第 4 回一般社団法人OCNet社員総会が行われました。

第 4 回一般社団法人OCNet社員総会が行われました。
去る5月27日(日)午後1時半から 4 時まで、第 4 回一般社団法人OCNet社員総会が山王会館で開催されま
した。出席者は 18 名(委任状 26 通)と少なかったですが、天明尚子常務理事を議長に進められた議事では全議案
とも、原案通り承認されました。
【2011 年度活動報告】
危険がはらんでいます。事実としてそれが表れているい
20 年前、OCNetが外国人とともに生きる大田・
くつかの徴候を指摘できます。収斂する力が絶えず働い
市民ネットワークとして設立されたとき、私たちは地域
ていないと、OCNetは組織とは名ばかりの、集合体
に暮らす外国籍住民、移住労働者ともに遭遇するさまざ
に堕しかねません。
まな問題をともに考え、ともに解決をめざすことを活動
新年度に向けて、理事会は、さまざまな機会、ツール
の柱としました。顕著な例を挙げれば、1995年の阪
によりスタッフ間の意思疎通を確保し、公開の場での議
神大震災に際しては、彼らと被災地支援、災害時の対応
論を活発にし、活動・責任を分担する仕組みをさらに作
等について、ともに考える時間、活動をいくつか持つこ
り上げるよう努力する、さらに関係機関・団体との連携・
とができました。
協働の強化に努める、このことを確認して 2011 年度活
この機会にこれらの原点に立ち返り、現在以上に周囲
動の総括とします。
の人びと、とりわけ私たち以上に困難な立場にある彼ら
外国籍住民・移住労働者との関わりの質、内実を相談、
2012~2014 年度新役員
日本語学習支援、交流活動等を通して、検証していくこ
代表理事 鈴木昭彦(事業部担当兼任)
とが必要と云えます。実際に行動しない限り、現実の壁
常務理事 天明尚子
を越えることも、壁に窓をつくることもできません。今
(協働・にほんごのひろば水曜日担当兼任)
回の原子力発電所の人災がもたらした後の世代への負の
理事
葵佐代子(協働・相談)
遺産をいくらかでも減らすこともできません。
理事
本江年拡
私たちは互いに、いままで以上に問題意識・判断力を
(協働・にほんごのひろば月曜日担当)
高め、情報の収集・発信につねに吟味を加え、それによ
理事
山中菊江(同上・金曜日担当)
って外国籍住民・移住労働者とより確実なもの、信頼で
理事
木下郁子(同上・山王教室担当)
きるものの共有を増やしていくように努める必要があり
理事
黑瀧真澄(同上・子どもクラス担当)
ます。これは「原発を必要としない社会は、それを目指
理事
船津清美(事務局担当)
す日々の歩みからしか可能になりません」ということば
監事
加藤雅子(会計監査)
といずれ結びつくはずです。
私たちの活動は相談、日本語学習支援、交流活動、受
託事業など多岐にわたります。これは私たちの特徴であ
り、強みでもありますが、半面、つねに拡散、分業化の
※監査は任期が別のため、選出対象に入っておりません。
【2012 年度活動方針】
【主な質疑から】
1)創立 20 周年を迎えるにあたり、私たちの活動の狙
1 公益法人化に関連して
い、目標に立ち帰り、活動の方向性を再確認する。
代表としての思いと、メリット・デメリットについて
2)理事会のみならず、会員ひとりひとりがボランティ
回答:公益法人は、地域で活動するうえで社会の信頼度
ア活動のなんたるかを常に問い、併せて、相談とに
が高い。また、公益法人化により財政基盤を強化するこ
ほんごなど、各部門間、利用者との交流、相互の働
とで、各人が財政のことを気にせずに活動に専念できる
きかけを強化する。
ようにしたい。公益法人化にあたっては各人の意見を聞
3)事務局を中心に、情報の共有化を推し進め、組織運
きながら進めていきたい。メリット・デメリットも議論
営の透明性、公平性を確保し、対案を生み出す議論
の中で検討していきたい。
を推し進める。
質問:公益法人化は専従スタッフがいないと厳しいので
4)情報発信・収集の強化するために、さまざまな工夫
はないか。また、外部に評議会を設置する必要があり、
を行う。ニュースレター、ホームページ等の持つ意
評議員の力が強い。
