記録 - 国際環境NGO FoE Japan

10月7日(水)防衛省への署名提出・交渉の記録
STOP!
日
会
辺野古埋立
翁長知事の承認取消しを支持---政府は対抗措置をとらないで
時:2015 年 10 月 7 日 午前 11 時~午後3時
場:参議院議員会館 ボーリング 109
出席者:
●防衛省普天間代替推進グループ (防衛省整備計画局提供施設計画官等)
〇市民グループ(主催:FoE Japan)、同席議員
<質問1>知事の承認取消しに対して、国は辺野古新基地建設に関する作業をすべて中止す
べきであり、行政不服審査法に基づく審査請求、執行停止の申立を行うべきではないと考え
るがいかがか。
冒頭回答:取消しについては仮定の話で、まだ取り消されていないので、予断をもってお答えす
ることは差し控えたい。
〇とんでもない回答だ。知事が埋立承認を取消した場合、その時点から辺野古で作業を続ける法
的根拠はいっさいなくなる。知事はすでに9月 14 日に取消しを表明され、今日、聴聞が行われ
ている。それが終わり次第、知事は埋立承認の取消し処分に踏み切られる。あるいは連休明けに
なるかもしれないが、知事が埋立承認を取消した場合、いっさい作業を続ける法的根拠がなくな
るのだから、現在大浦湾に張り巡らせているフロート等についても、その時点でただちに撤去し
てもらわないといけない。だから仮定の質問ではない。確実な状況となっているのだから、撤去
の段取り等についてもう指示をしていないと間に合わない。
知事が承認を取消した場合、フロート等についていっさい法的根拠がなくなるということにつ
いてお認めになりますか?
●知事が取消しを表明されたことは承知しているが、我々は承認手続きは適正に行われたので取
消しは違法だと考えている。ただ、現時点でその対応については説明を差し控えさせていだだき
たい。
○ 何故、取消しが違法だと言えるのか?
止すべきだ。
知事が取り消せば、法的根拠はなくなる。工事を中
●承認手続きは適正になされたと考えている。
○
それでも取り消されれば根拠はなくなる。(拍手)
●現時点で取消しがなされていない。
〇 違法と言われたが、何法に違反するのか? 法律名と条文を言ってください。あなたたちは
法に基づいて仕事をしている国家公務員だ。説明せよ。
-1-
●公有水面埋立法に基づき適切に審査されたのであり、その過程に瑕疵はない。だから取消しは
違法だと考えている。
〇だから何法に違反するのか説明せよ。知事は取消すことができるではないか?
●瑕疵のないものを取り消せば違法だ。
〇だから何法に違反するというのか?
●そこについては、確認させてください。
〇何を言っているのだ。国家公務員が、法律名も分からないまま、違法というのはどういうこと
か? 撤回しなさい。 何法の何条に違反するのか説明せよ。
●瑕疵のないものに対して取消すというのは違法にあたると考えている。
〇何法に違反するのか? 撤回せよ。知事の権限ではないか?
●適法になされた手続きを取消すのは違法と考える。
〇許可と取消しの権限は知事にあることは確認するか?
●承認の権限が知事にあることは承知している。
〇時間もないので、終了前に、何法に違反するのかをきちんと整理して回答せよ。それがないの
であれば撤回してくれ。最後にもう一度、この点にもどる。
<再度の質問>
〇承認取消しが違法だと言われたが、その法律と条文を説明してくれ。
●細かい条文について調べる時間がありませんでしたが、承認願書について県が瑕疵なく承認さ
れたものを正当な理由なく取消すということは、公有水面埋立法や環境影響評価法などの趣旨に
鑑みれば違法ではないかということです。
〇今度は「趣旨に鑑みれば」いうふうに後退?するのか。そういうのを違法行為と言ってはダメ
ですよ。国家公務員がこうした公式な場所で、法律名も分からないまま違法行為だと口走ること
など有り得ない。それを追求されると、今度は、
「趣旨に鑑みれば」と後退する。法律の解釈と
はそんなものですか?
