1 「新しい教養教育のための学生ワークショップ」について

「新しい教養教育のための学生ワークショップ」について(結果報告)
教養教育センター長
I.実施日時・場所・参加者数
2015 年 11 月 20 日 17:50~19:20
於稲盛記念会館 105・106 教室
参加者数
学生:各学科・専攻 1~4 回生および前期課程 1 回生(計 48 人)
教員:教務部長、教養教育センターから 5 名、三大学教養教育研究推進機構から 2 名(計 8
人)
II. 進め方
別紙資料「2015 学生ワークショップ・レジメ」参照。
III. 学生からの主な意見
ワークショップで出された主な意見は次の通り。
(順不同)
・交流(三大学の学生間での交流、学年を越えた交流、学外との交流)を実現してほしい。
・学外での実習を積極的にしたい。
・現代社会・時事的問題について議論をする授業がほしい。3・4 回生で受講すれば、就活
にも役立つ。
・少人数授業を増やしてほしい(学生が自分の意見を言い、互いの意見を聞くことができ
る授業がほしい。
)
・上級生向けの授業がほしい(3 回生が1・2回生と一緒に普通に受講できる授業)
・京都についての授業はとても有用。
・理系の学生と文系の学生がともに学ぶのは重要。それぞれの考え方に触れることができ
るから。
・文系の学生が理系のことを学び、理系の学生が文系のことを学ぶことは必要。それがで
きるような授業をしてほしい。具体的には、文系の学生にも理解できる理系の授業がほし
い。もっと敷居を低くして、シラバスにも文系歓迎と書いてほしい。
・レポートの書き方や情報など、基礎を身につける授業は重要。
・授業の数・幅は十分だと思うが、時間割上の重なりをもっと減らして、取りたい授業を
取れるようにしてほしい。
・
「教養教育」の意義を大学に入って時点でしっかり説明してほしい。キャリアとの関連で
説明してくれれば、わかりやすいと思う。
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IV.総括と今後の課題
一言で述べるなら、ワークショップに参加してくれた学生たちの意識は、現状の一歩も
二歩も先を行くものであった。
三大学による教養教育共同化が始まって二年足らずであるが、学生たちはその実質化を
強く求めている。三大学の学生たちがともに議論し互いに学び合うような授業への要求は
非常に高い。
また、教養教育を1・2回生に限定せず、上回生が参加できるような形式・内容の授業
への要望も多かった。
言い換えれば、学生たちが教養教育に求めているのは、
「境界を越えた交流」である。学
生たちは学年・学科・理系文系・大学といった枠組みを超えて交流し、互いに学び合うこ
とを強く望んでいる。注目すべきなのは、学生たちが自分の意見を言い、他の学生の意見
を聞きたいという強う希望を持っていることである。彼ら彼女らは互いに意見を交換した
いのであり、教員の説明を聞きたいのでは必ずしもない。この点は授業の形式・進め方に
ついて、大きな示唆を与えるであろう。
また、現代の世界や今日の問題への興味関心も非常に強いものがあった。学生たちは今
日の問題に強い関心を持っている。また自らその議論に加わり、他の学生の意見を聞きた
いという強い希望を持っている。
一方、京都について学ぶことの意義はほぼ共有されており、同じくレポートの書き方な
ど基礎を学ぶことの必要性は十分に理解されていた。
最後にもっとも示唆的だったのは、教養教育の意義を入学時から説明してほしいという
要望である。時間割の空きコマを埋めるような授業の取り方を反省した上での発言であり、
今回の学生からの発言の中でも特筆すべきものであった。今後、ガイダンスのあり方から
再検討が必要であろう。
今後の課題であるが、今回参加した学生の一部からはワークショップの続編を望む声が
複数寄せられた。そのような希望を踏まえ、教養教育センターとして積極的なフォローア
ップが必要である。現在議論中の新カリキュラムに学生たちの意見を反映させるためにも、
たとえば「教養教育のための学生委員会」(仮称)のようなものを立ち上げ、学生有志の声
を継続的に聞く必要があると思われる。
また、上に述べたように教養教育についてのガイダンスのあり方も再検討が必要である。
スケジュールの見直しや学生たちによるガイダンスを導入するなど、新たな工夫が求めら
れる。
なお、これらの課題への対応に当たっては、三大学教養教育研究推進機構との密接な協
力が必要である。また、本学新カリキュラムの検討と並行して、三大学による教養教育共
同化の実質化についての議論も進める必要があるであろう。
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