血圧コントロール

血圧コントロール
大作戦
医師といい関係を
築きましょう
受診日
日付け
210
200
最大
血圧
高血圧の治療は医師任せではなく、
患者さん自身も
参加して、
二人三脚で進めることがポイントです。
210
200
190
180
最大
170
血圧
160
150
140
130
120
110
100
最小
90
血圧
80
「高血圧治療ガイドライン2009」にも書かれてい
ます。
家庭で測定した血圧や患者さん自身の体調の
変化を医師に正確に伝えることは治療の大きな材
料となります。わからないことや不安なことは医師
に確認し、
患者さん自身でも血圧の変動に気を配っ
ていきましょう。
B404 TM179ロ
2009年2月作成
170
160
150
140
日
受診
け
付
日
特に、
患者さん自身が測定する家庭血圧の重要性は
190
180
130
120
最小
血圧
110
100
90
80
監修：小山市民病院院長島田和幸
血圧について
血圧について
血圧について
1. 血圧ってなんだろう?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2. なぜ血圧が高いといけないの?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
3. 高血圧といわれるのは、どのくらいから?・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
血圧ってなんだろう?
4. 高血圧といわれたら?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
血圧とは、心臓から送り出された血液が血管(動脈の壁)にかける圧力
5. 高血圧は生活習慣病のひとつです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
のことをいいます。
また、
血圧を測定すると上下2つの数値が記録され
食生活でコントロール作戦
食生活でコントロール作戦
ます。上の血圧は、収縮期血圧、
最高(最大)血圧などと呼ばれ、下の血圧
1. 食べた物を記録しましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
は、拡張期血圧、最低(最小)血圧などと呼ばれます。
2. バランスの良い食事をとりましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
心臓がポンプのように収縮と拡張を繰り返すことによって、血液は大
3. 塩分控えめ、
味付けは薄めに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
運動習慣でコントロール作戦
運動習慣でコントロール作戦
1. 体を動かす習慣をつけましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
2. 適正体重を維持しましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
生活リズムでコントロール作戦
生活リズムでコントロール作戦
1. 禁煙しましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
動脈へと送り出され、全身に流れていきます。血圧は、心臓が収縮した
ときに最も高くなり、
拡張したときに最も低くなります。
どちらか一方の
血圧値でも基準を超えると高血圧と診断されます。
最高血圧
2. 節酒しましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
3. リラックスして生活しましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
心臓が収縮したとき
4. 便秘に注意しましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
降圧薬でコントロール作戦
降圧薬でコントロール作戦
1. 自分の飲む薬を知りましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
2. 薬の量や回数は守りましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
3. 飲み合わせに注意しましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
最低血圧
4. 複数の降圧薬を服用することも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
5. 継続して服用しましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
6. 薬を飲み忘れないようにしましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
血圧をよりコントロールするために
血圧をよりコントロールするために
1. 家庭でも血圧を測定しましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
心臓が拡張したとき
2. 家庭血圧の記録は治療に役立ちます・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
3. 家庭で血圧を測定するときの注意点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
4. 正しい測定バンドの巻き方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
2
血圧について
なぜ血圧が高いといけないの ?
血圧が高い状態が続くと血管は弾力を失って、次第に厚く硬くなりま
す。この状態を動脈硬化といいます。動脈硬化になると、血管の内側が
高血圧といわれるのは、
どのくらいから ?
※
「高血圧治療ガイドライン2009」
では、
収縮期血圧(上の血圧)が
140 90
140mmHg以上、
あるいは拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上を
せまくなるため、十分な血液を送ることができなくなり、脳卒中・腎不
高血圧と定めています。
全・狭心症などの心臓疾患を引き起こす原因となります。また、心臓は
※
「高血圧治療ガイドライン2009」
：日本高血圧学会により作成された高血圧治療の指標となるものです。
収縮期血圧（上の血圧）
高い血圧で血液を送り出さなければならず、負担がかかり心肥大を発
拡張期血圧（下の血圧）
●成人における血圧の分類
症することになります。
日本高血圧学会
(mmHg)
高血圧
III度高血圧
180
収縮期血圧
II度高血圧
160
動脈硬化・心肥大
I度高血圧
140
130
脳卒中・腎不全
120
狭心症・心筋梗塞・心不全
(mmHg)
のリスク上昇
高血圧が病気を招く ?
