虫刺され

健康メモ
平成 26 年 7・8月号
虫刺され
夏場は虫や動物の動きが活発になり、そういったものと接する機会も多くなってきます。この時期はレジャーで森や山へ行か
れる方も多く、刺されたり咬まれたりする方が多い時期です。その時の対処法をご紹介します。
・共通の対処法
虫に刺されたり咬まれたりしたときは、まず洗い流し、流水や氷などで冷やしましょう。毒は水に溶ける物が多く、冷やすこ
とで毒の吸収を遅らせることができます。かゆみがひどい場合は、ステロイドが有効ですので、薬局で市販の物を購入したり、
皮膚科を受診してください。むやみにひっかくと、傷口から菌が入りとびひなどの原因になります。大きく腫れる、強いかゆ
みや痛みが出る、発熱したり息が荒くなるなどショック症状がみられる場合はすぐに病院へ行きましょう。
・ハチ
ハチの毒には同種のハチを引き寄せる成分が入っている物が多いため、刺された場所からすぐに離れる必要があります。刺さ
れた傷口の周りから力を掛け毒を絞り出しながら流水で洗い流し冷やしてください。生じた炎症にはステロイドが有効です。
ミツバチなど針が抜けて患部に残るハチの場合はまず針を抜かないといけないのですが、針の根元に毒袋がついており、押さ
えてしまうと残っている毒が体に入ってしまうため、押さえないようにはじくように抜き取る必要があります。毒を出す際に
口で吸ってしまうと、口の中に傷がある場合そこから入ってしまうので口では吸わないようにしてください。
・スズメバチ
ハチ毒の中でも特に毒性が強く、アレルギーを起こして死に至る可能性もあります。アレルギーは刺されてから 60 分以内に
起こるので、流水で毒を絞り出しながら洗い流した後、可能ならステロイドを塗布しすぐに病院に行ってください。30 分以
内に対処できれば死ぬことはないと言われています。また、一度スズメバチに刺されたことがある人が再度刺されると、アナ
フィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー症状を起こし数分で死に至る場合があります。その対処薬としてエピペンという薬
があります。以前に刺されたことがあり、山など刺される可能性のある場所に行かれる方は専門医に処方してもらうといいで
しょう。スズメバチが特に起こりやすいですが、アナフィラキシー自体は他のハチ毒でも起こる可能性があります。
・マダニ
のこぎり状の歯を皮膚の奥に差し込んで 3~7 日ほどかけて血を吸い大きくなります。マダニは様々なウイルスや菌を持って
いる場合があり、感染症を引き起こす可能性もあります。痛みやかゆみがないため刺されていることに気づきにくいです。見
つけた場合は自分でとろうとせず、病院で取り除いてもらってください。歯が特殊なため自力で取ろうとすると、マダニの頭
や歯が残ってしまい二次感染の危険があります。
・虫刺されの予防
対処法も重要ですがまず刺されないように気を付けることが重要です。
・山、草むらなど蟲が多いところでは帽子、長袖、長ズボンなどで皮膚の露出を避ける。
・香水など虫を引き寄せる恐れのあるものは付けない
・草むらなどに座るときは、直接でなくシートを引く
・ハチを引き寄せるので黒い服は避ける
・虫よけスプレーなど虫よけ製品を使用する
といったことに気を付けて夏場の行楽を楽しみましょう。