1.地震時のマニュアル

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地震時のマニュアル
1 地震に備える
(1)家の中の安全対策
●家の中に、安全なスペースを確保する
部屋が複数ある場合は、人の出入りが少ない部屋に家具をまとめて置く。無理
な場合は、少しでも安全なスペースが出来るよう配置をかえましょう。
●寝室や子ども、高齢者などのいる部屋には倒れそうな家具を置かない
就寝中に地震が発生した場合、子ども、高齢者などは逃げ遅れる可能性がある
ので、十分に注意をしましょう。
●出入り口や通路には物を置かない
安全に避難できるように、玄関など出入り口までの通路に、家
具や倒れやすい物を置かないようにしましょう。また、いろいろ
な物を置くと、いざというときに出入り口をふさいでしまうことも
あります。
●家具の転倒や落下を防止する対策をとる
家具と壁や柱の間に遊びがあると倒れやすく危険です。また、家具の上に物を
置かないようにしましょう。
※家具の転倒・落下防止のポイント
タンス・本棚
L 字金具や支え棒などで固定し、上下に分かれている家具は連結します。
食器棚
L 字金具などで固定し、扉が開かないよう止め金具を付けたりガラス飛散防
止フィルムを貼ったりして、ガラスや食器が凶器にならないようにします。
冷蔵庫
主なメーカーの冷蔵庫後ろ側には、ベルトの取付口や取っ手があります。
そこに転倒防止ベルトを通して壁等に固定します。
テレビ
出来るだけ低い位置に固定します。テレビ台に固定するには、粘着マットや
ストラップ式の固定器具などを使う方法があります。
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(2) 家の周囲の安全対策
●ベランダの対策について
植木鉢や物干しざおなど、落下の危険性があるものは、落下防止策をしましょう。
ベランダから避難できるよう日頃より整理整頓をしておきましょう。
●屋根の対策について
アンテナはしっかりと固定しましょう。
屋根瓦のチェックをしましょう。ひび割れ、ずれ、はがれがある場合は補強しまし
ょう。
●窓ガラスの対策について
飛散防止フィルムを貼り、ガラスが飛散しないようにしま
しょう。
●プロパンガスの対策について
ボンベを鎖でしっかり固定しておきましょう。
●ブロック塀 ・ 門柱の対策
土中にしっかりとした基礎部分がないもの、鉄筋が入っていないものは補強をし
ましょう。ひび割れや傾き、鉄筋にさびがある場合は修理しましょう。
ブロック塀の安全確認のポイント
○鉄筋はきちんと入っているか。
○基礎はしっかりしているか。
○控え壁は設置されているか。
○傾きやひび割れ、破損箇所はないか。
○盛り土や土止めになっていないか。
○よう壁や石積みの上に設置していないか。
◎住宅の耐震診断
地震から命を守ることは、建物がどれだけ安全であるかに大きく関わっていま
す。
自分の家が地震に耐えられるかを知るために「耐震診断」をしましょう。
必要に応じ耐震改修を行いましょう。
※ 耐震診断の相談は、大泉町役場都市建設部建築課窓口へ
(0276-63-3111 内線205、206)
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2 地震発生!そのときどうする?
