【エヌケーエスワン配合顆粒 T25】 生物学的同等性試験に関する資料

【エヌケーエスワン配合顆粒 T25】
生物学的同等性試験に関する資料
日本化薬株式会社
l 目的
エヌケーエスワン配合顆粒 T25 とティーエスワン配合顆粒 T25(大鵬薬品工業株式会社)との
生物学的同等性を評価するため,「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」に従い,
癌患者を対象とした生物学的同等性試験を実施した.
l 試験方法
本剤は抗悪性腫瘍薬であることから、倫理上ならびに安全上の観点から健康成人への投与は妥当で
ないと考え,ティーエスワン配合顆粒 T25 の適応の癌患者を対象としたクロスオーバー法で試験を行っ
た.
被験者 26 名を 1 群 13 名の 2 群に無作為に割付し、治験薬投与前より 10 時間以上絶食後,エヌケ
ーエスワン配合顆粒 T25(試験製剤)又はティーエスワン配合顆粒 T25(標準製剤)のいずれか 2 包(臨
床常用量,テガフールとして 50mg)を水 150mL とともに単回経口投与した.投与後 4 時間は絶食とした
(休薬期間:7 日間以上)。
薬物動態の評価のため,血漿中濃度測定は,投与前,投与後 0.17(10 分),0.33(20 分),0.67(40
分),1,2,3,4,6,8,10,24 及び 48 時間の計 13 時点とした.測定対象物質は、テガフール、ギメラシ
ル及びオテラシルとし、フルオロウラシルは参考測定物質として試験を行った.
l 評価
「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」の判定基準に基づき,評価を行った.
① 試験製剤と標準製剤の AUCt 及び Cmax の対数値の平均値の差の 90%信頼区間が log(0.80)~
log(1.25)の範囲にあるとき,両製剤は生物学的に同等と判定した.
② 記①を満たさない場合
総被験者数が 20 名(1 群 10 名)以上を満たすとき,両製剤の溶出挙動が類似であり,かつ①の基
準を満たさないパラメータの対数値の平均値の差が log(0.90)~log(1.11)の範囲にあれば,両製剤
は生物学的に同等と判定した.
l 結果
投与後のテガフール、ギメラシル、オテラシルの血漿中濃度推移及び判定パラメータをそれぞ
れ図 1・表 1,図 2・表 2、図 3・表 3 及び図 4・表 4 に示す.
l 考察
得られた薬物動態パラメータ(AUCt,Cmax)についてガイドラインに基づく判定を行った結
果,いずれも同等性の判定基準を満たしたことから,両剤の生物学的同等性が確認された.
【テガフール】
図1
血漿中テガフール濃度推移(平均値±SD、 n=26)
(―●―:試験製剤, --○--:標準製剤)
表 1 血漿中テガフールの判定パラメータ
AUCt
Cmax
(ng·hr/mL)
(ng/mL)
エヌケーエスワン配合顆粒 T25
22206.4 ± 7811.2
2501.3 ± 551.6
標準製剤
22163.1 ± 7998.1
2614.4 ± 617.7
対数値の平均値の差の 90%信頼区間
log(0.98) ~ log(1.04)
log(0.91) ~ log(1.01)
判定基準
log(0.80) ~ log(1.25)
(n=26,Mean ± S.D.)
【ギメラシル】
図2
血漿中ギメラシル濃度推移(平均値±SD、 n=26)
(―●―:試験製剤, --○--:標準製剤)
表 2 血漿中ギメラシルの判定パラメータ
AUCt
Cmax
(ng·hr/mL)
(ng/mL)
エヌケーエスワン配合顆粒 T25
1770.04 ± 407.55
494.28 ± 117.26
標準製剤
1726.61 ± 485.14
480.41 ± 111.31
対数値の平均値の差の 90%信頼区間
log(1.01) ~ log(1.07)
log(0.97) ~ log(1.09)
判定基準
log(0.80) ~ log(1.25)
(n=26,Mean ± S.D.)
【オテラシル】
図3
血漿中オテラシル濃度推移(平均値±SD、 n=26)
(―●―:試験製剤, --○--:標準製剤)
表 3 血漿中オテラシルの判定パラメータ
AUCt
Cmax
(ng·hr/mL)
(ng/mL)
エヌケーエスワン配合顆粒 T25
851.07 ± 576.84
844.20 ± 537.68
標準製剤
196.29 ± 190.54
168.63 ± 138.07
対数値の平均値の差の 90%信頼区間
log(0.86) ~ log(1.07)
log(0.86) ~ log(1.22)
判定基準
log(0.80) ~ log(1.25)
(n=26,Mean ± S.D.)
【フルオロウラシル(参考)】
図4
血漿中フルオロウラシル濃度推移(平均値±SD、 n=26)
(―●―:試験製剤, --○--:標準製剤)
表 4 血漿中フルオロウラシルの判定パラメータ
AUCt
Cmax
(ng·hr/mL)
(ng/mL)
エヌケーエスワン配合顆粒 T25
884.30 ± 323.60
851.66 ± 322.14
標準製剤
172.75 ± 65.62
164.18 ± 61.05
対数値の平均値の差の 90%信頼区間
log(1.01) ~ log(1.06)
log(1.01) ~ log(1.09)
判定基準
log(0.80) ~ log(1.25)
(n=26,Mean ± S.D.)
日本化薬株式会社:生物学的同等性試験(社内資料)
以 上