佐々木啓一 - 日本口腔顔面痛学会

佐々木啓一 東北大学大学院歯学研究科口腔システム補綴学分野・教授
口腔顔面痛は発症率も比較的高く、患者の苦痛も大きい疾患であるが、その認識は患者側の
みならず医療者側においても未だ低いのが実情である。本疾患を広く世の中に周知し、また
適切な診断と治療法を発信するのは本学会の社会的な使命であり、かつ課題でもある。本学
会はこの間、会員向けのセミナーや一般向けの講習会、さらにはガイドラインの策定、教科書
の出版など種々の活動を精力的に行ってきたが、未だ道半ばである。
今後はこれらの活動を、日本歯科医学会や歯学協等との連携を有効に用いて、さらに推進す
るとともに、会員へ向けての情報発信サービス、実技を含んだ講習会の開催など会員の実利
となる活動を強化する必要がある。また国際的な AAOP、ICOT さらには IASP 等との連携にお
いて我が国の代表としての地位をより強固なものとし、若手会員の世界への飛躍を後押しする
ことも重要な役割となろう。まだまだ規模も小さく、未成熟な学会ではあるが、学会が本来果た
すべき役割をしっかりと果たせる会としていければと考えている。