リチウムビナフトラートを触媒とした不斉共役付加反応 Lithium

第 25 回記念福岡シンポジウム Poster 発表応募用紙
リチウムビナフトラートを触媒とした不斉共役付加反応
Lithium binaphtholate catalyst for asymmetric conjugate additions
守谷美友紀 1、小谷俊介 1,2、中島 誠 1(熊本大院薬 1、熊本大院先導機構 2)
当研究室では、構造修飾および取り扱いの容易な不斉塩基としてリチウムビナフトラートに着目
し、これを触媒とする様々な不斉反応の開発を行ってきた。今回、キラルなリチウムビナフトラー
トが、これまでエナンチオ選択性の獲得が困難であった鎖状-アルキル--ケトエステルの不斉共役
付加反応における有効な触媒となることを見出したので以下に報告する。
(R)-3,3’-I2-BINOL(1a)と水酸化リチウムから調製したリチウムビナフトラート
を触媒として、ジエチルエーテル溶媒中–23°C にてケトエステル 2a とビニルケト
ン 3x の反応を行った(表 1、エントリー1)。その結果、良好な化学収率および高
い立体選択性にて第四級不斉炭素中心を有する Michael 付加体 4ax を得ることに成
功した。さらに、本触媒が様々な基質において非常に高いエナンチオ選択性にて
望みとする Michael 付加体 4 を与えることがわかった(エントリー2-8)。
リチウムビナフトラート触媒はアゾジカルボニル化合物への付加反応にも有効であり、(R)-1b よ
り調製したリチウムビナフトラートを触媒としてケトエステル 2a とアゾジカルボニル化合物 5 と
の反応を行うと、
高収率かつ高エナンチオ選択的にアミノ化体 6 が得られることを見出した
(式 1)
。
<参考文献>
1)S. Kotani, M. Moritani, M. Nakajima Org. Lett. 投稿中
発表者紹介
氏名
守谷美友紀(もりたにみゆき)
所属
熊本大学大学院薬学教育部
創薬・生命薬科学専攻
学年
博士前期課程 2 年
研究室
分子薬化学分野