3
コラム
家庭血圧
正常高値血圧
正常血圧
至適血圧
80 85 90
100
拡張期血圧
110 (mmHg)
コラム
家庭で測る血圧を家庭血圧とよび、高血圧の基準となる数値も別に定めていま
高血圧自体は自覚症状がほとんどありません。症状が出るときは、高血圧を原
す。家庭血圧は診察室血圧よりも一般に低い数値を示す傾向にありますので高
因とする生命に関わる病気が進行した時、ということがよくあります。その怖さ
血圧の基準となる数値も低くなり、収縮期血圧(上の血圧)が135mmHg以上、
から、高血圧はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)という別名を持っています。
かつ/または拡張期血圧(下の血圧)85mmHg以上を高血圧と定めています。
4
血圧について
高血圧といわれたら ?
高血圧は生活習慣病の
ひとつです
血圧は変動が大きい測定値ですので、
1回の診察時に2〜3回測定し、
生活習慣病とは、その名のとおり、普段の生活習慣が発病や進行に深
日にちを改めて2〜3回診察してから高血圧かどうかを判断します。
くかかわっている病気のことを意味します。
「高血圧治療ガイドライン2009」では、血圧以外の危険因子や合併
※
「高血圧治療ガイドライン2009」でも、高血圧は生活習慣病のひとつ
症があるかどうかによって、
直接生命に関わる脳や心臓の病気になるリ
であり、生活習慣の改善によって血圧が下がることも証明されている、
スクを分類しています。そのリスクによって治療方法が選択されます。
と書いています。高血圧以外にも、糖尿病、脳卒中、脂質異常症 ※、心臓
糖尿病、慢性腎臓病、臓器障害、心血管病のある場合は、正常高値とよ
病、
肥満、
痛風、
アルコール性肝疾患などが、
悪い生活習慣によって引き
ばれる130/85mmHg以上から高リスクと判断され降圧薬による治
起こされるといわれています。生活習慣を改善することが高血圧治療
療が開始されます。
の第一歩です。まずは食生活、運動習慣、生活リズムを改善し、ストレス
※血圧以外の主な危険因子：喫煙、
糖尿病、
脂質異常症、
肥満（特に腹部肥満)、
慢性腎臓病、
高齢、
若年発症の心血管病の家族歴など
をためない工夫をしましょう。
※脂質異常症：以前は高脂血症と呼ばれていましたが、
新ガイドライン（日本動脈硬化学会: 動脈硬化性
疾患予防ガイドライン）
で疾患名が「脂質異常症」
に変わりました。
●リスク別治療方針
まずは生活習慣の改善。
低リスク群
生活習慣を改善しても3ヵ月以内に血圧が正常値まで
下がらない場合には、
降圧薬による治療を開始。
まずは生活習慣の改善。
5
中等リスク群
生活習慣を改善しても1ヵ月以内に血圧が正常値まで
高リスク群
すぐに降圧薬による治療を開始。
下がらない場合には、
降圧薬による治療を開始。
6
食生活でコントロール作戦
食べた物を記録しましょう
塩分控えめ、味付けは薄めに
その日食べた物をすべて記録することで、
自分の食習慣がわかるように
塩分をとり過ぎると体の中に水分がたまり、血液の量を増加させます。
なります。つい甘いものに手が伸びてしまう癖や、高カロリーの食事を
それによって血圧が上昇します。
日本人の平均食塩摂取量は11gといわ
好んで食べている、など意識せずに行っていた食生活を見直すきっか
れていますが、
血圧が高めの場合は、
1日の食塩量を6g未満にすること
けになります。
を目標にしましょう。
バランスの良い食事を
とりましょう
食べ物から得られるそれぞれの栄養素の働きによって、体の状態が健
康に保たれています。食事の内容に偏りがあると、せっかくとり入れた
栄養素が十分に働くことができなかったり、余分な栄養素が蓄積され
て肥満となり、やがては生活習慣病を招くことにもなります。バランス
のよい食事を、決まった時間に必要な量だけとることは、健康を維持す
る基本となります。
減塩のコツ
●漬物は浅漬けで
●うどんなどの汁は飲まない
●調味料は「かけて食べる」より
「つけて食べる」
●ゆず、
しそ、みょうが、ハーブなどの
香味野菜で変化をつける
●レモンなどの酸味を活用する
●とうがらしなどの香辛料を活用する
●炒りゴマなどの香ばしさを利用する
●揚げ物、油炒めなど、油の味を利用する
●食べ過ぎない
栄養表示から塩分を換算するには ?