〇該当する条文がないということを確認した。強く抗議する。軽々しい発言をしないように。
<質問2>防衛局は7月 24 日、県に実施設計の事前協議書を提出した。この事前協議は、主
に(12 ケ所の護岸工のうち 10 ケ所)辺野古側の浅瀬部分の護岸工である。防衛局は事前協議が
-2-
不調に終わった場合、この部分から工事に入るとしていたが、それは埋立承認願書の設計の
概要に記載されていた工事の施工順序の変更となる。従って、公有水面埋立法に基づき、設
計概要変更申請を県に提出し、知事の承認を得ることが必要であることを認識しているか。
冒頭回答:代替施設建設事業については、昨年8月以来、海上ボーリング調査を行い実施設計に
取り組んできました。ご質問の事前協議については、今回、海上ボーリング調査の進捗により
12 ケ所の実施設計が完成したということで、埋立承認の留意事項で県から求められている事前
協議書を県に提出しました。
実施設計の協議については、工事の施行に関して埋立承認の時にお示ししている設計と事後に
作成された実施設計と比べて変更があるかないかを確認するものです。施行の手順を協議してい
るのではない。
〇公有水面埋立法 13 条は、設計概要の変更申請について定めているが、工事の施行順序、施行
方法が変更される場合は変更申請が必要だということを認めますか?
●今回の件については、埋立承認の内容にそってやっていくと考えているので変更にあたるとは
考えていない。
〇今回の事前協議は、辺野古側の浅瀬部分の護岸工がほとんどだ。防衛局長は、協議が不調に終
われば今回事前協議を出した部分から工事に着手すると言っている。しかし、埋立承認願書では、
大浦湾側から施行するとなっている。施行順序の変更であり、変更申請が必要ではないか?
●埋立承認の内容にそってやっていくので変更にはあたらない。
〇埋立承認は、施行順序、施行方法について記載された設計の概要について承認したのだ。だか
ら施行順序、施行方法を変更する場合は、設計概要変更申請を出さなければならない。
●施行手順も含めて願書に書かれている内容にそって施行していきます。
〇だから、辺野古側の浅瀬部分の護岸工から着手することは願書の施行手順と違いますね。
●繰り返しになるが、申請して承認をいただいた内容にそってやっていきます。
工事の施行にあたっては、埋立承認願書に埋立手順が書かれている。それにそって施行していき
ます。
〇そうですね。確認しましょう。今回、海上ボーリング調査が来年3月末まで延期されて深場部
分の護岸工の実施設計ができるのはそれ以後になる。井上防衛局長に対して浅瀬部分の護岸工か
ら着手してはならないと指示をせよ。
●実施設計の事前協議を出しているものが、設計の内容について確認してくれというもので、施
行の手順をしばっているものではありません。埋立承認に書かれている工事の手順にそってやっ
ていきます。
〇ということは、浅瀬部分の工事から入るという井上防衛局長の発言は撤回してもらわないと困
-3-
る。訂正させよ。
●どういう発言をされたのかは今、分からない。
〇協議が不調に終わっても、井上防衛局長が言った浅瀬部分の護岸工から着手することは、設計
概要の変更申請を行わない限りできないということを今日の確認としよう。
●申請して承認をいただいた内容にそってやっていくということにつきます。
〇確認できたということで、時間もないので次の項目に入る。
<質問3>防衛局は、
「海上ボーリング調査は来年3月末まで工期を延期する」としている。
海上ボーリング調査は、当初、昨年 11 月末までの工期だった。それが今年3月末まで延期、
さらに6月末まで延期され、そしてさらに9月末まで延期されていた。それが、今回、一挙
に来年3月末まで6ケ月も工期延期した理由は何か。
冒頭回答:海上ボーリング調査は9月 18 日にその履行期限を来年3月末まで延期しました。海
上ボーリングについては、前は9月末までが履行工期でしたが、7月の台風9号でいったん作業
を中止し、その後も政府と県との集中協議で1ケ月の作業中断もあった。そうしたことから調査
のスケジュールに大幅な遅延が生じました。
また、一方で大浦湾側では本年度末まで音波探査をやる計画としていたが、これを残りのボー
リング調査の時期と重なったので、音波探査を海上ボーリング調査の業務に追加してやろうとい
うことになったものです。これらから工期の延期を行いました。
〇音波探査を海上ボーリングに組み入れたということか?