味を再確認する。
回答:理解している。
5)公益法人化、会計の外部委託の推進、事務所経費の
公益法人化と運営資金について
見直し、および共同事務所への移転の可能性を探り、
回答:OCNet の運営は、中国帰国者センターの委託金
必要に応じてプロジェクトチームをつくり、実現の
に多く依存している。大田区と中国帰国者センターの契
可能性を検討する。
約は単年契約。中国からの帰国者支援についてセンター
方針を採っているのは、東京都の中で大田区だけであり、
【2012 年度の活動計画(重点分野)】
注目されている。そのため、いますぐ契約が切られると
1
いうことはないと思うが、継続契約の保証はない。した
協働・相談
がって、公益法人になるには、中国帰国者センターの業
☆外国人登録法の伴う問題に関する説明活動
務委託契約が切られても運営可能な確固たる組織化、安
☆研修会の実施
定した財政基盤が必要と思っている。
2
☆にほんごのひろばとの交流
協働・にほんごのひろば
2 会計業務外部委託について
☆クラス編成・カリキュラムの検討
経理を外部委託した際の会計士の費用経費について
☆スタッフの育成と勉強会の実施
回答:スタッフの役割を明確にし、可能な業務を外部委
☆子どもクラスでは、mics おおたの子ども日本語学習
託することを考えている。検討課題であって、決定事項
支援教室との情報の交換・共有の促進
☆および夏期講習の開催
3
事業部
ではない。
公益法人化と経理業務の外部委託との関連性について
回答:直接の関連性はないが、公益法人化にはしっかり
した経理内容報告は必要。
☆通訳研修
3 共同事務所について
☆蓮沼ふれあい祭り参加
一般社団法人レガートおおたとの合同事務所について
☆スタッフ交歓会(事務局と共催)
回答:今年の8月には具体策を決定したいが、内部の調
4
☆第 2 次訪問面談の実施(中国帰国者センター)
事務局
整が欠かせない。
☆新スタッフオリエンテーションの定例開催
☆創立 20 周年記念パーティ
☆スタッフ交歓会(事業部と共催)
☆外部団体との連携の強化
【事務局広報担当より】装い新たに OCNet 通信を再ス
タートすることになりました。まだまだ試行錯誤がある
かと思いますが、会員の皆様に向けて定期発行できよう
頑張りますのでよろしくお願いいたします。(K)
発行/一般社団法人 OCNet
URL: http://www.ocnet.jp
住所: 〒144-0051 東京都大田区西蒲田 6-16-1 メゾン大塚 201 号
Address: #201 Maison Ootsuka, 6-16-1 Nishikamata, Oota-ku, Tokyo, 144-0051
TEL&FAX: 03-3730-0556 E-mail: [email protected]
みずほ銀行蒲田支店 普通 2311923 OCNet宛
大田区中国帰国者センターから
2012
30
ご承知と思いますが、大田区中国帰国者センターは 2009 年 2 月、大田区からの委託を受けて、一般社団法人
OCNetがその運営を開始しました。センター事業の広報のために、センターだよりを発行し、いままで中国帰国
者の皆さまや関係機関に届けて来ました。
これとは別にOCNetでは、OCNet通信を発行して来ましたが、このたび広報活動強化のために、これらを合
同編集および発行することになりました。中国帰国者の皆さまには、センターの活動だけでなく、他のOCNetの
事業・活動に関する情報をお届けします。また、従来のOCNet通信の読者の皆さまには、中国帰国者センターの
活動・事業について案内する、これが合同編集・発行の狙いとなっています。
読者の皆さんの声を反映した紙面作りにあたりますので、ぜひぜひ、ご意見、ご希望をお寄せください。
大田区中国帰国者センター
代表 鈴木昭彦
活
動
報
告
■5 月29 日(火) 13:30~15:30 センターにて
■5 月 22 日(火) 13:30~15:00 センターにて
「フラワーアレンジメント」
「コーラス」
●参加者数 : 8 人
●参加者数 : 4 人
●講師 : 安藤久美子先生
●講師 : 滝口ふみ子先生