コラム
栄養表示はNa( ナトリウム) で表示されているので、その数値を2.5倍したもの
が食塩量（mg）に相当します。
7
8
運動習慣でコントロール作戦
体を動かす習慣をつけましょう
適正体重を維持しましょう
適度な運動は、身体機能を活性化させ、血液の循環を促進します。そし
適度な運動は、消費エネルギーを増やします。肥満傾向の人は体重を
て、
適度な運動を継続して行うことで、
血圧だけでなく、
肥満の防止など
4〜5kg減らすことで、
血圧が下がることが期待できます。長期的計画
様々な効果があります。ウォーキングやサイクリング、水泳などの有酸
のもとに無理のない減量をしましょう。
また、
摂取したカロリーが消費す
素運動が高血圧の患者さんには向いている運動です。
ただし、
高血圧の
るカロリーを上回っていれば、
その分は脂肪として身体に蓄積されます。
状態によっては運動が制限されますので、
前もって医師の指導を受けま
それが続くと肥満という結果を生みます。活動量に見合った食事をし、
しょう。
エネルギーのとりすぎにならないようにしましょう。
メタボリックシンドローム診断基準
コラム
内臓脂肪蓄積
必須項目
ウエスト周囲径　男性≧85cm
女性≧90cm
（内臓脂肪面積　男女とも≧100cm2に相当）
以下のうち2項目以上あてはまるとメタボリックシンドローム
脂質値
血圧値
血糖値
高トリグリセライド血症 ≧150mg/dL
かつ/ または
低HDL コレステロール血症＜40mg/dL
収縮期（最高）
血圧　≧130mmHg
かつ/ または
拡張期（最低）
血圧　≧85mmHg
空腹時高血糖　≧110mg/dL
平成20年4月から、
健康保険組合、
国民健康保険などに対し、
40〜74歳の加入者を対象
9
BMI(体格指数 )
コラム
としたメタボリックシンドロームに着目した健康診査(特定健康診査)および保健指導(特
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=BMI
定保健指導)の実施が義務付けられました。
上記の計算式により算出されます。BMIの値が25以下を目指しましょう。
10
生活リズムでコントロール作戦
禁煙しましょう
リラックスして生活しましょう
喫煙は一過性の血圧上昇を引き起こします。
1本吸うと、
15分以上高い
● 規則正しい生活をするよう心がけましょう。
状態が続きます。ヘビースモーカーは高い血圧値が持続する可能性が
● 睡眠はたっぷりととりましょう(7時間くらいが理想です)。
あります。喫煙は癌、虚血性心疾患や脳卒中の強力な危険因子でもあ
● 生活は時間の余裕をもって、ゆったり過ごしましょう。
り、
日本高血圧学会も2007年に禁煙宣言を発表し、その推進に努め
● リラックスして、毎日の生活を楽しむことを覚えましょう。
ています。
● 低温入浴でリラックスしましょう(室温は20度以上、湯温は
40度以下、5〜10分くらいの入浴)。冷水浴やサウナは
避けた方がよいでしょう。
節酒しましょう
長期にわたる飲酒は血圧上昇の原因になります。
節酒を心がければ、
降
圧効果が期待できます。
「高血圧治療ガイドライン2009」によると、飲
酒の適量はエタノール換算で男性20〜30mL、女性10〜20mL とし
ています。
エタノール20∼30mLに
相当する量
•日本酒1合
•ビール中瓶1本
• 焼酎半合弱
•ウイスキーダブル1杯
•ブランデーダブル1杯
•ワイン 2杯弱
便秘に注意しましょう
便秘になるとお腹の中の圧が高まり、血圧が上がります。ですから、便
秘にならないように気をつけましょう。食後は胃・結腸反射によって自
然に便意が起こりますので、トイレへ行き、毎日排便する習慣をつけま
