〈第1 部〉「学社融合」に向けて求められる動きを事例から確認しよう! 〈第

去った 5 月 29 日に、
『みんなで共有しよう!私達が目指す「ひとづくりとまちづくりの循環構造」とは?!』のテ
ーマのもと、第 2 回教育協働研究会が行われました。1 部では、学生発表に加え、話題提供者の発表もあり、第 1 回
に比べ、少しグレードアップした会になったのではないかと思います。その研究会の様子を、簡単ではありますが、
1 部、2 部に分けて紹介したいと思います。
〈第 1 部〉
「学社融合」に向けて求められる動きを事例から確認しよう!
梅雨の季節ということで、18 時 30 分にはまだ参加者が全員揃
っていなかったこともあり、急遽「たけのこ、たけのこにょっき
っき」大会が開かれました(笑)
。早い段階で、ゲームは終わって
しまったのですが、和やかな雰囲気のなか、会を始めることがで
きました。
今回の第1部は、
前半と後半に分けて行い、
前半は学生発表を、
後半は沖縄市の社会教育主事の方に話題提供者として迎え、沖縄
市のコミュニティ・スクール、学校支援地域本部事業について話
して頂きました。前半の学生発表は、研究会で頻繁に言われてい
る「学社融合」や「まんだら図」とはそもそも何なのかを、過去
に紹介したことがある長野県松本市の寿地区の事例と共に、発表しました。3 年生には、前にたって発表するのが初
めてだったので、少し緊張していましたが、
「まんだら図」のキーワードを事例と絡めながら、勉強したことをしっか
りと伝えられていたと思います。質疑応答の場面では、OB の方から指摘も受けましたが、地域と学校の連携につい
て、今までより詳しく説明することができたので、皆さんが少しでも理解して頂けていたら、嬉しいです。
後半は、沖縄市教育委員会生涯学習課社会教育主事の方が、話題提供者として、沖縄市の学校支援地域本部事業お
よびコミュニティ・スクールの現状を、お話してくれました。沖縄市は全学校にコミュニティ・スクールを導入して
いることもあり、参加者の皆さんは、興味深くお話を聞いていました。また、質疑応答の場面でも、序盤は、あまり
手が挙がりにくかったものの、1 人が質問すると、それに押されたかのように、たくさんの質問があり、とても充実
した時間になったのではないかと思います。
(文責:上間葉月)
〈第2部〉第 3 回実行委員会
事例から見えてきたこと!各分科会が目指すものとは?!
第 1 分科会(学校からの発信部会)
今回の第 1 分科会では、最初に前回の話し合いから、中学校区を中心と
した学校間連携を行っている沖縄県内の事例をそれぞれの市町村から探し
出し、共有していく予定でしたが、事例が見つからず、ではそもそも何故、
中学校区の学校間連携を今考えていくべきなのか、という疑問から話し合
いが始まりました。
話し合いの中で、まず学校側が抱えている課題を、教員の立場から出し
ていきました。出てきた課題としては、学校を単体として捉えてしまった
場合、校長先生や教員が共通の意識や思いを持って、地域と一体化した取
り組みを行ったとしても、人事異動等があった時に、その共通の意識や思いが継続していかない、関係がリセットさ
れるという現状がある、そしてこれは全国共通の課題とも言えるのではないか、という意見が出てきました。また、
小学校と中学校で連携を行っていくとしても、それぞれの学校によって求められているニーズや方針が異なってくる
ので、その部分での学校間連携の難しさがあるといった意見や、今の世の中は、家庭や地域で行うべき役割を学校側
に押し付けているという現状があり、学校が全てを教えないといけない、学校への負担が大きいといった課題がある
ことも挙げられました。
こういったことは、やはり地域との関わりが薄いからこそ挙げられる課題なのでもあるのかと考え、この学校の性
質を踏まえ、解決へと導いていくには、中学校区で考えていくことが良いのではないか、という認識で話がまとまり
ました。例えば、中学校区として学校間や地域で連携していくと、地域の人や場所といった変わらない部分を生かす
ことで、
学校と地域が共通の意識や思いを持つことができ、
結果として校長先生や教員の人事異動があったとしても、
両方の思いや意識、関係性がリセットされるという課題も解決できるのではないか、また地域と学校間を通して連携
していくことで関わりを深め、
学校としても地域の人が入りやすい学校づくりができるのではないかと考えられます。