●もともと音波探査を計画していたが、それがボーリング調査と時期が重なってきたので、その
計画に組み入れたということです。
〇海上ボーリング調査は2種類ありますね。昨年8月から始まった 21 箇所の調査。そして今年
1月に契約した深場3箇所の調査がある。その2種類の海上ボーリング調査とも来年3月31日
まで延期されたのか?
●そうです。
〇残っているボーリング調査は5ケ所と言われてますね。どちらに何箇所か?
●今、手元に資料がないのでお答えできない。2件とも延期した。
〇それでは後ほど資料を提供してくれ。
●分かりました。提供します。
-4-
〇もともと海上ボーリング調査には音波探査は含まれていたのではないか?
●今回、追加しました。
〇その範囲が増えたということか?
●今回追加したものです。今まではなかったから追加しました。
〇今の話を含めて議員経由で資料提供をお願いする。
<質問4>井上防衛局長は9月 18 日の記者会見で、ボーリング調査終了前でも、最初の本体
工事として、仮設ヤード、仮設道路の設置工事に着手すると述べた(9 月 19 日付 琉球新報)。
しかし、これらの工事についても、埋立承認の際の留意事項に基づき、県との事前協議が必
要であることを認識しているか。
冒頭回答:仮設ヤード、工事道路等の仮設物については実施設計協議の対象とはならないと理解
しております。
〇これは井上防衛局長が正式の記者会見の中で説明されたものだ。今の回答では、仮設物につい
ては実施設計協議の対象とはならないと言われているが、これはどういうことか? 承認願書の
中には、仮設のものも含まれている、願書に含まれているものについては当然、実施設計の対象
だ。
●仮設物については実施設計協議の対象ではない。
〇昨年9月、防衛局は設計概要の変更申請を出された。そのうち一つは、工事用仮設道路につい
てだった。願書には仮設物も含まれている。こういうふうに記載されているものは当然、実施設
計協議の対象だ。
そんなことを言い出せば、大浦湾の海上作業ヤードも仮設物ということになってしまう。環境
への影響が最も大きいものだが、それも仮設ということで協議の対象から外すのは有り得ない。
県はそんなことを言っていないだろう。留意事項を出したのは知事だ。知事が実施設計につい
て留意事項を出したのだからその内容について知事の指示に従うのは当然だろう。留意事項をつ
けた側が内容を指示するものだ。何故、防衛局が仮設物は対象ではないと勝手なことを言うの
か?
●仮設ヤード、仮設道路等の仮設物については実施設計協議の対象ではないと認識している。こ
のことは沖縄県のほうとも調整したと聞いております。
〇沖縄県は、仮設物であっても実施設計協議の対象だと言っているだろう。
-5-
●県は、仮設物については実施設計協議の対象ではないとおっしゃられたと聞いています。防衛
局がそういう調整をしましたと聞いています。
○
それでは、県との調整の内容、県の誰がそう言ったのかについて再質問する。
(注:なお、この点について、10 月 8 日、沖縄県海岸防災課に確認したところ、県はやはり、
「仮
設ヤード、仮設道路等の仮設物についても実施設計協議の対象」と防衛局に伝えており、県が了
解しているという防衛省の説明は事実に反する。
)
<質問5>仮設ヤード、仮設道路の施工箇所は、名護市教委の文化財調査の対象箇所である。
名護市教委の文化財調査は来年2月まで予定されており(碇石の調査を除く)、それまでは仮設
ヤード、仮設道路の工事に入ることはできないことを認識しているか?