しょう。
11
12
降圧薬でコントロール作戦
自分の飲む薬を知りましょう
血圧を下げるための薬を降圧薬と呼びます。
降圧薬は、
その働きによって分類されています。
「高血圧治療ガイドライ
ン2009」では第一選択薬の降圧薬は、
次の5種類の中から選択する
ことが推奨されています。
年齢や高血圧の重症度、
合併症の有無などに
よって、
使用される降圧薬が選択されます。
降圧薬のタイプ
働き
飲んではいけない人
交感神経のβ作用( 心臓の収縮力を強く
β遮断薬
カルシウム拮抗薬
利尿薬
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
(ACE 阻害薬)
アンジオテンシンII 受容体拮抗薬
(ARB)
したり、
脈拍数を増加させる作用) を遮断し、
主な副作用
気管支喘息に使えないタイプの薬があるので
血圧を下げる
注意が必要
細胞内にカルシウムが入るのを抑制して
重篤なうっ血性心不全に使えないタイプの
血管を拡張し、
血圧を下げる
ナトリウムと水分を尿中に排泄し、
血圧を
下げる
強力な血管収縮作用がある物質
アンジオテンシンII の生成を阻害し、
血圧を下げる
アンジオテンシンII が細胞膜にある
アンジオテンシンII 受容体に結合するのを
ブロックして血圧を下げる
薬があるので注意が必要
痛風の人、
低カリウム血症の人
妊婦または妊娠の可能性がある人、
高カリウム血症の人、
血管神経性浮腫のある人
妊婦または妊娠の可能性がある人、
高カリウム血症の人
脈が遅くなる・心不全の悪化
ぜんそくの誘発・四肢の冷感
顔の紅潮・頭痛・めまい・むくみ
痛風・血中カリウムの低下
糖尿病の悪化・発疹
痰が出ない咳・発熱・発疹
めまい・頭痛・ほてり
※患者さんの状態によってはα遮断薬など上記に記載されている薬以外の働きをもつ降圧薬が
使用されることもあります。
13
14
降圧薬でコントロール作戦
薬の量や回数は守りましょう
飲み合わせに注意しましょう
リスクの低い高血圧の場合には、降圧薬は1日1回で、少なめの量から
他にお薬を飲んでいる場合は、そのお薬と一緒に飲んでも大丈夫かど
スタートします。すぐに下がらないからといってあせる必要はありませ
うか、医師もしくは薬剤師に確認しましょう。また一部の降圧薬は、グ
ん。
勝手に量や回数を増やすと副作用が出る可能性があり危険です。
レープフルーツジュースなどの飲み物と一緒に飲むと血圧が下がりす
また、血圧が下がっても、自分の判断で減量したり中止しないでくださ
ぎてしまうことがありますので、
あわせて確認しましよう。
い。薬をやめることによって再び血圧が上昇することになります。血圧
の変動が繰り返されると血管に負担がかかり、
非常に危険です。
内
服
薬
コラム
降圧薬の副作用について
新しく薬を飲みはじめたときや、薬が変更になった時、いつもと違った症状が現
れたら、血圧の下がりすぎや副作用が疑われます。薬を中止すれば多くの場合、
副作用は軽減またはなくなります。医師にどのような変化が起こったかを話し、
その指示によって薬を飲み続けるか、中止するかを決めてもらいましょう。
15
16
降圧薬でコントロール作戦
複数の降圧薬を服用することも
薬を飲み忘れないように
しましょう
1つの薬だけで十分な効果が得られないときは、働きの異なる薬に切
飲み忘れや重複して飲むのを避けるため、
薬を飲んだことをチェック
り替えたり、働きの異なる薬を追加します。
1つの薬だけでさらに血圧
する習慣をつけましょう。
を下げようとすると、飲む量を増やすことになります。飲む量が増える
と、
副作用が起こる可能性が大きくなることがあります。
チェック方法