今後は、学校間を含め中学校区で、地域との連携を行っている事例を全国から見つけだし、それらの良さを共有し
ていくことが学校側においても必要なことだと考え、テーマとして取り上げていきたいと思います。
(文責:山下健吾)
第 2 分科会(行政からの発信部会)
今回、第 2 分科会では、5市町村 11 名の方に集まっていただき、
話し合いを進めていきました。まず始めに、宜野湾市の教育委員会
から話題提供者をお招きし、現在宜野湾市で策定されている教育振
興基本計画についてお話して頂きました。現在策定していく中で、
行政も学校もそれぞれで出来ることには限界があるため、地域の力
を必要としているというお話がありました。また行政側の課題とし
て、行政主体の事業を継続しているため、地域の課題や市民のニー
ズに対応していない、行政部署間の情報の発信・共有が不足してい
る、外部の人材を活用したワーキンググループ等の取組が少ない、といったことが挙げられました。
それを受け分科会では、そういった組織づくりや地域の人たちを取り込むための仕組みづくりをどのように行って
いるのかに焦点を当て、話し合いを進めていきました。話の中で、そもそも、そのような組織づくりがまだ無い地域
があり、地域が学校を支えるのではなく、学校側が仕掛け、地域を活性化させるといった視点をもって活動している
地域がありました。その一方で、地域の人材データベースをコーディネーターが一括管理し、地域の人が持つ力を学
校側の要望と上手く結びつけて成功している地域など、県内の市町村でも大きく差があることに気づきました。しか
し、そういった仕組みづくりが出来ていても、校長先生によって地域とのつながりに温度差が生じたり、繋がりが途
絶えてしまう、また学校から仕掛ける中で、現職の教員はどこに投げかけたらよいのかわからない、窓口がどこにあ
るのか分からないといった課題が挙がりました。
こういった意見から行政は、挙げられた課題をきちんと解決するための組織づくり、仕組みづくりを行うべきでは
ないかと考えました。次回の研究会では、学校と地域、行政を結ぶ組織づくり、仕組みづくりを各市町村ではどの様
に行われているのかを各参加者が持ち寄り、行政は学校や地域のためにどのような組織づくり、仕組みづくりが出来
るかを考えていきたいと思います。
(文責:宮里優花)
第 3 分科会(民間・コーディネーターからの発信部会)
今回、第3分科会では「那覇市繁多川公民館の活動」と「浦
添市放課後子ども教室」の二つの活動事例を取り上げ、第3分
科会の強みについて話し合っていきました。
始めに、繁多川公民館の指定管理者の代表の方から、資料を
基に、現在行っている活動について話を聞いていきました。こ
の活動事例で特徴的な点が、
「民主的で持続可能な事例を目指し
ている」ところです。まず、公民館が中心となり、地域から人
材を発掘しています(
「すぐりむん認定」
)
。そして、公民館での
活動や学校と行う活動等を地域の方々と協力して行っています。
このように、公民館や地域が中心となっていることにより、学校ともスムーズで持続した連携協力ができているよう
です。また、学校全体と地域が信頼関係を築くことで、総合的な学習の時間と公民館との事業を位置づけることがで
きているようです。この点は、第1部で挙がっていた、学校側の構成員が変わることにより、活動の継続が困難にな
るなどの課題を、外から解決する手段になるのでは、という話になりました。
次に、浦添市放課後子ども教室みやぎっ子代表の方から、活動の話を聞いていきました。この活動の中で、子ども
達を参加させる前に必要となるのが、保護者との契約で、オリエンテーションを行った後、保護者からの許可がもら
えない場合は、子どもを預かることはできないそうです。これが課題として挙げられていましたが、近年は学校側と
連携し宿題教室を開くことで、保護者の許可を得られることが増えてきたといいます。子ども教室では、理科教室や
パソコン教室など、多様な教室を開くことで、子どもたちの興味を引き出す活動を行っています。この事例から、学
校は教育の場だけではなく、地域及び社会教育と子どもを繋げる窓口になるのではないか、と考えました。またこの
活動においても、学校外の団体が中心となって行い、学校と連携していくことで持続できているということも挙げら
れました。
今後は、
サブテーマの再検討と今回学んだ事例を基に、
教育協働における第三部会の役割を改めて考えていければ、
と思います。
(文責:大城拓也)