『 「ほめて任せる」マネジメント』 有限会社セントラルEAPコンサルティング代表取締役 赤塚由見子(精神保健福祉士) 皆さんは「ほめる」ことや「任せる」ことを意識して仕事をしていますか?私が企業で研修 やコンサルテーションをした際に、よくこの「ほめる」 「任せる」ことについてご相談を受ける ことがあります。まず、 「ほめる」ことについてですが、これは単純に「恥ずかしい」 「照れる」 という理由でなかなか部下をほめられない、 という上司の方が多くいらっしゃいます。 確かに、 大人になると他人からほめられる機会が減少する分、自分も他人をほめることが少なくなりま すね。 「ほめる」こと、または「ほめられる」ことは実は「慣れ」でもあるのです。行動はどん なことでもそうですが、 習慣化されていないといわゆる 「しっくりこない・・・」 状態になります。 従って、普段ほめたりほめられたりしない人が、人からほめられたり、人をほめたりすると背 中がムズムズするような気持ちになってしまうわけです。 さて、この「ほめる」と「任せる」ですが、皆さんならこの2つのうち、どちらから始めま すか?「ほめる」と「任せる」に順番をつけること自体、イメージできない方も多いかもしれ ませんが・・・。多くの方はほめるためにはまず、何か仕事を任せてそれが上手くできたらほめよ う、と考えるのではないでしょうか。しかし、もし部下にもっと仕事を任せていきたい、と考 えている方は、まず「ほめる」ことから始めてみてください。 何も任せていないのに、何も成果があがっていないのに、ほめる?!と驚かれるかもしれま せん。では「任せる前にほめる」と考えるのではなくて、 「ほめることができる任せ方をする」 と言い換えて考えてみましょう。もちろん、ほめることが大前提なので、無理難題を与えたり、 2 段階も3 段階も高いハードルを飛び越えなくてはならないような任せ方ではほめられません。 確実に遂行できて、しかもあまりわざとらしくないようにほめる、これが「ほめて任せる」コ ツです。 よく「○○君はほめるところが一つもない!」と嘆いている上司の方がいらっしゃいます。 ほめるところが一つもない人間はほとんどいません。他人をほめられない人の多くは、価値観 を量る物差しが自分用になっていて、他人用にはつくられていないようです。それはあなたの 価値観が間違っているということではありません。ただ、価値観がピッタリ一致する他人同士 というのはあまりお目にかかれないので、他人をほめようと思うと、他人用の物差しを用意し ないといけないということです。 人間には必ず得意不得意があります。 それはあなたの得意不得意とは異なるかもしれません。 しかし、部下の得意なことを見つけて挑戦させ、ほめる、というのはそんなに難しいことでは ありません。ほめる回数が増えれば、部下も自信をもつようになります。すると、これまでは 苦手だったことにも挑戦してみよう、という気持ちになるでしょう。ほめることを繰り返して いくうちに、それが自然に「任せる」ことにつながっていくのです。 「ほめる」を励行すれば、 仕事を「任せる」につながる。ぜひ、ほめて伸ばしていくマネジメントをしていきましょう。
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