CWAJ/VVI Newsletter 2015 年春号 目次 1. ごあいさつ 2.新リーダーからのメッセージ 3. ECG(英会話の集い)2015 年の予定 4. 2015 年 CWAJ 現代版画展「ハンズ・オン・アート」の開催日決定 5. エッセイ その 1 私とアマチュア無線 6. エッセイ その 2 モンゴルの忘年会事情 7. エッセイ その 3 VVI の立ち上げのきっかけ 8. 編集後記 ※各項目の最初に★印をつけてありますので、★印で項目検索される方はご利用く ださい。 CWAJ = College Women’s Association of Japan VVI = Volunteers for the Visually Impaired(視覚障がい者との交流の会) ECG = English Conversation Gathering(英会話の集い) SVI=Scholarship for the Visually Impaired (視覚障害学生奨学金) ★1. ごあいさつ 今年の冬も雪がたくさん降り、寒かったですね。そして、寒い冬の後は、花粉 症の季節。今年の春は、花粉の飛散量が例年より多いそうで、街を歩くと、帽子 とメガネとマスクで頭と顔をほぼ覆い隠して花粉対策をしている人をたくさん見 かけます。実は、わたしもそのひとりです、 ニュースレターは、2015 年春号から、吉村啓子(よしむらけいこ)に替わり、 渡邉由香(わたなべゆか)が編集を担当します。よろしくお願い致します。VVI リーダーも交代しました。最新号は、新リーダーからのメッセージ、ECG とハ ンズ・オン・アートのお知らせをお伝えしました後は、VI フレンズからのエッセ イを 2 つ、CWAJ メンバーのエッセイを 1 つ、お届けいたします。それでは、お 楽しみください! ★2.新リーダーからのメッセージ みなさん、はじめまして!2015 年の VVI リーダーの石井ふみ子(いしいふみ こ)です。リーダーの活動を始めて早々にパートナーがアメリカに帰国するこ とが決まって、ガビーン!!ほんとうに大きな衝撃を受けました。今はひとりで 新しい任務を少しずつこなしております。次号のニュースレターで、もうひと りのリーダーを紹介できますことを願っております。 VVI の活動の 3 柱は、今年も、ECG(英会話の集い)と四ツ谷の日本盲人職 能開発センターの英語指導と筑波大学附属視覚特別支援学校の生徒さんたちの 英検受験準備の支援です。この他にも、年 3 回の日本語ニュースレターの発行 と、毎年恒例の CWAJ 現代版画展で立体コピーに触れながら楽しむハンズ・オ ン・アートがあります。今年も大勢の方たちに VVI のプログラムを楽しんでい ただきたい、と思います。また、実は今年 VVI は、40 周年の記念の年なので す!みなさまと CWAJ のメンバーに VVI の活動をよりよく理解していただき、 更に参加者が増えますよう、魅力のある楽しい集まりを計画しています。40 年 間の活動を振り返り、これからどのような活動をしていけばよいか、気持ちを 新たに考えていきたいと思います。 みなさんのご期待に沿えるよう、私なりに努力してまいりたいと思っており ます。どうぞご理解とご協力をよろしくお願いいたします。 石井ふみ子(いしいふみこ) ★3. ECG(英会話の集い) 2015 年の予定 昨年は、多くの皆様のご参加を戴きましてありがとうございました。 今年最初の ECG は例年より早いスタートをきって、2 月 28 日オーストリア大 使公邸で行われました。2 回目の ECG は 5 月 30 日土曜日午後 1 時から高田馬 場シチズン・ボウルにてボウリング ECG を行います。CWAJ の教育プログラ ムの一環である「FSC・外国人留学生との交流の会」との合同企画です。日本 で学ぶ留学生達と一緒にボウリングと英会話を楽しみましょう。筑波大学附属 視覚特別支援学校教諭で全日本視覚障害者ボウリング協会会長を務められてい る青松利明先生の全面的なお力添えを戴いて開催する運びとなりましたことも 申し添えます。第 3 回目は 11 月末から 12 月にクリスマスパーティーなどを考 えています。