大きな地震が発生したら、冷静に対応するのは難しいものです。しかし、一瞬の判
断が生死を分けることもあります。
地震が起きても「あわてず、落ち着いて」行動しましょう。
◎わが身の安全を守る
◎出口を確保する
◎すばやく「火の始末」をする(火を消せるとき)
(1) 自宅では
●屋内にいるとき
揺れを感じたら、落ち着いて自分の身を守りましょう。
ドアや窓を開けて、逃げ道を確保しましょう。
机の下などへ入るなど、倒れてくる家具や落下物
に注意をしましょう。
●台所 ・ 調理中のとき
揺れを感じてすぐに火を消せるときは、火を消しましょう。
大きな揺れの場合は身を守ることを最優先に、テーブルの下などに身を伏せ、
揺れが収まるのを待ちましょう。
大揺れを感知すると、自動的にガスの供給を遮断するガスマイコンメーターがほ
とんどの家庭で設置されています。無理をして消火しないでください。
台所には食器棚や冷蔵庫、コンロ上の鍋など、危険が
いっぱいです。なるべく早く台所から離れましょう。
●お風呂やトイレに入っているとき
揺れを感じたら、まずドアを開けて、出口を確保し揺れが収まるまで待ちましょう。
鏡やタイルなどの落下物に注意しましょう。
●寝ているとき
揺れで目が覚めたら、ふとんや枕で頭を守り、ベッドの下など、家具が倒れてこ
ないところに身を伏せます。
暗闇では、室内の様子を把握しにくくなります。ふだんから枕元にはスリッパや
懐中電灯、携帯ラジオなどを準備しておきましょう。
●集合住宅では
家具などで出入口がふさがれないように、ドアを開けて逃げ道を確保します。
玄関から避難できないときは、避難はしごやロープを使用してベランダから脱出
します。エレベーターは使わないようにしましょう。
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(2) 学校・勤務先では
●学校にいるとき
先生や校内放送の指示に従いましょう。
教室にいるときは、すぐ机の下にもぐり、机の脚をしっかり持ちます。
また、本棚や窓から離れ、安全な場所に移動しましょう。
●職場にいるとき
窓際やロッカー、資料棚、コピー機などから離れて、机の下などに入り身を守り
ましょう。
(3) 外出先では
●屋外では
ブロック塀や電柱、自動販売機から離れ、看板や窓ガ
ラスなどの落下物、切れた電線などに注意しましょう。
●デパート・スーパーにいるとき
あわてずに、バッグや手荷物などで頭を保護し、ショーケースなど倒れやすいも
のから離れましょう。
あわてて出口に殺到せず、店員の指示に従って行動しましょう。
エレベーターは使わないようにしましょう。
●エレベーターの中にいるとき
地震時管制装置がついているエレベーターは、自動的に最
寄りの階に停止しますので、停止した階で降りましょう。
装置がついていなければ、すべての階のボタンを押し停止し
た階で降りましょう。 閉じ込められたときは、焦らず冷静にな
って「非常ボタンやインターホン」などで連絡をとり、救助を待ちましょう。
●地下街にいるとき
あわてずに、バッグなどで頭を保護し、大きな柱や壁に身
を寄せ、揺れが収まるのを待ちましょう。
停電になっても、非常照明が点くまでむやみに動かないよ
うにしましょう。
地下街には約60mおきに出口があるので、落ち着いて行
動しましょう。
もし、火災が発生したら、ハンカチなどで鼻と口をおおい、壁づたいに体を低くし
て地上に避難しましょう。
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●劇場や映画館にいるとき
バッグなどで頭を保護し、座席の間に身を隠して、揺れが収まるのを待ちましょ
う。
天井からの落下物や窓ガラスなどに注意しながら、安全な場所に避難しましょ
う。
停電しても誘導灯や非常灯が点きますので、あわてずに、係員の指示に従いま
しょう。
●海岸にいるとき
海岸で強い揺れに襲われたら、一番恐ろしいのは津波
です。避難の指示や勧告を待つことなく、安全な高台
や避難場所などに避難しましょう。
●川べりにいるとき
津波は川をさかのぼります。流れに沿って上流側へ避
難しても津波は追いかけてきます。流れに対して直角
方向に避難しましょう。
●山、丘陵地にいるとき
登山やハイキングで山にいるとき、強い揺れに襲われたときは、まず落石から
身を守りましょう。
地震で地盤がゆるみ、崩れやすくなっている可能性がありますので、ガケや急
傾斜地など危険な場所から遠ざかりましょう。
(4) 乗り物に乗っているとき
●自動車を運転しているとき
急ブレーキは予想外の事故を引き起こすことになります。
揺れを感じたら、ハンドルをしっかり握って徐々にスピードを落とし、交
差点を避け、道路の左側に停車してエンジンを切
りましょう。
揺れが収まるまで車外には出ず、カーラジオなど
で情報を確認しましょう。
避難の必要がある場合は、緊急時に移動させるこ
ともあるので、窓を閉め、ドアロックをしないで、
キーをつけたままにしましょう。貴重品は、車内
に残さないようにしましょう。
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●高速道路で運転しているとき
あわてずに減速し、左側に寄せて一旦停車しましょう。
左側に停車できないときは、右側に停車し、中央部を開けましょう。
高速道路では、約1kmごとに非常口又は非常電話が設けられています
