試験結果の概要 試験実施者(企業名) 鳥居薬品株式会社 商品名 シダトレン 有効成分名 なし 試験の名称 TO-194SL 第 III 相臨床試験 ―スギ花粉症患者を対象とした有効性及び安全性の検討― 試験実施施設 12 施設 公表文献 未公表 試験期間 最初の被験者の同意取得日:2010 年 9 月 13 日 最後の被験者の観察完了日:2012 年 8 月 21 日 試験のフェーズ 第 III 相 試験の目的 スギ花粉症患者を対象として,総合鼻症状スコア及び薬物スコアの合 計点数である総合鼻症状薬物スコア(TNSMS)を主要評価項目とする プラセボを対照とした舌下投与による無作為化二重盲検比較試験を実 施し,TO-194SL 製剤のプラセボに対する優越性の検証及び安全性を検 討する。 試験の方法 プラセボ対照,無作為化,二重盲検,多施設共同,並行群間比較 被験者数 計画された被験者数:440 名(TO-194SL 群:220 名,プラセボ群:220 (計画時・解析時) 名) 登録被験者数:531 名(TO-194SL 群:266 名,プラセボ群:265 名) 安全性解析対象数:531 名(TO-194SL 群:266 名,プラセボ群:265 名) 有効性解析対象数:482 名(TO-194SL 群:241 名,プラセボ群:241 名) 対象基準 対象:スギ花粉症患者 主な選択基準 (1) 同意取得日の満年齢が 12 歳以上 65 歳未満の患者 (2) 観察開始日のスギに対する特異的 IgE 抗体検査で Class 3 以上の患 者 (3) 2009 年及び 2010 年のスギ花粉飛散期間中に,くしゃみ,鼻汁又は 鼻閉のいずれかの鼻症状が 2+以上かつ 1 週間以上発現した患者 被験薬,用量・投与方法 被験薬 TO-194SL 200 JAU/mL(増量期用) TO-194SL 2,000 JAU/mL(増量期用) 1/3 TO-194SL 2,000 JAU/mL(維持期用) 投与方法 1 日 1 回,舌下に滴下し,2 分間保持した後,飲み込む。その後,5 分 間は,うがい・飲食を控える。 治療期間 増量期:2 週間 維持期:最長約 81 週間 合計治療期間:最長約 83 週間 対照薬,用量・投与方法 対照薬 TO-194SL 200 JAU/mL プラセボ(増量期用) TO-194SL 2,000 JAU/mL プラセボ(増量期用) TO-194SL 2,000 JAU/mL プラセボ(維持期用) 投与方法 1 日 1 回,舌下に滴下し,2 分間保持した後,飲み込む。その後,5 分 間は,うがい・飲食を控える。 エンドポイント 【有効性】 主要評価項目: ・2 シーズン目(2012 年)の症状ピーク期間の TNSMS 【安全性】 有害事象及び副作用 統計手法 【有効性】 TO-194SL 群の TNSMS の平均値とプラセボ群の TNSMS の平均値の差 を t 検定により検討した。 【安全性】 有害事象及び副作用の発現率を投与群別に示した。 要約・結論 【有効性の要約】 TO-194SL 群の症状ピーク期間における TNSMS の平均値はプラセボ群 の平均値と比較して有意に低下し(p<0.0001),TO-194SL の有効性が 確認された(表 1)。 表 1 TNSMS の 2 シーズン目の症状ピーク期間における平均値の差 投与群 TO-194SL 群 プラセボ 群 例数 平均値± 標準偏差 241 4.00±2.99 241 5.71±3.70 1)Student t 検定 2/3 平均値の差 (95%信頼区間) p 値 1) -1.71(-2.31,-1.11) <0.0001 【安全性の要約】 有害事象は TO-194SL 群で 212 例 (79.7%),プラセボ群で 189 例(71.3%) に発現した。全身性のアナフィラキシーは発現しなかった。 治験薬との因果関係が否定できない有害事象(副作用)は,TO-194SL 群で 36 例(13.5%),プラセボ群で 14 例(5.3%)に発現した。 本治験で重症度が高度な副作用は発現しなかった。TO-194SL 群で中等 度を示した副作用である咽喉刺激感,発声障害,中毒性皮疹について は,本剤を投与する際に注意が必要な事象と考えられた。その他の副 作用はすべて軽度であった。 【結論】 TO-194SL は,スギ花粉症による鼻症状及び眼症状を改善し,レスキュ ー薬の使用を減少させ,花粉シーズンにおける QOL を改善させた。 TO-194SL は,局所の有害事象のみであり忍容性が良好であった。 本概要の作成日 2015 年 1 月 14 日 3/3
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