7.4 必要保有水平耐力 7.4.1 基本事項 7.4 必要保有水平耐力 7.4.1 基本事項 INDEX: 複数棟の必要保有水平耐力 必要保有水平耐力は解析終了変形時のヒンジおよび応力状態から、メカニズム状態のヒンジおよび応力 を計算し、部材ランクの集計および Ds 値の決定までを内部処理する。剛性率、偏心率による Fs、Fe は 内部計算によるが、Fs、Fe、Ds 値の入力があった場合はその値を用いる。 Fs、Fe は直接入力することが可能であるが、直接入力した場合は警告メッセージが出力される。 Fs、Fe の算定には指定により弾性解析、非線形(NL)解析、弾性・非線形(NL)解析結果のいずれかを用 いることができ、小梁・スラブ上の壁(非構造壁)の剛性の取扱いについても指定によりユーザー指定、 全て考慮・全て無視のいずれかを用いることができる。各解析結果の中で最も厳しい値(最大値)を各 階毎に設定し(加力方向は区別せず、正負加力で同じ値とする) 、Fes を算定する(Fes=当該層の Fe の最 大値×当該層の Fs の最大値」により算定する。 ① 必要保有水平耐力の算定方向は保有水平耐力計算用の荷重に対し別途指定する(特に連動してい ないので不整合な指定をしないよう注意する) 。保有水平耐力計算用の荷重は常に正負が設定され るので、必要保有水平耐力も荷重の正負に対応した耐力が計算される。 ② 「崩壊形判定」を「余耐力法 2」と指定した場合は、解析終了の判定を行う。ここで解析終了の 判定とは、③において全体崩壊メカニズムの形成を前提として計算するための前提条件として、 建物を一質点系とみなして十分な変形結果であること、また各階の荷重変形関係から部分崩壊形 でないことを確認する。 ③ 「崩壊形判定」を「余耐力法 1(デフォルト) 」または「余耐力法 2」と指定した場合は、それぞ れの計算方法によって、解析終了時の応力と部材耐力の比から余耐力を計算し、仮想ヒンジを想 定し、全体崩壊メカニズムを形成する。 ④ 「崩壊形判定」を「余耐力法 2」と指定した場合は、部材の余耐力から建物全体における応力割 増係数を計算し、解析終了時の応力に乗じてメカニズム時の部材応力を計算する。それ以外を指 定した場合は、 「メカニズム時の部材応力」=「解析終了時の部材応力」として計算する。 ⑤ 必要保有水平耐力算定時における構造種別は階毎に保有水平耐力時の構造種別毎に耐力の算定方 向成分を集計し、最大の耐力の構造種別を採用する。構造種別決定表が出力される。 ⑥ 部材の構造種別に従って部材ごとに部材ランクを決める計算する。 部材ランクを直接入力している場合は、入力した部材ランクを用いて計算する。ただし、直接入 力した旨の警告メッセージが出力される。 ⑦ 部材ランク別集合の耐力比から部材群ランクを決める。 ⑧ 部材群耐力とそのランクは Ds 値算定表として出力される。 ⑨ 耐力壁群(ブレース群)のランクおよび耐力壁群(ブレース群)と柱群の耐力比と柱群のランク から Ds 値を決める。 ⑩ Ds 値決定時の構造種別は階毎に決定した構造種別による。 ⑪ 必要保有水平耐力は基準層せん断力(Qud)と Ds および Fes(偏心率、剛性率より算定)から算 定する。 B-7.4.1-1 7.4 必要保有水平耐力 7.4.1 基本事項 (1)複数棟の必要保有水平耐力 複数棟の必要保有水平耐力は独立ブロックについて計算する。 Ds 値は従属ブロックを持つブロックでは独立ブロックに従属ブロックを合わせた範囲を 1 ブロックと して計算する。 Fs、Fe は既に独立ブロックについて計算されているので、それを用いる。 保有水平耐力と必要保有水平耐力は独立ブロックごとに検定される。 B-7.4.1-2
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