ので、落ち着いて行動しましょう。
●バスに乗っているとき
急ブレーキが踏まれる場合があります。ケガをしないように姿勢を低くし
たり、手すりやつり革をしっかり握りましょう。
座っている場合は前かがみになって、前の座席の背も
たれをしっかりとつかみます。
立っている場合は、つり革やシートの手すりをしっかり
握るか、しゃがみこんで座席の脚にしがみつきましょう。
揺れが収まってもあわてて外に飛び出さず、運転手の指示に従いましょう。
●電車に乗っているとき
緊急停車に備え、ケガをしないように姿勢を低くした
り、手すりやつり革を握りましょう。
電車は強い揺れを感じると、自動的に停車します。
座っているときには、足を踏ん張って上体を前かがみ
にし、雑誌やバッグなどで頭を保護しましょう。
立っているときには、手すりやつり革を握り転倒し
ないようにしましょう。停車後は、係員の指示に従いましょう。
●新幹線に乗っているとき
新幹線は、早期地震検知警報システム(ユレダス)が作動して緊急停車します。
停車による大きな衝撃を受けます。座っている場合は、瞬時に前かがみに
なって、座席の間に体を隠しましょう。
通路に立っている人は、放り出されないように座
席の取っ手をしっかり握るか、しゃがみこんで座
席にしがみつくようにしましょう。
●地下鉄に乗っているとき
地下鉄は震度5弱程度の揺れを観測した場合に運転を停止し、線路途中なら
安全を確認し、低速で最寄りの駅に向かいます。
揺れを感じたら、つり革や手すりにつかまって、転倒しないように注意しましょう。
線路に降りると高圧電流により感電する恐れがあるので、落ち着いて係員の指
示に従いましょう。
出典:総務省消防庁 消防庁防災マニュアル
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(5) 地震発生時の行動パターン
地震発生直前
○緊急地震速報がでたら、身を守る準備をする。
出口を確保する。
地震発生
わが身の安全を守る。
揺れが収まった後
○冷静に落ち着いて行動する。
火の元を確認、出火していたら初期消火
家族等の安全確認
自分が負傷したら
発生から3分経過後
○隣近所の安全を確認
特に、一人暮らし高齢者などの世帯には積極的
に声をかける。
○余震に注意する。(火災の防止など)
○ラジオなどで情報確認
間違った情報に惑わされないようにする。
○家屋倒壊などの恐れがあれば避難する。
○余震に注意する
生存者を捜す場合
発生から3日間
○自分の存在(生存)を明らかにする。
大声で助けを呼ぶ、
大きな音を出すなど
○大声を出して呼びかける。
発見した場合は、すぐ救助を始めるとともに
大声で周囲に呼びかける。
○生活必需品は備蓄でまかなう
災害発生から3日間は、外部からの応援は期待
できない。
○災害情報、被害情報の収集
町からの情報に注意する。
○余震に注意する
(避難所は冊子の19、20ページに記載してあります。)
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(6) 地震についての豆知識
●マグニチュードと震度の違い
地震の大きさ(規模)をマグニチュード、地震の揺れの大きさを震度といいます。
一般的にマグニチュードが大きくても、震源が遠い場合や深い場合は震度が小
さく、逆にマグニチュードが小さくても、震源が近い場合や浅い場合は震度が大
きくなります。 マグニチュードが1.0上がると地震のエネルギーは約30倍とな
ります。
・地震の揺れと体感・状況等
震 度
体感・行動・状況
震度0
人は揺れを感じない。地震計には記録される。
震度 1
屋内で静かにしている人の中には、わずかな揺れを感じる人がいる。
震度2
震度3
震度4
震度5弱
屋内にいる人の大半が揺れを感じる。
電灯などつり下げ物がわずかに揺れる。
屋内にいるほとんどの人が揺れを感じる。
棚にある食器類が音をたてることがある。
歩いている人のほとんどが揺れを感じる。
部屋の不安定な置物が倒れることがある。
大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。
家具の移動や、食器・本が落ちたり、窓ガラスが割れることもある。
物につかまらないと歩くことが難しい。家具が倒れることがある。
震度5強
補強されていないブロック塀や自動販売機が倒れることがある。
自動車の運転は困難。瓦が落下する建物もある。
立っていることが難しい。ドアが開かなくなることがある。
震度6弱
壁のタイルや窓ガラスが落下することがある。
建物が傾いたりすることがある。
立ってはいられず、はわないと動くことが出来ない。
震度6強
固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。
建物が傾くものや、倒れるものが多くなる。
自分の意思で行動できない。
震度7
建物が傾くものや、倒れるものがさらに多くなる。
大きな地割れや地すべり、山崩れが発生する。
●緊急地震速報とは
地震による強い揺れが来ることを、みなさんに素早く知らせる情報です。
最大震度5弱以上の強い揺れが予想されたとき、震度4以上が予想される地域
にテレビ、ラジオ、携帯電話などで報知音とともに緊急地震速報が流れます。
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