■ 県民講演会 ・日 時:8 月 25 日(火)18:00~20:00 ・会 場:山形テルサ テルサホール ・テーマ:防災意識の向上に向けて ~自然を敬う心と科学の力~ 東北地方の山岳信 仰と災害研究の現場から ● 18:10~19:05 ・講 師:東北大学大学院理学研究科教授 三浦 哲 ・講演題目:東北地方の活火山と蔵王山の活動について ・講演要旨: 東北地方の活火山は,これまで比較的静穏な状況が続いてきましたが,2011 年東北地 方太平洋沖地震以後,八甲田山では直後から地震数が急増し,秋田駒ヶ岳では地熱高温 域が拡大を続けています。吾妻山では 2014 年秋以降に火山性地震の発生数が急増し, 12 月には噴火警戒レベル 2(火口周辺危険)に引き上げられました。蔵王山においても 2013 年以降,火山性地震や微動が頻発し始め,2015 年 4 月には地震数が急増したため 火口周辺警報(吾妻山と同じレベル 2 相当)が発表されました。本講演では,特に蔵王 山周辺において,これまでに得られた観測データに基づいて,地下で起きている現象を 推定することを通じて火山防災・減災に役立てようとする取り組みについてお話ししま す。 ● 19:05~20:00 ・講 師:山形大学地域教育文化学部名誉教授 伊藤清郎 ・講演題名:山岳信仰と災害(噴火) ・講演要旨: 山岳信仰は,人々が秀麗な山容を仰ぎ見て,山々に畏敬の念や神聖観を抱き,さらに 山に神霊が籠もるという心情から生まれた。山は水源でもあり,水神・農耕神としての 性格を有し,火山であれば火の神として崇められた。やがて山には死霊が行き,その祖 さんちゆうたかいかん さ ん り んと そ う 霊が宿る場と考える 山中他界観が生まれるとともに,山中で 山林抖藪をして霊験を身 につける聖・験者が密教の影響を受ける中で,修験道が形成された。山は人生の節目に も関わり,通過儀礼としての登拝も行われた。奥羽(東北)は,弥生・古墳時代から古 代において,南と北,中央と辺境とがせめぎ合場でもあり,その相克が歴史・文化さら に山岳信仰にもくっきりと刻印された地域である。この様相を災害(噴火)にもふれな がら見ていく。
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