修士論文要旨

修士論文要旨
論文(報告書)タイトル: 「中日自動車製造企業の現状と経営分析」
学籍番号:AM13032
氏
名:趙 茜
指導教授:高橋
勝
教授
【論文(報告書)の構成】
はじめに
第1章
中日自動車産業の現状と発展分析
第2章
各社の動向と中国での経営戦略
第3章
上海汽車、第一汽車、トヨタ自動車と日産自動車の財務比較分析
第4章
上海汽車、トヨタ、日産自動車の中国現地考察
第5章
日本自動市場と中国自動車市場今後の課題と展望
おわりに
【論文(報告書)の内容】
1.研究背景
中国の自動車産業はこの 20 年来急速に発展している。1990 年には中国国内での生産台数は約 90 万
台、2000 年には約 200 万台、2011 年には 1,841 万台に達し、世界生産の 23.5%を占め、世界一と
なった。米国の約 1,159 万台を大きく引き離し、米国のピーク時の約 1,750 万台も追い抜いた。2020
年までに中国の自動車生産量は 3,160 万台にも上る発展速度が予測されたいる。中国の自動車生産台数
は 2006 年にドイツを超え、2008 年には世界第 2 位であった米国を上回った(図表 1-1)
。さらに 2009
年に世界生産国日本を追い抜き、世界最大の自動車生産国となった。国内自動車販売台数は 2001 年~
2010 年の間に平均 20%以上の伸び率を維持し、2012 年に 1,930 万台に達した。特に WTO(世界貿
易機関)加盟から年迎えた中国自動車産業は、生産と販売の両面で共に世界の首位に立った。
百余年の歴史を有する日本の自動車産業は、近年、大きな転換点に差し掛かっている。リーマンショ
ックに端をする世界的な経済危機は、日本の自動車産業にも甚大な影響を与えた。さらに近年日本の経
済が低迷するもう一つの原因は、東日本大震災(経営損失 2,100 億ドル)とニュージーランド地震(160
億ドル)やタイの洪水をはじめとして、世界各地で発生した大規模な自然災害による被害が非常に大きか
ったことである。経済損失は全体役 60%を占める。また、2008 年秋のリーマンショックに端を発す
る世界的な経済危機は、日本の自動車産業にも甚大な影響を与えた。また、近年の BRICs(ブラジル、
ロシア、インド、中国)など、新興国が台頭することによって、グローバルな自動車市場も大きく変化
しつつある。
2.研究目的
目的では、その分析によって、両国の現状、動向と各社の財務分析を合わせて、中日両国自動車産業
今後の課題と展望が提言を行うのために行う。
3.研究方法
本研究では、中国自動車市場と日本自動車市場の現状と動向を分析し、さらに、中国の上場企業であ
る上海汽車と第一汽車、日本の上場企業トヨタ自動車と日産自動車企業の各社財務データを取り上げ、
各社近年の動向を踏まえた上で、主要財務指標の意義を説明し、次にそれらの指標数値に基づき、各社
の経営状況を分析、比較する。さらに、各国の動向と合わせて、中日両国自動車産業今後の課題と展望
が提言を行う。
4.研究結果
現在の中国自動車産業は驚かせるスピードで成長している。今後の市場の見通しとしては、日本を抜
いて世界第二位の市場になる可能性がある。もちろん、他方で、中国の政治、政界の安定、世界経済の
長期的な景気動向、環境、エネルギー問題の顕在化等の経済成長の制約要因が指摘され、中国の自動車
市場が長期的に安定的に成長することを疑問視する見方も根強い。
しかし、いずれにせよ、長期的には巨大市場が誕生し、量産規模を背景に中国の自動車の産業競争力
が急速に向上することが予想される。このため、世界の自動車産業・メーカーが自動車生産大国、市場
大国としての中国をどう戦略的に位置づけるかが、今後の経営上の重要な課題となることは間違いない。
今後「環境・エネルギー制約(最新技術である水素燃料等エコカーも含め)」・「自動車産業の需要面
に影響を与える要素」
・
「需要に直接的に影響する人口や個人所得の動向」
・
「高齢化や都市化(自動ブレ
ーキ等の安全対策等も含め)・過疎化」といった各種問題点とどのように対策を行うか等、自動車産業
の将来動向を研究したい。
【主要参考文献】
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Copyrighted Material
愛民
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http://gyokai-search.com/