「 信 義 に も と る 」と 國 場 組 は 激 怒 新 報 の「 不 買 運 動 」で 徹 底

事者である琉球新報社は「根拠が
ついて率直な感想を漏らした。当
間で広がっている〝うわさ話〟に
「あんなやり方はひどい」─。
ある地元経済人は、主要経済人の
れたが、これまでの施工実績と技
琉球新報社の新社屋の建設計
画は、 社による競争入札で行わ
地元経済人)というものだ。
底抗戦を断行している」
(前出の
ープによる新報への不買運動で徹
るやり方に國場組が憤慨し、グル
された。その過程での信義にもと
金秀建設を主体にしたJVが形成
い。しかし、同社は「各社の見積
ただ、琉球新報 社と國場 組は
正式に契約を交わしたわけではな
っていた。
ことも周囲のそのような見方にな
術を要する」
(地元建設関係者)
多用するなど「相当、高 度な技
をイメージした外観で、ガラスを
ークを標ぼうする新社屋は帆船
部の新 しいランドマ
将会長)傘下の金秀建設を主体
したのは、金秀グループ(呉屋守
外された」
(同)という。代わって、
で詳しい説明もないまま一方的に
の全体計 画がほぼ確定した段階
ところが、
「見積書の再々提出後
工計画を提出していた」
(関係者)
。
期短縮やコストダウンを含めて施
て打ち合わせを行い、さらなる工
琉球新報社と正式に契約を交わ
主要経済人の間では「相当、信ぴ
術力から「國場組が外れることは
とするJVで、前出経済人の「信
ない」と静観しているが、地元の
ょう性が高い」と受け取られてい
額がそろった後も約 カ月を掛け
琉球新報社の新本社ビル建設予定地と現在の社屋(右)
ないだろう」と見られていた。現
!!
る。その内容を要約すれば「新社
た企業から國場組が突然外されて、 球新報社が、市中心
た」
(同)からだ。琉
ないということもあっ
屋の特殊な工法を手
ぱらの見方で、
「新社
だったというのがもっ
提示したのが國場組
社の中で最低価格を
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Zaikai Kyushu / JUL.2016
琉球新報社の新本社ビル建設めぐる
〝うわさ〟
掛けられるのは、県
に入社に参加した
那覇市の国際通り近くで建設が進む琉球新報社の新しい本社
ビルの建設をめぐり、ある〝うわさ話〟が地元経済界に広がって
いる。応札した 社のうち、提示した条件で最も高い評価を得た
のは地場最大手のゼネコンである國場組(那覇市、國場幸一社長)
だったとされるが、理由もあいまいなまま突然、外されたというの
だ。しかも、翁長雄志県政をめぐり國場組とは相容れない関係に
ある金秀建設主体の共同企業体(JV)が建設することになったこ
内では國場組以外に
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信ぴょう性高い
「うわさ」
新報は
「根拠ない」
と静観
屋の建設に関して、入札に参加し
とが、さまざまな憶測を呼ぶ要因になっている。
「信義にもとる」
と國場組は激怒
新報の
「不買運動」
で徹底抗戦
AREA FOCUS
OKINAWA
の件で完全にキレたのだろう」と
は明白で、別の地元経済人は「こ
程度の生半可な話で終わらないの
びに油揚げをさらわれる」という
ているからだ。國場組にとって「と
が採用しているのでは」と見られ
が提案した建設内容と工法をJV
突なドタキャンに加えて、
「國場組
義にもとる」という発言には、唐
仕組まれたものだとしたら、今後
し、今回の〝騒動〟が、当初から
(同)と称される間柄である。も
問題では「共同歩調をとっている」
の支援と普天間基地の辺野古移設
校時代の同級生であり、翁長県政
ている。富田社長と呉屋会長は高
トップダウンで決定したと言われ
は、琉球新報社の富田詢一社長が
新報がとった手段が、上映映画と
わけにはいかない。そこで、琉球
って必要な映画情報を掲載しない
琉球新報にすれば、収益源が
絶たれたからと言って、読者にと
ち切ったからだ。
までも琉球新報との広告契約を打
運営している國場組が、映画紹介
マライカム」など複数の映画館を
ンプレックス「シネマQ」や「シネ
「火消しに躍起になることが、か
その理由を、ある地元 経 済 人は
一連の事態に対して、琉球新報
社は現時点まで静観を貫いている。
(別の地元経済人)だからだ。
なかなか踏み切れないのが実情」
の高い企業や県内対象の事業者は、
調したい思いはあっても、公益性
の「地場企業の中には國場組に同
業は少なくないとは言われるもの
払う義務は生じない。しかし「こ
契約を正式に締結していなかっ
たため、琉球新報社に違約金を支
りと新聞の不買運動だ。左下の画
た國場組による広告掲載の打ち切
一連の話題の信ぴょう性を高め
る要因となっているのが、先述し
ープが〝蜜月の関係〟であること
ことで、
「琉球新報社と金秀グル
測する。この問題は、地元メディ
はさらに國場組との関係だけでな
の背景に、政治的な対立意識があ
像は、國場組がとった琉球新報社
だけにとどまらず、同調する動き
國場社長の気持ちを推測する。現
るのならば、最初から入札業者に
への対抗手段の一つとされる。手前
アも取り上げていないため、あえ
えって事実と認めているように勘
國場組を加えるべきじゃない。社
が琉球新報、奥が沖縄タイムスに
が出てくる可能性も否 定できな
上映時間のみを掲載するという方
会倫理的な問題だ」と別の地元経
おける映画紹介欄である。両紙の
て反証する必要がないということ
く地元主要経済界とも相当根深い
済人は憤りを隠さない。今後、國
大きな違いは、琉球新報には各映
い。しかし、大きなうねりとなる
在、國場グループ全体で琉球新報
場組との関係修復し難いほどに悪
画館の問い合わせ番号やホームペ
も理由だろう。負の作用を想定し
繰られることを避けている」と推
化することは明らかだ。琉球新報
ージアドレスといった、本来あるべ
かどうか不透明だ。琉球新報の報
法だった。今後は、関係グループ
社が國場組の不買運動を想定して
き情報が記載されていない。さら
ながらも今回の判断に踏み切った
遺恨が生まれることは間違いない。
いたかどうかは分からないが、負の
に、タイムスには映画ポスターの
道姿勢に疑念を抱いている地元企
の購読と広告の掲載をストップさ
せている。ちなみに、JVは金秀
社はい
建設のほか大米建設と仲本工業で
構成されているが、この
影響を被ってまで、そうした対応
縮小版があるが、新報には掲載さ
國場組は
「徹底抗戦」
に
全グループで不買運動
に出た理由は何だったのだろうか。
れていない。その理由は、シネマコ
が一層鮮明になった」
(同)と見る
向きは多い。ただ、翁長県政を支
えていると見られている〝一部の
が か い
経済人〟と呉屋氏との関係は、「実
質的には瓦解している」
(前出の
地元経済人)と言われている。こ
の話題はネットでも拡散しており、
琉球新報社の静観が「沈黙は金」
という結果をもたらすのかは、時
間の経過とともに証明されること
になりそうだ。
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ずれも入札参加していた。
新社 屋に関する〝國場 外し〟
琉球新報と沖縄タイムスの映画情報欄。手前の新報には、本来あるはず
の情報が掲載されていない
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