誤差伝播の法則(1) – m個の変数(x1, x2, … , xj, … , xm)があり,それぞれ の変数の測定値の標準偏差(精度)が(σ x1, σ x2, … , σ xj, … , σ xm)であるとする. – y = f ( x1 , x2 ,L, xm ) という関係式によって変数 y の 値を間接的に測定するとき,y の標準偏差はどうな るかを考える. y = f (x) m=1で,独立変数 x が1つしかない場合 のイメージ図 σy y σx 0 x 平成27年度都市環境学科測量学 103 誤差伝播の法則(2) 独立 変数 1つ 2つ 3つ以上 ① ② ③ 線形 線形 Y = aX Y = a1 X 1 + a2 X 2 Y = a1 X 1 + a2 X 2 + a3 X 3 + L ④ ⑤ 非線形 Y = f ( X ) Y = f ( X1, X 2 ) 平成27年度都市環境学科測量学 104 誤差伝播の法則―線形・1変数(1) • ①線形で1変数の場合 – 真値が X である量 x を直接測定し,真値が Y である量 y を 間接的に推定したい.真値 X と真値 Y との間に,a を 定数として,常に Y = aX なる関係式が成立するものとす る.このとき,変量 x の n 回の観測値の精度σx に基づい て,変量 y の推定値の精度σy を推定したい. 平成27年度都市環境学科測量学 105 誤差伝播の法則―線形・1変数(2) 平成27年度都市環境学科測量学 106 誤差伝播の法則―線形・1変数(3) 平成27年度都市環境学科測量学 107 誤差伝播の法則―線形・2変数(1) • ②線形で2変数の場合 – 真値が X1 および X2である量を直接測定し,真値が Y であ る量を 間接的に推定したい.真値 X1 および X2 と真値 Y と の間に,a1 およびa2を定数として,常に Y = a1 X 1 + a2 X 2 な る関係式が成立するものとする.このとき,真値 X1 および X2 の n 回の観測値の精度σx1およびσx2 に基づいて,真値 Y の推定値の精度σyを推定したい. 平成27年度都市環境学科測量学 108 誤差伝播の法則―線形・2変数(2) 平成27年度都市環境学科測量学 109 誤差伝播の法則―線形・2変数(3) 平成27年度都市環境学科測量学 110 誤差伝播の法則―線形・3変数以上 • ③線形で3変数以上の場合 – 真値が X1 , X2, …, Xmであるm個の量を直接測定し,真値 が Y である量を 間接的に推定したい.真値 X1 , X2, …, Xm と真値 Y との間に,a1 , a2 , …, amを定数として,常に Y = a1 X 1 + a2 X 2 + L + am X m なる関係式が成立するものと する.このとき,真値 X1 , X2, …, Xmのn 回の観測値の精 度σx1 , σx2 , …, σxm に基づいて,真値 Y の推定値の精度 σyを推定したい. 2変数の時と同様に, 平成27年度都市環境学科測量学 111 誤差伝播の法則―非線形・1変数(1) • ④非線形で1変数の場合 – 真値が X である量を直接測定し,真値が Y である量を 間 接的に推定したい.真値 X と真値 Y との間に,常に理論 的に Y = f ( X ) なる関係式が成立するものとする.このと き,真値 X の n 回の観測値の精度σxに基づいて,真値 Y の推定値の精度σyを推定したい. 平成27年度都市環境学科測量学 112 誤差伝播の法則―非線形・1変数(2) 平成27年度都市環境学科測量学 113 誤差伝播の法則―非線形・1変数(3) f ( a + h) − f ( a ) f ' (a) ≈ h 平成27年度都市環境学科測量学 114 近似式の図解 平成27年度都市環境学科測量学 115 誤差伝播の法則―非線形・1変数(4) 平成27年度都市環境学科測量学 116 誤差伝播の法則―非線形・2変数(1) • ⑤非線形で2変数の場合 – 真値が X1 および X2である量 x1および x2を直接測定し,真 値が Y である量 y を 間接的に推定したい.真値 X1 および X2 と真値 Y との間に,常に Y = f ( X 1 , X 2 ) なる関係式が 成立するものとする.このとき,変量 x1 および x2 の n 回の 観測値の精度σx1およびσx2 に基づいて,変量 y の推定値 の精度σyを推定したい. 平成27年度都市環境学科測量学 117 誤差伝播の法則―非線形・2変数(2) 平成27年度都市環境学科測量学 118 誤差伝播の法則―非線形・2変数(3) 平成27年度都市環境学科測量学 119 近似式の図解 ① = f ( a + h, b ) − f ( a , b ) ② = f ( a, b + k ) − f ( a, b) ③ = f (a + h, b + k ) − f (a, b) ≈ ① + ② と考える 平成27年度都市環境学科測量学 120 誤差伝播の法則―非線形・2変数(4) 平成27年度都市環境学科測量学 121 誤差伝播の法則―非線形・2変数(5) 平成27年度都市環境学科測量学 122 偏微分の例 平成27年度都市環境学科測量学 123 線形な関数の誤差伝播則の例(1) 平成27年度都市環境学科測量学 124 線形な関数の誤差伝播則の例(2) 平成27年度都市環境学科測量学 125 非線形関数の誤差伝播則の例(1) • 縦 x1 ,横 x2 の長方形の面積 S S = S ( x1 , x2 ) = x1 x2 – 縦の長さ x1 ,横の長さ x2 の分散をそれぞれ,σ 2 および σ x とするときの,面積 S の分散 2 σ S を知りたい. 2 , x1 2 平成27年度都市環境学科測量学 126 非線形関数の誤差伝播則の例(2) x1 x2 S 平成27年度都市環境学科測量学 127 誤差伝播の法則(まとめ) 平成27年度都市環境学科測量学 128 非線形関数の誤差伝播則の例(3) • 縦断勾配のある道路や斜面を想定した例 L θ A S B S = L cos θ σ θ = 1' = π 180 × 60 ≈ 1 に注意 3,437.747 平成27年度都市環境学科測量学 129 非線形関数の誤差伝播則の例(4) S = f ( L, θ ) 1 rad = 3,437' 平成27年度都市環境学科測量学 130
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