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感想文2回生参加者:
琉球新報社を訪問して
沖縄研修の 2 日目に琉球新報社を訪問した。まず、編集局長の潮平さんと次長の松元さ
んに沖縄の新聞の特徴や基地問題などについてお話を聞いた。新聞の特徴には、沖縄の文
化や風土、歴史を伝えることが挙げられるが、特に強調されていたのは沖縄の民意を全国
に発信することだ。本土の新聞やテレビでも沖縄に関する報道はされているが、完全に沖
縄の人々の声を伝えることはできていない。基地が身近にない関西では平気でテレビ番組
でヘイトスピーチに近い発言をしている、という松元さんの言葉は今までそのように感じ
たことのない自分と沖縄の人々の間にズレがあることを実感させられた。離れた土地でも
現地の声を得る手段としてメディアはあるべきだと考えていたが、同じ思いを共有するこ
とは難しいと思った。だからこそ地方紙は現地の本当の声を知ることができるものでなく
てはいけないのだと思う。本土との考えの差や解決すべき問題が多くある沖縄では地方紙
の役割をより感じた。
その後、新聞博物館も訪問した。館長さんに案内していただき、沖縄の歴史や戦後新聞
はどのように沖縄を伝えていたかを学んだ。沖縄はアメリカに統治されていたのを除けば
日本になってまだ 100 年もたっていない、という事実を初めて知り、沖縄は少し遠い存在
のようにも感じた。また、アメリカ統治下の時代も含めた過去の新聞や写真を見て、沖縄
は常に戦っているという印象を受けた。それはすべて基地が集中していることが原因であ
る。基地問題は沖縄の人々の声を反映させ、民主主義の国らしい解決をしてほしい。
最後に印刷工場の見学までさせていただいた。工場の大きな紙のロールや天井まで伸びる
リフトは圧巻だった。
政治や軍事面において変化が起こっているこの時期に沖縄で生の声を聴けたことは、今
後の自分の判断に大きな影響を与えるだろうと思う。また、沖縄が抱える問題の深刻さも
改めて感じた。地元の声を伝える地方紙の重要性、そしてメディアのあるべき姿を考えさ
せられ、メディアを学ぶ者として収穫の多い訪問であった。
琉球新報社でお話を聞いて
9 月 21 日から 24 日にかけて行われた渡辺ゼミ合宿で琉球新報社を訪問した。琉球新報
は 1893 年(明治 23 年)に刊行され、以来沖縄で古くから親しまれている。沖縄県が持つ独
特の文化や歴史的背景を伝えていくことはもちろん、沖縄県民の民意を政府に対して伝え
ていくのに大変大きな任務を担っている新聞だ。会社は沖縄県の県庁所在地である那覇市
にある。私たちは社に到着してすぐに現編集局長である潮平芳和氏と次長である松元剛氏
のお話を伺った。お話のなかでもっとも印象的であったのは沖縄県に存在する米軍基地問
題についての本州のメディアと沖縄のメディアのなかで認識の差が存在する、ということ
である。私達は本州に在住しており、今までニュースなどで基地問題について取り上げら
れていたとしても現実味がなく、どこか他人事のように感じていた気がする。しかし、沖
縄県に住む人々にとっては米軍の兵士による犯罪行為や戦闘機の訓練による騒音は日常生
活を脅かす、耐え難い苦痛である。
琉球新報は政府に対する県民たちの訴えを丁寧にとらえて、報じる重要な任務を背負っ
ているのだということがわかった。また、私は米軍基地関連の仕事が無ければ、県民の所
得に大きな影響を及ぼすのではないかと考えていたが、実際は5パーセントほどであると
知り、その影響の少なさに非常に驚いた。終盤に行われた質疑応答の時間では琉球新報社
には地元出身の記者の方が何割くらいおられるか、沖縄ならではのビジネスマンの服装「か
りゆし」などについてお二人が丁寧に解答してくださった。記者志望の学生も多い私たち
にとって非常に刺激的で興味深いお話であった。今回、お話を参考にして今後もさらに研
究を進めていきたい。
琉球新報社を訪れて
沖縄研修2日目に、沖縄県初の新聞を発行した「琉球新報社」を訪れた。潮平芳和編集
局長、松元剛編集局次長から『琉球新報』の特徴や信念を伺うことができた。琉球新報は、
戦争や米軍基地問題など、沖縄県はもちろん、日本という国にとっても重大な問題につい
て沖縄県民とともに考えていこうとする「シビック・ジャーナリズム精神」を最も大切に
していることが伺えた。また、問題の真相を知るために、今後どのように情報を得ていく
べきかを学んだ。
9月21日付琉球新報には、見開きで「日曜オピニオンプラス―読者でつくる広場」と
いうコーナーが設けられていた。そこでは、社会問題に対する住民らの様々な考えや記者
の声などが掲載されていた。潮平氏、松元氏によれば、琉球新報では週に2回この見開き
のコーナーを設けているのだという。オピニオン面は、老若男女問わず様々な人々が自由
に意見を投稿できるのに加え、読者が同時に複数人の考えを知ることのできる重要なコー
ナーだと私は思う。本州の各地方紙でも、住民の声を反映していくことの大切さを主張し
てはいるが、オピニオン面にこれほどまでに紙面を割いている新聞は初めて見たため、両
氏の「沖縄の民意を発信していく」という言葉は本物であると感じた。
また両氏は米軍基地問題について、現地で取材をし続けているからこそ見えてくる「真
実」についても話してくださった。
「真実は地方紙にある」という潮平氏の言葉は、強く印
象に残っている。それゆえに今後私は「真相はどうなのか」を知るために、全国紙で大ま
かに問題の概要を知った後、該当地域の新聞社のホームページにアクセスし、より詳細な
情報を得ようと心に誓った。なぜなら、地域は違えど自国の問題に変わりなく、決して他
人事ではないからである。
将来、地方紙の記者として問題の実態を追いかけたいと考えている身としては、今回の
琉球新報社訪問は大変貴重な経験であった。私自身も「市民とともに」というモットーを
大切にしていこうと思った。また、物事の実相を知るための努力を惜しまないようにしよ
うと思った。