暴な事件の
定になっていた。受診し軽いうつと診断。薬と点滴を
犯人は精神病者だとの報道が問題に。
半年続けたが良くならず、不安から逃れるようにリス
統計では、精神疾患者の犯罪率は健常者のそれより
も相当低いことが分かっている。
トカットをした。自分を傷つけることでストレスを発
散していたように思います。
その後病院を転々とした。友人が紹介してくれた現
発症原因遺伝説
在の病院で、「辛かったでしょうね。よく我 1曼しまし
昭和50年代半ば (35・ 6年前 )頃までの中学・高
校の保健の教科書には、精神分裂病は遺伝で起こる
病気であると書かれていた。当時の教育を受けた年
たね。でももう大丈夫￨一緒に治していきましょう」
配の方は今でもそう信じている人が多い。遺伝によ
る特殊な家系の人がかかる病気であって自らはかか
ることは無いという差別意識が生まれた。
遺伝に関しては、病因遺伝子の発見に努めたが、未
と先生が声を掛けてくれた。やっと良い先生に巡り会
え、少しづつ身体も心も落ち着いてきた。
しかし1悩みは母親が「うつ病」に関して全く理解し
てくれないこと。親子の関係は国によって波があり、
病気のことを攻めたり暴言を言われたりした。「うつ
病は勝手な病だJ「いつになったら治るの ?J「家から
どありふれた病気と同様に単にかかり易さに影響する遺
出て行けJ等、母の心ない言葉に傷つき、リストカッ
ト・多量の薬を服薬し 3日間意識がない時もあった。
伝子 (感受性遺伝子 )があるようだと想定されている。
一昨年の大晦日に 3回連続で薬を服用し救急車で運ば
だに見つかっていない。現在では、糖尿病や高血圧な
・何をするか分からない
この言い方には「まともではない」という響きが
あり、まともに相手できない人間、劣っている人間
という印象を与える。これも偏見を助長している。
れた時も、母は放置したままだった。何回も一緒に病
院に行って欲しいと頼んだが、「お母さんが行ってど
うなるの ?病気が治るの ?」と言われ聞く耳をもって
くれない。家族からの理解が得られないことほど辛い
ものはない。
病状が落ち着き精神活動が回復して、社会に復帰し
ている人も多い。
・偏見をどう正すか
・誤解を解く→ 正しい報道をする→ 啓発活動 (講演会
など
そんなとき相談した人は、同じ病気で1悩んでいる幼
なじみの友人だけだった。一緒に泣いてくれたり怒っ
てくれたり、心から支えて貰っている。また引きこ
もっていた私を講演会など外に連れ出してくれたのは
民生員だった。同じ悩みを抱えている人と出会い話し
)
※問題点 i一般市民は関心を示さず、講演会に行かない
合うことで、自分も素直に向き合う事が出来た。 1悩ん
でいるのは自分だけではないと思えるだけで、気持ち
。社会の変化
2012年、精神疾患が国民の 5大疾患とされた。精
神疾忌忌者が増加。国民の関心が高まりつつある。
毎年 12月の「障害者週間 Jに市民に対する啓発活
動をしていますが、どうしても関係者の方が来るだけ
でなかなか一般の方が来られない事が悩みでした。今
回のような会がありま tノたら話をさせて頂きたいと思
いますので、是非また声を推卜
けて頂きたい。
が前向きになっていった。
自分にとって進歩したときは、自分に花丸をつける
ようにしています。自分をほめることは難しいが、一
日を振り返ると「今回はこんな事が出来たJというこ
とは結構あるものです。私は自分をほめることが出来
ない人間で常に ×をつけていたが、最近花丸をつけら
れるようになった。皆さんもやってみて下さい。これ
からも上手にうつと付き合っていきたいと思います。
し
・
電話
ちば電
あちの
静

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