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2015年度後期 物理科学の最前線 講演要旨
講演時間:17:00­18:00 場所:東北大学理学部物理系講義棟3F
11月6日(金)
�
杉本�茂樹�氏
京都大学基礎物理学研究所
教授
12月4日(金)
松本 重貴 �氏
弦と素粒子�‐究極の物質像をめぐって‐
現在のところ、あらゆる物質は点粒子である素粒子が集まってできた�
ものであると考えられています。しかし、現在の素粒子理論はまだ十分
に美しいとは言えず、また重力を矛盾なく取り込めないなどの明らかな
欠陥もあります。そうした問題を克服するものと有望視されているのが
素粒子を大きく拡大するとひも状をしているという仮説に基づく弦理論
と呼ばれる理論です。今回は究極の物質像を求める試みの中で提案
された様々なアイディアを紹介し、 特に弦理論のもたらす驚くべき世界
観や最近の研究で分かってきた 新しい可能性についても触れたいと思
います。�
何故ダークマターはまだ見つからないのか?
ダークマターの最有力候補であるWIMPは加速器実験、地下実験、
宇宙線実験等の様々な手段を用いてその検出が試みられてきたが
未だ発見に至っていない。この事実から現在あるWIMPに注目が集
まりつつある。それは文字通り“弱い相互作用”をする重い(陽子質量
の千倍程度)WIMPである。本講演ではこのWIMPについての理論
的背景と、その検出を行うために必須な素粒子物理学と天文学の
融合研究について紹介する。�
東京大学カブリ数物連携
宇宙研究機構
准教授�
12月11日(金)
秩序創発へのミクロからの挑戦
基礎物理学を深く学べば学ぶほど、私たちの身の周りで生じるありきた
りの現象が不思議に思えてくる。会話によって相互作用する私たちも、
様々な形態と機能をもつ生き物も、自然現象の一部であり、物理の基
礎法則によって記述されるはずである。その関係を明らかにする営み
を「秩序創発へのミクロからの挑戦」とした。この挑戦に対する現在の
到達点の一部を説明するとともに、将来の進展に期待したいトピックス
も紹介する。�
佐々 真一�氏�
京都大学大学院理学研究科 �
教授