「不動産登記規則第93条不動産調査報告書」記載要領 第1 土地・建物に共通する記載事項 1 作成年月日 不動産調査報告書を作成した年月日を記載する。 2 作成者 土地家屋調査士又は土地家屋調査士法人の代表者が,電子署名又は記名押印 する。また,連絡先の電話番号も記載する。 3 所属会 土地家屋調査士又は土地家屋調査士法人が所属する土地家屋調査士会の名称 を例のような振合いで記載する。 例:東京会,鹿児島会 4 登録 日本土地家屋調査士会連合会に備えられた土地家屋調査士名簿の登録番号を 記載する。五けたの算用数字とし,五けたに満たない場合は先頭からゼロを記 載する。 例 : 00804 5 報告書 土地家屋調査士又は土地家屋調査士法人が,年ごとに更新した報告書番号を 記載する。七けたの算用数字で先頭の数字は西暦の下二けたとし,各報告書番 号が五けたに満たない場合は先頭にゼロを挿入する。 例 : 0700033( 2007 年 の 33 番 の 報 告 書 ) 6 記載方法 チェックボックスでは,該当する項目の□の中にレ点,●,■等の見やすい 印を付ける。該当する項目が複数ある場合は,それぞれ印を付ける。該当する 項目の表示がない場合は,その他に印を付け,「その他( )」の ( )内に項目を記載する。 なお,当該箇所に記載できない場合には,適宜「備考」又は「特記事項」欄 に記載する。 ( )章以降 無 ある章以降に報告事項がない場合には,「( )章以降 無」欄の ( )内に章番号二けたを記入する。建物の場合は,普通建物,区分建物 又はその両方のいずれにかかる申請であるかを区別し,該当するチェックボッ クスに印を付ける。調査を行った項目の中で,特別に記載すべき事項がある場 合は「特記事項」欄を,参考すべき事項がある場合は「備考」欄に記載する。 調査項目中,特別に報告すべき事項がある場合は「報告事項」欄に,不動産 調査報告書による各詳細項目の包括的な報告がある場合は「総合報告」欄に記 載する。 1 7 画像情報 画像情報は,画像データのほか,不動産調査報告書毎の通し番号である 「 画 像 資 料 No」 及 び 説 明 を 「 摘 要 」 欄 に 記 載 し , 撮 影 又 は 作 成 の チ ェ ッ ク ボ ックスに印を付け,撮影又は作成年月日を記入する。また,画像情報の撮影 方向等は,調査素図に記載する。 8 調査素図 調査素図は,調査概要の補助資料として現況図,網図等を記載する。 調査素図は,登記所以外の資料として,土地第Ⅱ編第6章又は建物第Ⅱ編第 8章「登記所以外の資料」に記載する。 9 不動産調査報告書の書面出力の規格 不動産調査報告書を書面に出力する場合は,日本工業規格 A 列 4 版とする。 2 第2 土地の不動産調査報告書記載事項 Ⅰ編 基礎情報(登記記録又は申請情報) 登記記録等の情報又は申請情報を記載する。 (01)登記(業務)の目的 申請する登記等の目的に該当する項目のチェックボックスに印を付け る。登記の目的が複数ある場合,複数の該当する項目のチェックボック スにそれぞれ印を付ける。 該当する項目がない場合は,「その他( )」のチェックボック スに印を付け( )内に,その目的を記載する。 (02)申請対象土地 申請の対象となる土地の所在,登記記録又は申請情報の別,地番等を 記載する。申請情報に関しては,予定地番及び符号を記載できる。 (03)申請人及び利害関係人 申請の対象となる土地の情報として,申請人及び利害関係人等の権利 の種別,住所又は所在地及び氏名又は名称を記載する。また,申請人の 本人確認及び登記申請意思の確認の方法について記載する。 (04)隣接関係等 申請の対象となる土地の隣接地番,所有者等の情報で,登記記録によ り調査した情報を記載する。 Ⅱ編 資料に関する調査又は確認 対象土地に係る資料の調査結果及び資料の内容等について記載する。 なお,記載する情報は,添付情報のみとは限らない。 (05)登記所備付資料 登記所に備え付けられた登記記録以外の資料について,調査した資料の名 称及びその内容,活用方法,確認年月日等の情報を記載する。地図番号等の 記載が必要な場合は,備考欄に記載する。 (06)登記所以外の資料 登記所以外で管理,保管されている資料等について,調査した資料の 名称及びその内容,活用方法,確認年月日等の情報を記載する。 (07)所有に係る資料 所有者又は所有権を証する情報について,調査した資料の名称及びそ の内容,活用方法,確認年月日等の情報を記載する。 (08)官公署の許可等 登記所以外の官公署が作成,管理している資料等について,調査した 資料の名称及びその内容,活用方法,確認年月日等の情報を記載する。 3 Ⅲ編 対象土地の特定に関する現地調査 当編以下の章については,現地等において「Ⅰ編基礎情報(登記記録又は 申請情報)」と「Ⅱ編資料に関する調査又は確認」の情報とを比較し,調査 した事項を記載する。本編においては,主に対象土地の特定について,現地 等において調査した事項,所有権に関する調査事項,合筆又は分筆登記の特 記事項について記載する。また,隣接地について,必要に応じ調査した事項 及び申請地との位置関係を記載する。 (09)土地の区画・形状調査・確認 申請の対象となる土地の区画形状,区画線,配列等に基づいて,当該 土地を特定するに至った経緯等,現地調査の結果を記載する。 (10)占有状況・利用状況の調査 申請の対象となる土地の現況,利用状況,利用目的,占有状況,区域 等について,調査した事項を記載する。土地の地目の状況に関する調査 等では,原因及びその日付についての調査結果も記載する。 (11)所有権調査 所有者又は利害関係人等との面談による調査,申請の対象となる土地 の所有権を証する情報との比較等に基づき,所有権の確認等,調査結果 を記載する。 (12)合筆の特記事項 申請の対象となる土地の合筆制限の調査及び現地調査の結果等,必要 な事項を記載する。 (13)分筆の特記事項 分割後の土地に関し,分割後の土地の表示,分割点の符号,分割後の 地目,地役権,権利の消滅承諾等の必要な事項を記載する。 Ⅳ編 対象土地に関する筆界の確認 対象土地の筆界の調査に関し,立会が行われた状況及び確認作業の実施状 況等を記載する。 (14)登記所備付地図の種類 申請の対象となる土地の登記所備付地図等の精度区分及び現地との整 合性等について,調査した事項を記載する。 立会人並びに筆界確認及び境界標の状況 申請地及び隣接地の別,該当地番を記載する。また既存図面等を調査素 図として用い説明しても良い。 (15)既提出の地積測量図との関係 既提出の地積測量図の有無及び作成年月日を記載する。既提出地積測 量図の作成経緯,精度等を調査し,現地との整合性について記載する。 4 (16)境界標の状況,立会の態様,筆界確認の方法 「境界標の状況」欄には,境界標の有無,境界標の既存新設の別,点数, 標識の種類等を記載する。 「立会の態様」欄には,立会人の住所,氏名,権限及びその確認方法等 を記載する。 「筆界確認の方法」欄には,筆界の復元又は確認の方法及び明示の状況 等,筆界確認の経過及び結果を記載する。 Ⅴ編 地積の測量方法に関する情報 対象土地の地積,筆界点の位置等を明らかにするため調査測量を実施した 場 合 は , そ の 方 法 , 内 容 , 座 標 系 の 扱 い ,成 果 等 に つ い て 記 載 す る 。 (17)基本三角点等・恒久的地物(登記基準点・参照点等)からの測量 基本三角点等の符号及び名称,既知点・新点の別,標識,恒久的地物 の種類,データ種別,座標系,変換方法,使用機器,観測の方法,精度 管理,測量年月日,座標値,作業内容等を記載する。 (18)筆界点測量 「画地調整」欄には,復元型画地調整,分筆型画地調整の別,条件,調 整計算資料等を記載する。調査素図で説明をすることもできる。 「細部測量」欄には,筆界点名又は符号,既設・新設の別,使用機器, 測量者,観測の方法,測量年月日等を記載する。 (19)求積方法 申請情報の測量成果について,地番,計算方法,登記記録との差等を 記載する。 (20)誤差の許容限度 地域区分,精度区分における,位置,辺長,面積等の誤差を確認し, その内容を記載する。 5 第3 建物の不動産調査報告書記載事項 Ⅰ編 基礎情報(登記記録又は申請情報) 登記記録等の情報又は申請情報を記載する。 (01)登記(業務)の目的 申請する登記等の目的に該当する項目のチェックボックスに印を付け る。登記の目的が複数ある場合,複数の該当する項目のチェックボック スにそれぞれ印を付ける。 該当する項目がない場合は,「その他( )」のチェックボック スに印を付け( )内に,その目的を記載する。 (02)申請対象建物の敷地 申請の対象となる建物等の敷地の所在,地番,地積等を記載する。 (03)申請対象建物 申請の対象となる建物の登記記録又は申請情報の別,種類等を記載す る。申請情報に関しては,予定家屋番号等を記載できる。 (04)申請人及び利害関係人 建物の申請人及びその敷地に係る権利者等に関する登記記録の情報又 は申請情報を記載する。また,申請人の本人確認及び登記申請意思の確 認の方法を記載する。 (05)隣接関係等 申請の対象となる建物の敷地の隣接地番を記載する。その所有者等に 関する情報は,備考欄を使用する。 (06)同一敷地内の建物 申請の対象となる建物の敷地内における申請対象建物以外の建物等の 有無,類似建物の調査結果等を記載する。 Ⅱ編 資料に関する調査又は確認 対象建物に係る資料の調査結果及び資料の内容等について記載する。 なお,記載する情報は,添付情報のみとは限らない。 (07)登記所備付資料 登記所に備え付けられた登記記録以外の資料について,調査した資料 の名称及びその内容,活用方法,確認年月日等の情報を記載する。地図 番号等の記載が必要な場合は,備考欄に記載する。 (08)登記所以外の資料 登記所以外で管理,保管されている資料等について,調査した資料の 名称及びその内容,活用方法,確認年月日等の情報を記載する。 6 (09)所有に係る資料 所有者又は所有権を証する情報について,調査した資料の名称及びそ の内容,活用方法,確認年月日等の情報を記載する。 (10)官公署の許可等 登記所以外の官公署が作成,管理している資料等について,調査した 資料の名称及びその内容,活用方法,確認年月日等の情報を記載する。 (11)立会人 申請の対象となる建物の調査に関し,立会又は確認した者がいる場合 には,その者の住所,氏名,権限等の情報を記載する。 Ⅲ編 対象建物の特定に関する現地調査 建物及びその敷地の特定に関して,現地において調査した事項等について 記載する。また,既存図面等を調査素図として用い説明しても差し支えない。 建物の所在する土地 (12)敷地の区画・形状の調査・確認 建物の所在する土地の地番の特定について,区画形状,配列等の調査 結果を記載する。 (13)建物所在位置の調査・特定 建物の所在位置について,隣接地及び敷地内の位置関係,方位,既存 図面,二重登記の有無等の調査結果を記載する。 隣接地 (14)敷地の区画・形状の調査・確認 建物の所在する土地の隣接地について,区画形状,配列等の調査結果 を記載する。 Ⅳ編 物理的状況の調査及び確認に関する現地調査 「 Ⅰ 編 基 礎 情 報 (登 記 記 録 又 は 申 請 情 報 )」 並 び に 「 Ⅱ 編 資 料 に 関 す る 調 査 又は確認」及び「Ⅲ編対象建物の特定に関する現地調査」により調査された 事項と比較し, 以下の各章の項目別に,建物等の物理的状況の調査結果を 記載する。各章においては必要に応じて,一棟・専有部分の別,並びに主 (家屋番号)・附(符号)の別を適宜の欄に記載する。 (15)建物の滅失に関する情報 建物等の滅失について,所有権以外の権利,滅失の態様,証明書との 整合,原因及び日付,えい行移転又は所在錯誤の可能性等,調査結果を 記載する。また,跡地利用状況,滅失申請建物等が数棟あり区別が必要 な場合などの事項は,特記事項欄を使用する。 7 (16)建物の認定 建物の認定について,調査結果を記載する。 (17)工事途中の建物認定 工事途中の建物を登記申請する場合に,調査結果を記載する。 (18)区分建物の認定要件 区分建物の認定要件に関する情報について,調査結果を記載する。 (19)所有権調査 所有者又は利害関係人等との面談による調査,申請の対象となる建物 の所有権を証する情報との比較等に基づき,所有権の確認等,調査結果 を記載する。 (20)種類・構造・床面積に関する情報 建物の種類については,利用状況,利用目的,併用の場合の割合等, 建物の構造については,構造材,屋根,階層,併用の場合の割合等,床 面積については,各階床面積,区画線,算入・不算入別,及びその理由 等,調査結果を記載する。 (21)附属建物に関する情報(主従の関係) 附属建物の物理的状況及び申請人の意思等,調査結果を記載する。 (22)建物の表示変更・更正に関する情報 建物の変更・更正事由について,調査結果を記載する。 (23)建物の分割・区分・合併に関する情報 建物の分割,区分及び合併について,要件,利用状況,権利の存否等 の調査結果を記載する。 (24)合体に関する情報 合体に関する事実,所有者等,調査結果を記載する。 (25)敷地権に関する情報 建物の敷地権について,調査結果を記載する。 以上 8
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