今年も一回ずつ充実した内容の会になるよう努めて参ります。ど うぞよろしくお願い致します。 松原久美子(まつばらくみこ) ★4. 2015 年 CWAJ 現代版画展「ハンズ・オン・アート」の開催日決定 今年も東京アメリカンクラブで現代版画展が開催され、ハンズ・オン・ア ート(視覚障がい者と楽しむアート)も例年通り実施されます。開催日は、10 月 30 日(金)、31 日(土)、11 月 1 日(日)の 3 日間で、今年は、CWAJ 現 代版画展第 60 周年を記念して楽しい企画を考えていますので、ご期待くださ い! 服部純子(はっとりすみこ) ★5. エッセイ その 1 稲葉正彦(いなばまさひこ)さんは、日本アマチュア無線連盟 JARL 主催の 2014 年第 29 回オール千葉コンテストの優勝者です。第 1 級視覚障がい者があま たの晴眼者に勝ち抜いた、という快挙です。千葉の菜の花メーリングリストを通 じて CWAJ 現代版画展に足を運ばれて以来、毎年のハンズ・オン・アートや ECG の集まりに参加いただいております。稲葉さんに、アマチュア無線につい てのエッセイを書いていただきました。 私とアマチュア無線 ・なれそめ 日本では、戦前少数の有資格者に実験局が許可されていたそうです。 小生は戦後アマチュア無線が再開された 1952 年に生まれたので、このこと からもアマチュア無線との因縁を感じるところです。 高校に入学した時にクラブ活動で物理部の説明会に行き、「何がしたくてこ の部活を選んだんだ」と聞かれて、何の考えもなく「エート、エート」と言っ ていたら「アマチュア無線がやりたいんだろ?」と言われて「ハイ」と答えた のが始まりでしたから大変なものです。 1986 年に講習会で電話級アマチュア無線技士の資格を取得しました。同年、 無線局免許状を申請し、12 月 25 日に JH1RZY のコールサインを付与されま した。その後、電信級アマチュア無線技士、第二級アマチュア無線技士の資格 を取得しレベルアップをして来ました。大学に無線クラブはなかったので、休 日は家にとじこもってアマチュア無線ばかりしていました。社会人となってし ばらくしてから、無線で交信中の女性と知り合ったのがきっかけで結婚しまし た。これは大事件でした。 1995 年、Windows95 が発売されるころから視力が下がっていきました。無 線機のメーター、周波数などが読めなくなり、業務日誌が書けなくなり、この ままではアマチュア無線が出来なくなると心配しました。しかし、仕事が出来 なくなるとは考えなかったような気がします。普通じゃありませんよね。 第 4 級視覚障害者になる前にスクリーンリーダーなどのことを調べ、無線機 も信号強度、周波数、電波形式などを音声で知らせてくれる物があることなど を調べてなんとかアマチュア無線を続けられるように努力しました。この努力 のおかげで、第 1 級視覚障害者になっても仕事もなんとか辞めずにすんだよう です。 ・私のアマチュア無線の楽しみ方 1. ラグチュー 親しい友人とおしゃべりをすること、数人で順番に話をすることもあります (ラウンドテーブル)。電話と違い、自分が話しているときは受信出来ません。 2. DX 交信 海外のアマチュア局と行う交信のことです。私は、主に電信で行っています。 3. コンテスト 複雑なルールのものもありますが、簡単に言えば、決められた期間内になる べく沢山の局と交信して、所定の業務日誌、サマリーシート(交信結果をまと めた物)を主催者に提出して順位が決まります。 主催団体としては、国際的なものでは ARRL(米国アマチュア無線連盟)、 CQ Magazine(アメリカの雑誌社)、各国のアマチュア無線連盟などなど。 国内では、JARL(日本アマチュア無線連盟)、 JARL 各県支部、アマチュア無 線工業会、大学のクラブ局などなどです。 4. 移動運用 若いころは、友達と山や島に無線機とアンテナを持って行ってパイルアップ を楽しんだこともありました。 5. アワードハンティング アワードと言うのは決められたルールで QSL カード(交信証)を集めて申 請するものです。