● カレンダーにチェックする
継続して服用しましょう
降圧薬は、風邪などの薬と違って、長期間飲まなければなりません。場
● 手帳や血圧手帳に記入する
● 薬の袋にメモする
● 服薬チェックシートをつくり記入する
● 薬剤のカラをとっておき、1日ごとに確認する
合によっては一生になることもあります。
降圧薬によって血圧が下がっ
たとしても、
高血圧の原因が取り除かれたわけではないからです。
飲むのをやめれば、血圧は再び上がってしまいます。医師の指示に従っ
て、
継続して服用しましょう。
17
18
血圧をよりコントロールするために
家庭でも血圧を測定しましょう
家庭血圧の記録は治療に
役立ちます
家庭で測る血圧を家庭血圧とよびます。家庭血圧は毎日測定できるこ
普段の血圧を測定し記録しておくと、
医師が治療を進めていくうえで大
とにメリットがあります。通常の診療では多くても1ヵ月に2 回程度の
切な血圧の履歴書になります。自分の日常の血圧値を知り、メモした血
測定ですので、
そのときの測定結果だけで診断するよりも、
むしろ毎日
圧値を診察時に医師に見せるようにします。グラフに記入すると、血圧
測定できる家庭血圧のほうが診断材料としては適しているといわれて
の変動がよくわかります。
その場合でも測定した数値も一緒に記入する
います。毎日測定できる家庭血圧は、白衣高血圧、仮面高血圧の診断や
ようにしましょう。
降圧薬の効果を評価することにも役立ちます。
白衣高血圧
コラム
診察時の緊張により普段より血圧が高くなる高血圧で、
多くの場合に治療の必
血圧の日内変動
要はなく、
通常の高血圧とは区別されます。
血圧は自律神経やホルモンの働きや気温の変化など、さまざまな要因によって
仮面高血圧
変動しています。1日の血圧にも大きなリズムがあり、自動血圧計を利用すると、
診察時の血圧は正常値を示しますが、診察時以外の普段の血圧が高く、本来は
24時間自由行動下血圧は家庭血圧とともに高血圧治療の大きな参考になり、
治療が必要となる高血圧のことを指します。
19
コラム
30分毎に24時間の血圧を記録することができます。
2008年4月より24時間自由行動下血圧測定は保険適用となっています。
20
血圧をよりコントロールするために
家庭で血圧を測定するときの
注意点
正しい測定バンドの巻き方
●毎日決まった時間に測定しましょう
決まった時間に測定し、
記録することで、
より正確な比較ができます。
●リラックスした状態で測定しましょう
1
カフの空気を完全に抜く
2
カフの中央が腕の内側にくるように
当てる
3
きつくない程度にカフを巻く
4
カフが肘より上部にあることを
確認する
5
カフの中心が心臓のたかさに
くるように
体を動かしたり、
精神的に緊張した直後は、
血圧が急上昇しています。
測定前の1〜2分は安静にして座った状態で測定しましょう。
●同じ腕で測定しましょう
同じ腕の測定値を記録することで、
より正確な比較ができます。
●正しく測定しましょう
市販の家庭血圧計を使うときには、上腕で測定するものが推奨され
ています。指や手首で測定する血圧計もありますが、腕で測定した値
と一致しないことがあるので、
おすすめできません。
測定バンドを正しく巻くことも大切です。次のページに正しい測定
バンドの巻き方を紹介しますので参考にしてください。
コラム
高血圧治療ガイドライン2009において
家庭血圧の測定に推奨されている条件〈抜粋〉
朝晩
起床後1時間以内
就寝前
排尿後
座った状態で1〜2分安静後
朝の服薬前
朝食前
座った状態で1〜2分安静後
21
22

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