A‐Ⅷ.総合内科(指導責任者 西本 泰浩) 【一般目標 General Instruction Object:GIO】 患者の目線に立った満足度の高い医療を提供できる医師になるために、基本的診察能力を習 得し、真摯な態度で患者に向き合い、その身体的・精神的な問題点を把握し、各分野と連携 しながら全人的な対応ができるような総合的診療能力を身につける 【行動目標 Specific Behavior Objects:SBOs】 1.診療姿勢 1) 医療安全、患者の人権および価値観への配慮をし、病院理念を遂行できる全人的医療の 視点を失わない診療態度を身につける 2)他の職種と意思疎通を図り、チーム医療を実践できる 3)診療記録を適切に作成し、管理できる 2.診断法及び検査法 1)的確に病歴を聴取し、理学的所見をとり、検査の指示をだすことができる 2)総合プロブレム方式により、問題点を挙げ、診療することができる 3)外来で診断のつかなかった症候(原因不明の発熱・意識障害・食思不振・脱力など)に ついて入院診療計画を立て、診断をつけることができる 4)摂食・嚥下障害について評価をし、原因としての全身疾患の検索をすることができる 3.治療法 1)文献や情報を検索・整理し、科学的根拠に基づく医療(EBM)を提供することができる 2)薬剤の薬効、薬理作用、副作用を述べ、適切に使用することができる 3)病態や重症度に応じた治療方針が立案できる 4)患者に分かりやすいように治療方針の説明や療養指導を行うことができる 5)指導医、上級医、専門医に適切にコンサルトできる 6)感染症診療の原則を理解し、適切な抗菌薬の使用ができる 7)経口摂取不能症例の看取りを含めた終末期医療を行うことができる 8)摂食・嚥下障害患者に対して、適切なリハビリ計画を立てることができる 9)アルコール関連疾患患者、精神疾患患者に対して、適切な対応ができる 4.経験すべき症状・疾患、または経験しなくても十分な知識を習得する必要のある内科疾患 1)頻度の高い症状:全身倦怠感、脱力、食思不振、体重減少、浮腫、リンパ節腫脹、発疹、 発熱、頭痛、めまい、失神、痙攣、胸痛、動悸、呼吸困難、吐き気・嘔吐、下痢、腹痛、 腰痛、関節痛、しびれ、不安・抑うつ 2)救急を要する病態:心肺停止、ショック、意識障害、脳血管障害、急性心不全、敗血症、 急性中毒、誤飲、誤嚥 3)総合内科で多い疾患:感染症(ウイルス、細菌)、中毒(薬物、アルコール、CO) 、熱中 症、低体温症、横紋筋融解症、アナフィラキシー、膠原病、悪性腫瘍 56 【方略 Learning Strategy:LS】 1)オリエンテーション 第 1 日目 8:20 3C 病棟カンファレンスルームにて 2)病棟研修 ①指導医及び上級医のもとで入院患者を副主治医として担当する ②症例検討会で受け持ち症例を提示し、討議する ③血液検査、生理検査、画像検査などを判読する ④指導医、上級医のもと侵襲的検査・治療に携わる ⑤総合プロブレム方式により問題点を挙げ、評価し、治療方針を立てる 3)講義・自習 ①毎週水曜日朝 8 時からの総合内科勉強会に参加し、持ち回りで発表する ②担当患者の疾患に関するガイドラインやエビデンスを調べ、毎週木曜日夕方の症例検 討会で発表する 【週間スケジュール】 早朝 月 火 水 木 金 土 症例検討会 症例検討会 勉強会 症例検討会 症例検討会 内科会 研修医会 症例検討会 午前 病棟 嚥下 病棟 病棟 病棟 午後 病棟 病棟 病棟 病棟 病棟 夕刻 外来症例 病棟症例 検討会 検討会 【評価 Evaluation】 項目 評価者 評価法 医師としての基本姿勢 自己・指導医・看護師長 観察記録 診療態度・チーム医療 自己・指導医・看護師長 観察記録 担当した入院患者の疾患・症例 自己・指導医 自己記録 経験すべき症状への対応 自己・指導医 自己記録 経験した手技 自己・指導医 自己記録 総合内科は救命救急センター外来に常駐して内科分野の救急医療を担当する一方、内科初診お よび再診外来にて内科全般の診療を行い、必要に応じ各専門科に振り分けることを行います。入 院では、明らかな専門性*のない患者を担当しています。主訴としては発熱、意識障害、過量服薬 などが多く、疾患としては感染症、アレルギー・膠原病、中毒、熱中症、低体温症などが多いで すが疾患は多岐にわたります。健診業務の一部や入院患者の嚥下評価なども行っています。木曜 夕方の病棟症例検討会は膠原病内科と合同で行います。 *専門性とは消化器、呼吸器、循環器、腎臓、内分泌代謝、膠原病、神経、血液の分野を示す。 57 チェックリスト 目標 知識・手技 総合内科 経験数 評価 十分 不十分 病歴聴取・身体所見 6 □ 例 □ □ 12 誘導心電図 6 □ 例 □ □ 胸部X線像 6 □ 例 □ □ 検体検査 6 □ 例 □ □ CT像、MR像 6 □ 例 □ □ 嚥下評価 4 □ 例 □ □ 総合プロブレム方式によ るカルテ記載 6 □ 例 □ □ 完ぺき 後少し レポート 経験すべき症状 知識だけ まだまだ 提出 発熱 3 □ 例 □ / □ / □ / □ / □ / 意識障害 1 □ 例 □ / □ / □ / □ / □ / 脱力、全身倦怠感 1 □ 例 □ / □ / □ / □ / □ / 吐き気、食思不振 1 □ 例 □ / □ / □ / □ / □ / 急性中毒 1 □ 例 □ / □ / □ / □ / □ / ショック 1 □ 例 □ / □ / □ / □ / □ / 横紋筋融解 1 □ 例 □ / □ / □ / □ / □ / 敗血症 1 □ 例 □ / □ / □ / □ / □ / 不明熱 1 □ 例 □ / □ / □ / □ / □ / 熱中症/低体温症 □ 例 □ / □ / □ / □ / 多関節炎 □ 例 □ / □ / □ / □ / 経験すべき病態 58
© Copyright 2024 ExpyDoc