学長挨拶全文 - 宮城教育大学

創立 50 周年記念式典 学長挨拶
本日は、ご多忙の中、かくも沢山の方々に、この 50 周年記念式典にご参列い
ただき、心から感謝申し上げます。
また、文部科学省高等教育局長 常盤 豊様、宮城県副知事 三浦 秀一様、仙台
市教育委員会 教育長 大越 裕光様、東北大学総長であり国立大学協会会長でも
ある里見 進様、東京学芸大学学長で日本教育大学協会 会長の出口 利定様をは
じめとするご来賓の皆様には、ご臨席を賜り、深く御礼申し上げます。
本学は教員養成を目的とした東北における唯一の単科教育大学として、昭和
40 年に東北大学から分離、創設されて、今年で 50 周年を迎えました。
創設の頃の記録では、様々な困難の中で、多くの人の献身的なご尽力によって
本学が創設されたことを、うかがうことができます。
今、このキャンパスに立ち、創設の頃に植えられた沢山のケヤキの苗木が、大
人でも抱えきれない太さに育っている姿を目の当たりにし、この間の、代々の学
長のリーダーシップのもとで、様々な方々がそれぞれの立場で、本学の発展にご
尽力、ご貢献下さいましたことに、あらためて敬意と、深い感謝を申し上げる次
第であります。
この 50 年の間に、約 18,000 名の学生が本学を卒業し、東北地方を中心に、
北海道から沖縄に至る全国各地で、教員を中心としながら、公務員やあるいは企
業等、様々な場で活躍しています。
そして大学自身も「教員養成に責任を持つ」の名の下で、様々な改革の先頭に
立ってまいりました。
平成 16 年の国立大学の法人化以後のこの 10 年だけをみましても、平成 19 年
には、学校教育、障害児教育、および生涯教育総合課程を廃止し、初等教育教員
養成課程、中等教育教員養成課程、特別支援教育教員養成課程の 3 教育課程に再
編しました。
このことは、全国でも早期に、いわゆるゼロ免課程を廃止し、教員養成に特化
したことになります。
翌年の平成 20 年には、大学院教育学研究科に、全国最初の教職大学院として
専門職学位課程を設置し、現在、修士課程と教職大学院の機能の差別化を図りな
がら、内容の一層充実した教育学研究科になるような努力をいたしております。
これらの経緯は、本日、皆様にお届けしました冊子、
「五十年の軌跡」に記録
されておりますので、ご覧いただきたいと存じます。
また、一昨年の、国によるミッションの再定義で、本学は教員養成における広
域拠点型の国立大学と位置づけられました。
現在、東北地区の国立大学とともに、
「東北教職高度化プラットフォーム会議」
を立ち上げ、広域的な教育課題の解決に向けた取り組みを進めているところであ
ります。
さて、平成 23 年 3 月 11 日の東日本大震災は、東北の太平洋側に甚大な被害
を与えました。この震災により尊い多くの人命と財産を失い、現在もなお心の傷
に苦しんでおられる方も多く、教育の現場では、様々な問題が顕在化しています。
本学は東日本大震災の被災地内の唯一の教育大学であることから、いち早く、
教育復興支援センターを設置し、被災地のニーズに応じ、教育復興に努力してま
いりました。
来年度からは新たに、未来を見つめた新たな「地方創生教育復興未来センター」
として、これを引き継ぎ、地域に貢献する大学として、震災復興教育に一層努力
してまいります。
本学では、
「宮城教育大学改革プラン」の下、教員養成大学として教育の質の
向上を図るために、“実践型教員養成機能の強化”と“教員養成における広域拠
点としての機能整備”を進め、地域の発展に努力します。
そして、創設以来の本学の精神でもある「生涯にわたって学び続ける力、主体
的に考える力を持った教師」の育成を目標に、これまでの 50 年の実績と良き伝
統を発展させながら、50 周年記念式典に臨み、皆様とともに“新たな 50 年”を
目指すことをお約束して、ご挨拶とさせていただきます。
本日は、ありがとうございました。
平成 27 年 10 月 17 日
国立大学法人宮城教育大学長 見上 一幸