世界的に人気があるのは、ARRL が発行している DXCC で す。世界の entity を 100 から始めて 50 増えるごとに申請出来ます。国内では、 JCC、日本の全部の市と交信して QSL カードを集めるものです。消滅した市 も有効なので 600 賞まであります。 このほかにも沢山のアワードがあって、アワードを集めるアワードがあるく らいです。 ・私が行ったことのないもの 1. EME 例えば、日本から高利得のアンテナを月に向けて強力な VHF 帯の電波を発 射して月面で反射して来た電波をヨーロッパで受信して交信するというもので す。 2. 衛星通信 アマチュア無線用の衛星を利用して V・UHF 帯を使用して海外の局と交信 するものです。 3. スクールコンタクト 総務省の特別な許可の元、日本各地の小中学校にアマチュア無線の有資格者 が出向いて、子供たちが国際宇宙ステーションと交信します。子供たちに科学 への興味を持ってもらおうという試みだそうです。 少子高齢化のアマチュア無線界に若い人たちが増えてくれると良いと思って います。私も、若い人たちに負けないようにアマチュア無線を楽しみ続けたい と思います。 ★6. エッセイ その 2 中川美枝子(なかがわみえこ)さんは、筑波大学附属視覚特別支援学校を卒 業し、津田塾大学に入学。学芸学部で国際関係学科を専攻しています。英語が 堪能であるのみならず、過日の ECG のオーストリア大使館での集いでは、大 使にドイツ語であいさつをしていました。今年の冬はモンゴルを訪問してきた そうです。 モンゴルの忘年会事情 昨年の 12 月末に埼玉県立盲学校の先生方からのお誘いで、埼玉盲学校の姉 妹校であるウランバートル盲学校とモンゴル盲人協会を訪問し、現地の視覚障 害者の方々と交流してきました。 この時期のモンゴルは日本と同様に忘年会シーズンなので、私たちも盲人協 会の宴会に参加しました。モンゴルでは年末年始とクリスマスをまとめて祝う ための宴会を職場や学校で開き、大人も子供も参加します。会場の規模や服装 によって団体や個人の地位と財力が明らかになってしまうという事情から、特 に女性たちは、胸元や肩が大きく開いたセクシーなドレスとゴージャスなアク セサリーで最大限のおしゃれをします。会が始まるとシャンパンで乾杯をし、 後はウォッカやコーラのボトルが回ってきます。参加者がほろ酔いになりだし たころ、ゲストの演歌歌手やロックバンドの生演奏が始まり、会場は一気に盛 り上がります。モンゴルの視覚障害者にも素敵なミュージシャンが多くいる中、 私もひょんなことから 160 人の参加者の前で歌うことになってしまったのは、 ここだけの話です。ライヴが佳境に入ると、音楽に合わせてダンスを始める参 加者も出てきました。視覚障害者ばかりの会場ですから、お互いにぶつかって しまうのは当然のこと…みんな遠慮なく踊りまわっていました。 モンゴル流忘年会の一番の特徴が表彰式です。会の初めのほうで、「冬の妖 精」と名乗るおじさんがたくさんのプレゼントを会場に運んでくるのですが、 音楽の演奏の切れ目ごとに、その年に優秀な業績を上げた個人や部署の代表者 がステージ上に呼び出され、この贈り物を受け取ることができます。モンゴル の子供や大人は一年間、これを励みにして、勉強や仕事に精を出すのだそうで す。盲人協会でも、優秀なマッサージ治療院や青年部の積極的な活動を表彰し ていました。 暖房とお酒と音楽で熱気あふれる忘年会場から一歩出ると、外はなんと零下 18 度!この寒さを乗り切るために、モンゴルの忘年会はこんなに熱いのかもしれ ません。 ★7. エッセイ その 3 御手洗美智子(みたらいみちこ)は CWAJ を代表するベテラン・メンバーで、 現在も日本と米国を行き来しながら、多くの著名なボランティア活動の最前線で 活躍しています。今年 40 周年を迎える VVI は、実は御手洗美智子(みたらいみ ちこ)が中心になって創立されました。 VVI をどのように立ち上げたか、そして VVI はどのような発展をしてきたか、 書いていただきました。 