冒頭回答:埋蔵文化財の調査については昨年より名護市教委と調整を続けている、シュワブ内に
おける埋蔵文化財の調査については本年7月より試掘調査を実施しています。
今、行っている試掘調査については、名護市教委が実施しているものなので、工事に実施につ
いては名護市教委との調整が必要になると考えています。
〇文化財調査が終わるまでその場所は工事ができない。今回の場所でいうと、辺野古﨑の作業ヤ
ード、そこに至る工事用仮設道路については、来年2月までの名護市教委の文化財調査の対象地
ですね。
●名護市教委が調査を行っているので、工事の実施にあたっては名護市教委との調整が必要です。
〇井上防衛局長は、海上ボーリング調査が終わらなくても、作業ヤード、工事用仮設道路に着手
すると勝手に記者会見で言っている。今、作業ヤード、工事用仮設道路の工事のためには名護市
教委との協議が必要を認められた。それを防衛局長が勝手に着工すると言えるのか?
●防衛局長がどういう趣旨で言われたかは確認できませんが--いずれにしろ工事の実施にあたって名護市教委との調整が必要です。
〇それがないと工事にかかれないということを確認できた。
<質問6>工事用仮設道路②・③は、陸域部でなく、ほとんどが海上に設置される。防衛局
は、本年 5 月 15 日、県への文書で仮設道路の再生路盤材に旧米軍兵舎解体工事で発生したコ
ンクリート殻を使用すると回答した。これは、コンクリート殻の海への投棄と同じこととな
るが、海上に設置される仮設道路にコンクリート殻の再生路盤材を使う予定をしているの
か?
-6-
冒頭回答:解体工事で発生したコンクリート塊については、再生路盤材として、陸上の仮設ヤー
ド、仮設道路、建物回りの道路・駐車場や飛行場関連施設等への活用を考えています。そのこと
を防衛局から県に回答した。
また、前回の要請の際にも、その旨、私のほうからお答えしました。
今回のご質問で、道路を海上に設置するような場所で、再生路盤材を使うことについて指摘さ
れているが、どういうことかなと思っている。
仮設道路については、解体工事で発生したコンクリート殻を石材として海に投入することはあ
りません。
〇防衛局は仮設道路に解体したコンクリート殻を使用すると正式に回答した。しかし、今回予定
されている工事用仮設道路②、③は、大部分が海上に造成されるのではないか?
●詳細の設計図面がないので分からないがきわめて海岸線にそっています。
〇大部分は海の上ですよ。そこに石材が入った根固め用袋材をおいてその上に路盤材を敷いて造
成される。少なくとも、海上部分の仮設道路については、米軍兵舎を解体したコンクリート殻を
路盤材として使用しないと約束せよ。
●解体工事で出たコンクリート殻を石材として海に投入することはしない。
〇再生路盤材として使うことを明記しているではないか。海の中に設置された仮設道路の路盤材
としてコンクリート殻を使用すれば、台風や大潮の時など、波の中に入ってしまう。少なくとも
海上部分の仮設道路については、米軍兵舎を解体したコンクリート殻を路盤材として使用しない
と約束せよ。
●現時点では、仮設道路に再生路盤材を使用することとしている。石材としては使わない。
〇石材としてではなく、再生路盤材としても使わないと明言せよ。
●計画の詳細については把握していないが、今、〇さんが指摘されたようなご懸念があることは
承知しましたので、その点については沖縄防衛局とも話をしていきます。
〇アスベストの問題も大きな問題になったが、旧米軍兵舎解体工事で発生する産業廃棄物の処理
については、実際にはどのようにされているか確認されていない。コンクリート殻の問題につい
ては、今、言われたように防衛局と調整の上、善処をお願いします。
(以上)
-7-