☞日本の歌を歌う会が始まりました。
「ふるさと」「あかとんぼ」そしてお別れの時に歌う、
「今日の日はさようなら」を歌いました。初めての歌
でも、皆さん熱心に歌われました。歌う前に体操をし、
高い音だと歌いづらいので低く音を下げて歌いま
した。何度も何度も本当に楽しく歌えました。大きな
声を出すと、体と心にとても良いです。そして、色々
な歌を歌うことは、もちろんとても楽しいことです。
皆さんの参加をお待ちしています。(宗像)
▲季節の花をキレイにアレンジ。みなさん楽しそうです。
☞皆さん先生の話を一生懸命聞きながら、“シャクヤ
ク、バラ、リンドウカンパ”の8種類の色鮮やかな花を使
▲コーラス参会者全員で記念撮影。
って、花束を作りました。家に帰る時には、花嫁のよう
に花束を胸に持って行ってくださいね、と先生がおっ
しゃいました。それを聞いて、皆さん花嫁のような笑顔
でした。(王)
▲参加者、スタッフ、講師も交えて。
■5 月 27 日(日) 9:30~12:00 蒲田小学校にて
心がけと準備が大事だと思いました。(藤田)
「防災訓練」
活
●参加者数 : 19人
動
●6 月 26 日(火)
予
定
手芸教室
【場所】当センター
【時間】13 時 30 分~
【講師】山田朝子先生
【担当】王 暁華
☞手芸教室が始まります。手作りの小物づくりを楽
しみましょう。☛今後の日程 9/11(火)、2/12(火)
●7月 10 日(火)
臨床アート
【場所】当センター
【時間】13 時 30 分~
【講師】後藤実把瑠先生
●7月 16日(月・祝)
▲消火器を使っての消火体験もしました。
(第2回)
【担当】宗像由美子
中国料理講習会
【場所】区民センター調理室
【時間】10 時~14 時
☞この防災訓練の名称は「蒲田町会合同防災訓練」
【講師】張 学峰先生
といい、当日はいくつかの東蒲田の町会と外国人居
☛近日中に、案内チラシにて詳細をお知らせします。
住者の参加を得て、蒲田小学校を会場に訓練が行
われました。「呑川」を使っての放水訓練、震度7の起
震車体験、電話での通報訓練、煙 体験などを行いま
したが、みなさん真剣に取り組みました。通報訓練で
【担当】鈴木洋子
※その他、9 月にはバスハ
イクなどいろいろな楽しい
催しも予定しております。
お気軽にスタッフまで
声をかけてください。
は、慌てて自分の住所を忘れてしまったりと、日頃の
歳歳年年
残留孤児のアイデンティティ(2)
◆国籍取得の意味
中国語講師
藤原
知秋
僕は日本の国籍を取ったけれど、いまだに自分は日
あっという間に20年間が過ぎました。この間に
本人だ、という実感を持っていません。いわば、法律
中国もどんどん発展をして、留学などで来日した中
上では日本人になり、日本に「帰化」したことになる
国人もますます増えるような感じでした。その一方、 のですが、僕はあまり「帰化」という言葉が好きでも
北京、上海のような中国大都市からの留学生が減り
ないし、使いたくもありません。しいて言えば「帰化」
続け、気づいたら僕の出身地である中国東北部から
といっても、日本への「帰属」「帰依」というよりは、
の留学生や、出稼ぎの人々が増え続けています。そ
ただ日本人に「化けた」と思っているからです。した
れに加え、長年に日本に住みついた人も含め、在日
がって、日本人としてのプライドもありませんが、か
中国人独自のコミュニティを形成しています。
といって中国への嫌悪感もありません。別に国際人だ
僕にとって、中国語は母語ですし、家でも家族と
とか、気取った思いもなく、仕事の関係では中国名を
は日本生まれの娘を除いて毎日しゃべっています
使ったりもします。どちらかというと、まだ広義の「在
が、この頃母語で考えてしゃべるのが少し鈍くなる
日中国人」のほうがピンと来る感じです。きっと居住
のも事実です。――日本語も何不自由なくしゃべれ
国の国籍をとった多くの在外中国人と同様、国籍をた
るからかも知れませんが。
だ着る服のようなものだと思っているのかもしれま
せん。
発行及び問い合わせ先:大田区中国帰国者センター (運営:OCNet)
電話:03-6424-9102(月・水・金
(次号に続く)
13:00~17:00)