VVI の立ち上げのきっかけ 40 数年前の一つの質問から始まった視覚障がい者への支援が、皆様のお力で 発展している様子を見て感激しています。 13 年の米国生活を終え帰国する前に、スタンフォード大学生だった視覚障が いのキャンディ・リンベルさんに「日本の視覚障がいの人達はどのような生活 をしているの?」と聞かれました。私は答えられませんでした。帰国後、日本 盲人職能開発センターを訪ね、全盲の故松井先生より「御手洗さん、点字入試 も導入され視覚障がい者の大学生が増えました。しかし日本語の教科書を朗読 するボランティアはいるが、英語をはじめとする外国語の教科書を朗読する方 が居ないので、支援をお願いできませんか。」と頼まれました。 早速彼の依頼を CWAJ のニュースレターで呼びかけたところ、賛同する 方々が連絡をくれました。視覚障がい関係の団体や盲学校にてインタビューを したところ、人が変わっても活動が続き、サービスが提供できる持続可能な組 織にしないと、活動は続かないという事が分かり、まずイントラスト・グルー プを CWAJ の中で立ち上げました。 活動内容は、朗読の他に、国立筑波盲学校(現・筑波大学附属視覚特別支援 学校)などに英語を母国語とするボランテイアを CWAJ から派遣する事や、 外国語で既に出版されている点字の本を取り寄せるお手伝いなどです。特に人 気のあったのは視覚障がい者のための英会話クラスです。そしてボランティア の為に書かれた「視覚障がい者と接する手引き」を英訳し、その手引きを使い、 視覚障がいの人達との交流への理解を深めました。 私は創立時の 3 年間、リーダーを務めました。CWAJ は福祉のチャリティ団 体ではないという声もありましたが、徐々に視覚障がいの学生への奉仕に対す る理解が深まり、CWAJ の主な活動である奨学金が視覚障がい者へも授与され、 更にもう一つの柱である現代版画展でも触れるアート(現・ハンズ・オン・ア ート)が導入された事は、歴代の委員長の努力と CWAJ の皆様の理解による ものだと思います。また、その当時の学生達が、視覚障がい者の指導者として、 海外でも活躍していると聞き、大変嬉しく思います。このように VVI が持続し ているのは CWAJ という母体があるからです。今後も CWAJ の特徴を生かし、 視覚障がい者のニーズに合わせ、活動が発展していく事を期待します。 ★8. 編集後記 アマチュア無線を長年追求し、高い技術力を駆使して世界の隅々まで交信でき る稲葉正彦(いなばまさひこ)さんは、実は文系人間なのだそうです。国際関係 の研究をする中川美枝子(なかがわみえこ)さんは、ウランバートルでも東京オ ーストリア大使館でも新しい出会いについて伝えてくれることで、わたしたちに 生きる力はこういうもの、と教えてくれます。御手洗美智子(みたらいみちこ) は、世界中に心地よい風が行き渡るよう、風を起こし続けています。エッセイを 寄稿くださった 3 人の方々、ありがとうございました。 2015 年春号の VVI ニュースレターが、読者のみなさまの日常に寄り添い、今 を生きる方々のエッセイを通して見聞を広げ、少しでも楽しい気持ちになってい ただけましたら、それにまさる喜びはありません。今年もたくさんの笑顔に出会 えますことを願いつつ、また、皆様からいつもたくさんの優しさをいただきます ことを感謝しながら、自分の役割を果たしていきたい、と思います。 CWAJ の HP は、下記のとおりです。ニュースレターでお知らせする企画が詳 しく載っておりますので、ご覧ください。 http://www.cwaj.org/ また、ニュースレターに関する皆さまのご感想を、ぜひお聞かせください。 コメントやご希望など、下記のアドレスにお寄せいただきましたら、たいへん嬉 しく思います。お叱りいただくことも、もちろん歓迎です。 パソコンをご利用の方で、メールでのニュースレターの受け取りをご希望の方も、 下記にご連絡下さい。 (連絡先) [email protected] 編集担当:渡邉由香(わたなべゆか) 発送担当:鈴木洋子(すずき ようこ)
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