国内IoT(Internet of Things)市場予測を発表

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国 内IoT(Internet of Things)市場予測を発表
ICD Japan
2014年の国内IoT市場売上規模は9.4兆円
2019年には16.4兆円に達する見通し
IDC Japan(以下、IDC)は、国内 IoT(Internet of Things)市場予測を発表した。今回の調査では国内 IoT 市場について、
2014 年の市場規模の実績を算出すると同時に 2015 年~ 2019 年の市場規模予測を行っている。
IDC で は IoT を「IP 接続 によ る
Rate) は、 そ れ ぞ れ 11.4 % お よ び
3 つの方向に IoT ビジネスを拡大させ
通信を、人の介在なしにローカルま
11.9%という非常に早いスピードで
ていく上での、プロセス簡略化やコス
たはグローバルに行うことができる
成長することが見込まれる。テクノ
ト合理化といった「How」の面で大き
識別可能なエッジデバイス(モノ)
ロジー要素別にみた場合、IoT デバ
な役割を果たしているためだ。
からなるネットワークのネットワー
イスの額は予測期間前半において
IDC Japan コミュニケーションズ
ク」と定義している。そして今回の
IoT 市場全体の 8 割∼ 9 割を占める
マーケットアナリストの鳥巣悠太氏
調査より初めて、
国内 IoT 市場を「①
ことが判明した。一方で予測期間の
は「IoT ベンダーにとって、短期的
インテリジェントシステム/エッジ
後半においては、IoT デバイスのコ
には特定の垂直市場に強みを持つ
デバイス(以下 IoT デバイス)
」
、
「②
モディティ化が進み、IoT 市場全体
パ ー ト ナ ー と の 提 携 と、IoT ソ
通信モジュール、通信回線、通信機
に占める割合も 7 割台に下落し、そ
リューションの試験的な導入環境を
器」
、
「③ IoT プラットフォームソフ
れを補完する形で、他の技術要素が
積極的に提供していくことが勝ち
トウェア」
、
「④アナリティクスソフ
じりじりとその売上割合を増やして
残っていくために重要になる。また
トウェア」
、「⑤ IoT インフラストラ
いくというのが全体的なトレンドだ。
中長期的にはグローバルエコシステ
クチャ」
、
「⑥垂直市場ソリューショ
国内 IoT 市場は、事業者間の競争
ムの中での存在感の確立と、業界一
ン/専門サービス」、
「⑦セキュリ
激化、サービス利用コストの低廉化、
丸での関連法規制改善に向けたアク
ティサービス」という 7 つのテク
通信や分析技術の向上、周辺環境の
ションが必須になる」と語っている。
ノロジー要素に分類し、各要素別の
充実といった成長促進要因に継続的
なお、今回の発表は、IDC が発行
市場予測を実施している。
に支えられてきている。特に 2015 年
したレポート「国内 IoT 市場 2014
IDC では 2014 年の国内 IoT 市場
に向けては、IoT ソリューションの「導
年の推定と 2015 年∼ 2019 年の予
における IoT デバイスの普及台数は
入主体/形態の拡大(Who)
」
、
「導入
測」(J15040101)にその詳細が報
5 億 5,700 万 台、 売 上 規 模 は 9 兆
目的の拡大(Why)
」
、
「導入機器/場
告されている。本レポートでは、国
3,645 億 円 で あ っ た と み て お り、
所の拡大(What / Where)
」という
内 IoT 市場に関し市場規模予測と市
2019 年には同市場の IoT デバイスの
3 つの方向に対するビジネス拡大が、
場分析が行われている。
普及台数は 9 億 5,600 万台、売上規
加速し始めていると IDC ではみてい
模は 16 兆 4,221 億円に達すると予
る。そしてそこには、IoT 用途に特化
測している。予測期間内(2014 年
したプラットフォームの存在が大きく
IDC Japan 株式会社 セールス
∼ 2019 年 ) の 年 間 平 均 成 長 率
関わっているものと考えられる。なぜ
TEL:03-3556-4761
(CAGR:Compound Annual Growth
なら IoT プラットフォームは、上記の
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E-mail:[email protected]
ビジネスコミュニケーション 2015 Vol.52 No.3